金剛堂山 |
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標 高 | 1638m | |
所在地 | 利賀村 八尾町 | |
栃谷登山口 | アプローチ | 八尾町から大長谷の室牧ダムをさかのぼり栃折峠を超え利賀村百瀬に至。百瀬の最上流に栃谷登山口がある。利賀村からもトンネルを越えれば百瀬に入ることが出来る。 |
所要時間 | 八尾町からは約1時間 利賀村からは25分 | |
標高差 | 898m (登山口740m) 積算標高差(980m) | |
沿面距離 | 10200m | |
登山日 | 2003年3月2日 | |
天 候 | 曇り後晴 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 富山県の山(山と渓谷社) | 栃谷登山口(90分)1346mピーク(60分)前金剛(90分)東俣登山口 | |
参考コースタイム とやま山歩き(シーエーピー) | 栃谷登山口(150分)金剛堂山(90分)栃谷登山口 | |
コースタイム | 利賀スキー場(25分)栃谷登山口(213分)前金剛(107分)栃谷登山口(19分)利賀スキー場 |
![]() 栃谷登山口にあるトイレ |
![]() この谷から入山(栃谷登山口) |
風邪をひいていて体調はよくなかったが、晴れている休日は逃せない。次回はこの山と決めていた金剛堂山に向かう。八尾のコンビニを出たのが7時50分。昨夜来の雨もこちらでは雪だったようだ。百瀬の道路上で除雪車2台を追い越す。スノーバレー利賀の駐車場も除雪の真っ最中だった。一昨日スキー場に問い合わせて、栃谷まで除雪されているという情報を得ていたのだが、誤報だった。林道の空き地(740m)に車を停め身支度をする。(帰りに気づいたのだが車の後ろに立っていた大きな看板に駐車禁止と書かれていた)釣り竿を持った二人連れといっしょに栃谷に向かう。トレースのない雪面を期待したのだがスキーを履いたグループがすでに入っているようだった。途中で脱いだシャツを落として取りに戻ったり、リュックからスキーを落としたりと、もたもたしながら9時25分、釣り人と別れ、栃谷登山口(778m)を出発。 |
![]() 徐々に青空が見え始める |
![]() 昨日の雪で木々は雪の花ざかり |
天気予報は晴だったのに今にも雪が降りそうな空の色である。気を引き締め直して百瀬川を渡る。トレースはシール付のスキーのようで、ストックの跡から3〜4人のパーティーと思われた。歩くピッチが早いと思いながらも、早く追いつきたいという気持ちが先行して押さえが効かない。吹き出す汗に、シャツ2枚の軽装となり道を急ぐ。トレースをたどっていたのでルート・ファンディングには全く気を留めていなかったが、気がついてみると夏道とはかなり離れた沢沿いを登っていた。最初に登り切るはずの1020mの尾根が下の方に見える。金剛堂山を知り尽くした人達なのか、全く知らない人達なのか? 後で分かったのだが、後者だった。 |
![]() 海老のしっぽ |
![]() 1346mピークからコルまで50mの下り |
1250m付近で尾根に近づくが尾根には出ず、その手前を尾根に沿って歩いている。雪庇を警戒しているのか、シールをはいたスキーはその方が歩きやすいのか?よく分からないがそのトレースがしばらく続く。ところが1346mピーク手前から尾根を横切り反対側の斜面に入る。急斜面をスキーで横一直線に切り込みを入れたような状態になっていて、雪崩に注意しながら歩く。突然、目の前に雪庇を削って尾根に出ようとしているパーティーがいた。信じられない光景だった。1346mピークをショートカットするつもりだったらしいが急斜面に行く手を阻まれたらしい。大阪から来たという4人は、昨夜スキー場の建物の陰でテントを張り、今朝7時半に出発してきたとの事。 |
![]() いったんは4人を横目に追い越す |
![]() 気持ちのいい登りのトレース このまま頂上まで行きたかったのだが... |
11時20分、雪庇の下から這い上がった尾根が1346mのピークだった。この頃から晴れ間が見えだし、山々の木々が真っ白に光り出す。昨夜の雪かと思ったがそうではなかった。近くで見ると見事な海老のしっぽだった。ここからの50mの下りをかんじきで一気に駆け下りる。4人は又右斜面の方に入って行くので1人で尾根筋を直登する。膝近くまでのラッセルも雪質がいいので気にならない。しかし朝方からのハイペースがたたったのか、このあたりから急にバテ始める。休憩を取っていないが単独登山ではいつもの事である。 せっかく追い越したのに1400m付近からスキー組に先行を許し、頂上までそのトレースにあまんじる事になった。スキー場の最上部から来た人達だろう、頂上付近に数人いるのが見えた。 |
![]() 後ろに見えるのは前金剛 |
![]() 雪庇の横を行く大阪のパーティー |
13時3分、前金剛の頂上(1638m)に立つ。先ほど頂上付近に見えたパーティーが中金剛(1650m)まで行って帰ってくるところだった。前回、夏に来たときは2回ともガスがかかり、強風のおまけまでついていた。今回は遠くは霞んでいるが、近くの景色はよく見える。北東方向に白木峰、小白木、仁王山が見え、南には中金剛が見える。西の方の山はよく分からない。人形山やマルツンボリ山になるのだろうか。吹き上げてくる風は冷たかったが、空からは遠く飛行機の音が聞こえ、のんびりした風景だった。 |
![]() 樹氷が美しい |
![]() 雪に埋もれた頂上の祠の屋根部分 |
スキー場から来たパーティーは小休止後、栃谷からのトレースを見てそちらへ降りていった。大阪からの4人も食事は行動食で取っているからと言って降りて行った。 残された山頂でいつもの1人乾杯! 疲れているせいか、おにぎりが喉を通らず、ミニカップ麺だけで食事を済ませる。頂上付近を歩き廻ったり、コーヒーを湧かしたりして過ごす。青空と新雪が織りなす青と白だけの空間が現実感を奪っていく。不思議な時間と空間の中、もうしばらくこのままでいたいと思ったが、そうもいかない。皆より40分ほど遅れて14時13分、頂上出発。 |
![]() 前金剛より見た中金剛 |
![]() 中央が白木峰、右手前が小白木、左が仁王山 |
小佐波御前に続いて2度目のショートスキーを試す。クラストあり、パウダーありの斜面は登山靴では前後のバランスが難しい。足の筋肉が総動員されいているようで登りより息づかいが荒くなる。標高が下がるに連れ湿雪となりさらに滑りにくくなる。疲れた足では踏ん張りも効かず危険を感じ、1200m付近からの雑木の多い急斜面をスキーを担いで降りる。15時半を過ぎていて、時間も気になりだす。 100mも降りただろうか?人の声に気がついてみると先に降りた4人のパーティーが沢近くを滑っていた。これに勇気づけられて再びスキーを履き、合流する。そのまま登山口までいっしょに滑り降りる。16時5分だった。 大阪の囲炉裏村というホームページで活躍しているとの事。そのサイトを通じて写真を送る約束をして別れた。帰ってから検索してみるとカウンターが100万を超える超人気サイトだった。 |
![]() 1人で昼食宴会(後ろは白木峰) |
![]() 大阪から来た4人パーティー |