洞山・西新山



キラズ山600m展望台より(2002年12月21日撮影)

標 高洞山861m 大谷の頭961m 西新山1110m
所在地細入村・八尾町
庵谷登山口 アプローチ富山から41号線を南下して庵谷
所要時間富山から車で40分
標高差単純900m 累積1450m
距 離登り5890m 下り7490m 合計13380m
登山日2003年3月21日
天 候快晴
同行者単独
参考コースタイム
富山山歩き(シーエーピー)
庵谷(90分)反射板(30分)洞山(30分)大谷の頭
参考コースタイム
とやま山紀行(桂書房)
庵谷(50分)反射板(50分)高台(30分)洞山(50分)大谷の頭(45分)818mピーク(70分)林道(30分)庵谷
コースタイム庵谷(97分)洞山(37分)大谷の頭(97分)西新山(70分)大谷の頭(40分)818mピーク(80分)庵谷


 昨年暮れのキラズ山敗退の帰り道、目の前に見えた山だった。「来いよ」と言われたような気がしていた山だった。先週登る予定だったが白木峰を優先し、1週間遅れとなってしまった。
 雪山は稜線がはっきり見えて山の形が解りやすい。キラズ山からの写真を眺めて登山ルートをイメージする。
7時30分、庵谷の神社近くに車を停める。身支度を終え7時42分、庵谷240m地点を出発。


林道の入口に車を停める
 

下に見える林道から鉄塔までの急な藪こぎ
 
 雪が残る林道を高圧線の下まで歩くが、取り付きが分からない。しょうがないので雪が消えてしまった藪を登る。
 歩くと言うより殆ど木につかまった腕の力だけで上がる。ストックが絡まって歩きにくい。泥に汚れるプラブーツも情けない。鉄塔まで上がってみると道は左の方から来ているようだった。
 所々に雪が残る送電線の点検用の道を登る。今日も杉花粉で、くしゃみ、鼻水、目のかゆみに悩まされる。曇っていた白木峰でも辛かった。晴れている今日はなおさらだ。残雪時の登山の最大の敵は杉花粉のようだ。


所々雪の残る高圧線の保安道
 

鉄塔の下、沢山の踏み跡
 
 40分程で林道に出る。庵谷峠から来ている林道だろうか?林道を少し上ってから左斜面にとりつき、尾根に出る。
 その後は雪の尾根筋を快適に登る。歩道のような踏み跡に雪が数センチ積もっているだけで、かんじきの出番はない。
 9時16分、反射板(831m)に到着。三角点はこのあたりにあるらしいが今は雪の下だ。洞山の頂上はここから100m程西に行ったところで、ここより10m程高いらしい。
 頂上からいったん40m程下がった後、160mを登り、961mピーク(大谷の頭)に出る。9時53分だった。この季節の人気の山だと聞いていたのに誰にも会わなかった。


快適な尾根筋
 

ブナ林の尾根筋を行く
 
 正面に西新山が見える。時間も体力も十分ある。このままでは不完全燃焼だ。山行きで計画を延長するのはよくないと思ったが、足はすでに大亦峠へ向けて歩き出していた。
 ここからはトレースはない。尾根を下る難しさを実感させられた。広く長い大亦峠へ向けて尾根筋がいくつにも別れていく。小さな谷をいくつか越えて尾根の修正をしながら降りる。
 西新山の地図を持ってきていないので、歩きながら登山ルートを探る。杉林への取り付きは急登だ。右に見える尾根は木立も少なく歩きやすそうだが、ここも急登になりそうだ。
 大亦峠への半ばで雪がくさりはじめ、かんじきを履く。230mを降りて大亦峠(730m)に出る。広くて長い峠だ。くさった雪は歩きにくいと思い、杉林のとぎれた右側の北斜面を登る事にした。


反射板に到着
 

洞山の頂上から961mピークを望む
 
 西新山の北斜面は堅いクラストの上に粉雪が5cm程積もっているような状態だった。斜面によって雪質が全く違う。まだ履いたことはないが、アイゼンがあったら楽なんだろうなと思った。
 途中クレパスがあったが、かもしかが踏み抜いてくれていた。かんじきで斜めに歩くには斜面が急過ぎるのでデブリの地点を利用して直登し、杉林に入る。
 11時37分、380mを登りきり、西新山(1110m)に到着。


961mピーク(大谷の頭)頂上
 

大谷の頭から見る西新山
 
 頂上は北東から南西に向けて100m、幅30m程の広さである。左から立山連峰、黒部五郎岳、笠ヶ岳、焼岳、乗鞍、御岳が見え、西には白木峰や戸田峰が見える。
 上市のハゲ山に行っているはずの中林と秋元に電話を入れる。向こうからも何回か電話をしたらしいが、こちらは電源を切っていた。
 目の前に見える山々の素晴らしさを電話で伝える。向こうも山が綺麗だと感動を伝えて来る。だが400mの山と1100mの山では見える範囲が違うはず。そちらからは御岳までは見えまい。


西新山への登り 右に見えている尾根は急な
ので没にした

西新山の登りにあったクレパス かもしかが
踏み抜いてくれていた

 1人の世界を満喫しているとき、2人組が来るのが見えた。雪面に小便で書いたイニシャルを慌てて靴で消す。
 今回はうまく書けたので祖父岳の時の約束をはたしましょう。(興味のある方だけここをクリック)
 30代と思われる2人は富山市内の某医療機関の山岳部だそうだ。先週、人間ドックでお世話になったところである。八尾の桐谷から入ったと言っていた。
 お医者さんと看護師さんだろうか?しばらく話した後、彼らは「2人だけの世界」に入っていった。こちらも改めて1人だけの世界に戻る(^_^;)


杉林の尾根筋
 

西新山頂上
 
 近くの山は左から小佐波御前、六谷山、キラズ山、池ノ山が見える。池の山の手前に少年時代を過ごした大津山の部落跡が見える。
 まだ、大木が育っていないようでそのあたりだけ白く見える。この季節に登りたかった大高山が見え、唐堀山が見える。来週、浜治さん達と登る予定の戸田峰がその右にに見える。
 昼食を済ませ、コーヒーを飲んで13時8分、「2人の世界」を後に残し、頂上を出発。


西新山頂上への足跡
 

二人の世界
 
 380mを駆け下り、230mの登りにかかる。雪はくさってシャーベット状になっていた。滑る雪面にかんじきをけり込みながら961mピークを目指す。
 途中でカメラの電池が切れ、交換した電池もあがっていた。以後、写真は撮れなかった。
 14時20分、961mピーク到着。周遊コースを歩く予定だったのでコースを左に取る。なだらかな尾根筋を歩き20m程の急登を登りきると、818mピークに出る。


西新山から見た大谷の頭
左上方に八尾桐谷からの林道が見える

大高山
 

 ここで尾根筋をはずれ、右に90度コースを変え、急斜面を下る。地図がないと出来ないコース取りだ。
 広い斜面もやがて1本の細尾根に変わる。だが高度を下げるにつれ、又、いくつもの細尾根に分かれていく。
 途中林道も見かける。左に行くと違う谷に出るという思いが右側の尾根を選ばせてしまう。林道に出る最後は崖になっていて危険だった。
 林道の下りの途中でもう1本の林道が合流していて、そこに太いトレース跡があった。やはり尾根を間違えて降りたようだ。


遠くに笠ヶ岳、手前に池の山
大津山の集落跡も見える

遠くに乗鞍岳、この右に御岳も見えた
 

 16時25分、心地よい疲れの中、車の駐車地点に戻る。
 朝方、林道に残っていた雪も消えていた。近くの舗装道路上で犬と戯れている子供がいた。のどかな春の風景である。冬用のプラブーツも今日で最後かなと思った。