富 士 山 |
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所在地 | 山梨県、静岡県 | |
吉田口 | アプローチ | 富士吉田市より富士スバルラインで5合目(2300m)まで車乗り入れ |
登山口標高 | 2304m | |
標 高 | 3776m | |
標高差 | 単純1472m | |
沿面距離 | Km | |
地 図 | カシミール ←クリック | |
登山日 | 2003年8月23〜24日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 間坂、河合、村井、吉田、秋元、城、中林、郷田 | |
コースタイム | 1日目 5合目吉田口(50分)6合目(2時間35分)7合目「富士一館」 2日目 「富士一館」(2時間35分)8合目「富士山ホテル」(1時間30分)頂上<1回目お鉢巡り(50分)><2回目お鉢巡り(2時間5分)>(4時間20分)5合目吉田口 |
昨年の白山登山を承けての富士登山だった。「日本三名山を登らずして立山を語るな」と言うのがそもそもの発端だったのだが、もうそんな事は皆忘れていた。「今年は富士山に行くぞー」というノリだけでの富士登山だった。 富士山という山は不夜城と言うか不夜山と言うか、24時間、登山者がうごめき、山小屋が開いている山だった。 新宿の歌舞伎町か渋谷の道玄坂にいるような感覚なのだ。登山者も外人が多く、英語や訳の解らない言葉が飛び交っている。 中高年よりも若者が多いのにも驚いた。アベックも多く、デイト感覚で山に登っているような感じだった。 熊鈴を鳴らしながら北アルプスの山々を歩いていた者にとっては、全く異質な山であり、異文化を見るような衝撃を受けた山行きだった。 |
諏訪SAで |
吉田口5合目 |
朝6時、富山IC近くの待ち合わせ場所に集合する。車は空港前のレンタカー会社から借りた10人乗りのワゴン車だ。荷物を載せ替え、富山ICから北陸高速に入る。 旅行と登山が両方出来るようなうれしさに、胸がときめく。有磯SAに入り朝食タイム。登山時の朝食は炭水化物を摂るといいらしい。 先月、白馬岳に行ったときと同じメニューの天玉うどんを注文する。糸魚川ICで降りて、国道148号線を走り、豊科ICから長野高速、中央高速と乗り継ぐ。 途中、北アルプスや八ケ岳、南アルプスの山座同定がうるさい。が、これも又、山好きな連中の楽しみの一つなのだ。 |
登山道入口 |
須走口への分岐点 |
11時、少し早いが双葉SAで昼食を摂る。大月JCTで中央高速を離れ、河口湖ICで降りる。予定より1時間ほど遅れていた。 コンビニに寄り、宴会用のつまみや明日の朝食などを仕入れる。富士スバルラインから見上げる富士山は流石に大きい。広い裾野を両翼に広げ、そびえ立つ姿は日本一と言われるに相応しい。 明日はあの頂上に立つのだ。誰かが「待ってろよ」と叫んでいたが、思いは皆同じだっただろう。 13時40分頃、五合目の駐車場近くまで来るが、渋滞になっている。近くにいたガードマンに状況を訊ねると、ここに車を置いて歩けば1時間、上まで車で行けば2時間〜3時間だと言う。 だが、マイクロバスが下りてきた後に、対向車線を走って上まで行けと言う。言われるまま対向車線を走り、駐車場まで入る。5分ほどで着いてしまった。 大量輸送車に対する配慮のようだ。レンタカーを借りて来た、思いもかけないメリットだった。 さっそく身支度にかかり、14時15分、予定より1時間15分遅れで五合目を出発する。 |
6合目まではこんな道が続く |
馬は7合目まで12000円 |
五合目からの登山道は車も走れそうな道が、なだらかに降りながら南側へと続く。1Km程歩いたところで道は二つに分かれていて、右の道を行く。 ここからが登りとなる。左へ下りていく道は須走口への道のようだ。ダケカンバやミヤマハンノキが繁り、ホタルブクロやトモエシオガマ、ヤハズヒゴタイが咲いている。話しに聞いていたより緑が多い。 ジグザグの道を歩き標高をかせぐ。15時4分、6合目の「穴小屋」に着く。この小屋はこの季節、もう営業をしていないようだった。 さらに1時間歩き16時7分、7合目の「花小屋」に着く。このあたりからの道は岩場となり、山小屋が連なっている。 16時15分、「日出館」。16時26分、「トモエ館」。16時34分、「鎌岩館」。そして17時41分、予定より1時間40分遅れで宿泊予定の「富士一館」に到着。距離の割に時間がかかったのは渋滞していたからだ。 小屋に入り、すかさず缶ビールを注文。途中で買ってきた漬け物や、富山から持ってきたつまみなどを出して乾杯。ビールが美味しい。 畳の間の長いテーブルで飲んでいるが、そのままここが食事場所になるらしい。ビールからウイスキーに変わり、ほどよく仕上がっていく。 山小屋での夕食の定番、カレーライスを食べた後、宿泊場所に案内される。2段に仕切られた棚と床には布団が敷かれ、びっしりと枕が並べられていた。 |
7合目からは岩場となり渋滞が続く 山小屋が連なって建っている |
食事の前の大宴会? |
この後、団体が入り、夕食後仮眠して10時半頃出て行った。目が覚めてしまい小屋の入り口近くの囲炉裏の横へ起き出してぼんやりしていた。 夕食を取った場所では4人のグループがうどんを食べていた。500円のペットボトルの水を買い、飲む。 3m程離れた入口の前は登山道路となっていて、人でいっぱいだ。外人が通る。アベックが通る。団体が通る...とぎれる間がない。 金剛杖に焼き印を押してもらおうとする客が時々入ってくる。1押し200円はボロい儲けだ。 外に出てみると下にはヘッドランプの列が続き、真上には赤く火星が光っていた。富士山の夜空は下界の都市の明りのせいだろう、立山ほどきれいではなかった。 |
午前2時20分出発 |
午前5時、御来光 |
1時半頃から吉田、城が起き出してきた。昨年の白山登山では早く起こしてしまいブーイングを浴びたので約束の時間まで我慢する。 2時少し前、フライング気味に皆を起こす。身支度を終えて出発したのが2時20分だった。顔も洗わず、歯も磨かず、勿論髭も剃らず。暗い中、ヘッドランプの明かりを頼りに歩く。 小屋毎に小休止して後続を待つが、徐々に待ち時間が長くなる。「元祖室」の小屋でついに河合、吉田が先行して行ってしまった。 しばらく待つが皆はなかなか上がってこない。もうバラバラになってしまったのだから待ってもしょうがないと思い出発する。 「富士山ホテル」の手前で2人の後姿を見かけるが、「富士山ホテル」は幾重にもなった大きな小屋なので見失ってしまった。 |
吉田口頂上近くの大渋滞 |
人がいっぱいの吉田口頂上 |
「富士山ホテル」の前で訊ねた登山道は下山道だった。下山道を少し上がったところで日の出を迎えた。5時2分だった。 あちこちから歓声が上がる。高い雲と低い雲の間に太陽が顔を出した。この間5分間ほどだっただろうか、歩いている人はいない。山全体が停まっているようだった。 日の出後、下山道を歩いている事に気づき、途中でトラバースしている道から上山道に戻る。ここで、河合、吉田を追い抜いてしまったようだ。 広い道では人の横を歩き(追い抜き)、狭い道では人の後に従う。頂上から標高150m程のところから大渋滞に巻き込まれる。 下山道を間違えた人達が下りてきても避ける場所さえない。それでも少しずつ標高をかせぎ、6時30分、登り切る。 |
浅間神社奥宮 |
剣が峰(3776m)で記念撮影 |
そこには小屋と売店と浅間神社の出先の社務所があり、人でごった返していた。皆を待つが座る場所もなく、風が強くて寒い。 6時50分、お鉢巡りをする時間も怪しくなってきたので取りあえず一回りする事にした。急ぐと空気の薄さを実感する。 いつもよりゆっくり歩く。お鉢の底は深く、200m近くありそうだ。壁面にはまだ雪渓が残っていた。しばらく行った御殿場口、富士宮口の頂上に浅間神社奥宮があった。 その先に急な登りがあり、観測所のある剣が峰へと続く。剣が峰へは100人ぐらいの人が並んでいた。それがなかなか動かない。写真を撮るために並んでいたのだが、頂上に立つための並びと勘違いして頂上をあきらめた。 そこからのなだらかな降りを駆け下りる。足音がダブって聞こえると思ったら途中で追い越した人が後を走っていた。 その人は登り道にもかかわらず追い越して走っていってしまった。すごい人がいるものだと思ったが、しばらく行ったところで倒れていた。 以前の自分を見ているようで笑えなかった。 |
何故か富士山は二等三角点 |
剣が峰にある観測所 |
白山岳への道は閉ざされていて、登らなくてもいいので、ほっとする。7時40分、一周して元の場所に戻る。 もっと簡単に回れるかと思ったのに50分もかかってしまった。8時10分、全員が揃う。すでに下山予定の8時を過ぎているが、やはりここまで来て、お鉢巡りをあきらめるわけにはいかないようだ。 8時17分、お鉢巡り開始。このメンバーは唯我独尊型が多いらしく、すぐにバラバラになる。それでも剣が峰では、いっしょになり記念撮影を撮った。 10時22分、全員お鉢巡り終了。10時40分、予定より3時間40分遅れで、頂上を出発する。 |
深さ200mはあろうかと思われるお鉢 |
土埃の舞い上がる下山道 |
下山道はザレ場で乾燥していて、土埃がすごい。タオルなどで緊急のマスクとするが、頭などは茶髪になってしまった。 「江戸屋」の前で須走口の下山道と間違えないようにいったん集合する。その後又、ジグザグを繰り返し、途中で朝食兼昼食を摂る。 ジグザグの終わり近くにトイレがあった。屋根にはソーラーパネルがあり、電気を使っているようだ。ようやく左への長いトラバースになり、徐々に標高を下げ、昨日の登り口にたどり着く。 そして最後はゆるやかな登り返しの後、5合目に帰り着いた。15時だった。 15時30分、五合目を出発。路駐の車がじゃまをしていて、しばらくは車が動かなかった。富士スバルラインを走り、高速に入り、大月JCTで中央高速に乗り換える。 諏訪SAで待望の風呂に入り、夕食とする。高速道路上の設備なのでビールがなかった。ビール、ビールと叫んで来ただけにこの誤算は辛かった。 夕食後はひたすら富山を目指し、車を走らせる。11時、富山ICに到着。 |
延々と続く下山道 遙か上の方に見える薄緑が自衛隊の演習場 |
5合目に帰り着く |
「富士山に登ってきました」と言うのは他の山より重い響きを感じる。やはり日本一の山だからだろう。 皆は「富士山は一回でいい、もう登らなくていい」と言っていた。だが、そんなに捨てたものでもない。あの独特のムードが面白かった。 チャンスがあったら又、登ってみたい。そして多分、次回は平日に日帰りで... |