頸城駒ヶ岳



大神堂登山口にて(2003年11月2日撮影)

所在地新潟県糸魚川市
大神堂登山口 アプローチ   
登山口標高280m(山寺)
標   高1487m
標高差単純1207m 累積   m
沿面距離片道  Km 往復  Km
地 図カシミール ←クリック
登山日2003年11月2日
天 候快晴
同行者田子、秋元、中林
参考コースタイム
とやま山歩き(シーエーピー)
大神堂登山口(1時間30分)第一の水場(50分)第二の水場(40分)駒ヶ岳頂上(2時間)大神堂登山口  合計5時間
コースタイム大神堂登山口(1時間3分)第一の水場(29分)第二の水場(43分)駒ヶ岳頂上(2時間)大神堂登山口  合計5時間42分<休憩1時間27分含む>

 その特異な山容に心惹かれるものがあり、山行きの候補に上げていた山だったが、なんとなく行きそびれていた山だった。中林からの誘いに断る理由もあるはずがなく、即決する。
朝、6時半、上市の田子家に集合する。剣岳が朝焼けにシルエットとなって我々を誘っているかのようだ。が、今日は頸城駒ケ岳だ。 滑川ICから北陸道に入り、有磯SAで朝食を取る。糸魚川ICで降りて国道148号線を南下する。 根知川を渡った信号で左折して大神堂へと向かう。この道は途中にシーサイドバレースキー場などがあるが、雨飾温泉で行き止まりだ。  交叉点から4Km程入ったところに登山靴の大きなモニュメントがある。大きいとは言っても、高さは1m程である。そこを左折して根知川を渡り、大神堂の集落を通り上沢の集落まで登る。ここからさらに左に折れ、林道を2Km程登ると登山口に着く。途中で別の林道を横切るので注意が必要だ。

 登山口の近くには蛇口付の水場、簡易トイレが2台、そして蒲鉾型の山小屋があった。小屋の中には畳が敷いてあり、布団まで置いてある。車が入るような山小屋の利用方法は前泊の宴会用しか思いつかない。 だが、仲間と一杯やり、夜明けと共に山登りに出かけるのも、なかなか魅力的ではある。

 8時25分、登山道に取り付く。急登と聞いていたがそれ程でもない。小さなブナ林の中、ジグザグに標高を稼ぐ。時々葉の落ちた枝の間から駒ケ岳の岩壁が見える。近づくに連れ頭上に覆い被さってくるようだ。振り向けば雪を被った後立山連峰の稜線が空の青さと一線を画している。右に目をやると明星山、さらに右に山肌を削られて白く見えるのは黒姫山のようだ。


 岩壁の下に立つと、ほぼ垂直に切り立った岩が圧倒的な威圧感で迫ってくる。目測、150m〜200mはありそうだ。取り付きは草付から始まるがやがてバンドと呼ばれる帯状に伸びたテラスとなる。断崖下側には樹木が生えているので落ちる心配はないが、葉が落ちてしまって見晴らしがいいので緊張感がある。登るならこの季節だと思った。
 途中に2個所ハシゴ場があるが、問題はない。写真で見たバンドは木の葉が茂っているので幅が広く見えたが、実際には登山道は幅50cm程だった。小さなアップダウンを繰り返した後、バンドの後半は登りとなる。この部分はオーバーハングの廊下となっているが、土嚢で階段が作られ、ロープも張ってあり、危険なところはない。オーバーハングしている岩に頭をぶっつけないように気をつけるだけだ。


 遠くから見ると、わざわざあのバンドの部分に登山道をつけなくても他にもルートはあるように見える。
 だがあの部分に道をつけたことがこの山を特別な山にしているように思える。少なくとも私には...
 ルート開拓者の遊び心に乾杯したい気分だった。
 
 
 
 
 
 

 10時40分、頂上(1487m)に立つ。狭い頂上にはすでに20名ぐらいが宴会をしていた。東に鬼ケ面山、鋸岳が見え、その左奥に焼山が見える。右側には雨飾山が逆光にシルエットとなっている。さっそく場所を確保して宴会に入る。今日の新しいメニューは炒めると肉汁がたっぷりのソーセージだ。デザートにはラ・フランスとリンゴ。1時間30分後の12時7分、頂上を後にする。富山の「高志山の会」の人達20数名も上がってきて頂上は座る場所もない状態だった。

 右の写真の右奥に見える部分がバンドの上部。こちらから見るとかなりの急登に見える。  ↑ クリック


 途中に3個所の水場があった。一番下の水場は地中からホースが出ていて地下水のようだ。冷たくて美味しい水だった。2番目は岩壁の手前の沢で、3番目は岩壁が終わった後の沢だ。こちらは飲まなかった。いつも流れているのかは分からないので、下で準備して持って行った方が無難だろう。
 14時8分、登山口に到着する。途中、ハードな所もあるが、距離的にはハイキングに適した山のようだ。八尾からだとアプローチに要する時間と、登山に要する時間が同じというのも何かもったいないような気もする。
時間もたっぷりあり、雨飾温泉で温泉に入る事にする。

 雨飾温泉は根知川の最奥にあり、雨飾山の裏の登山口となっている。そして鋸岳の登山口ともなっている。宿の前に露天風呂「都忘れの湯」がある。フロントで500円を払い、湯につかる。更衣室もなく、周りの葉が落ちてしまった浴槽は開放的だった。すぐ横を通っている登山道を歩く人達が驚いて見ていった。中にはお湯の湯加減を確かめに来た、混浴が大好きだというお嬢様(昔は)もいて楽しいお風呂行きとなった。湯につかりながらのビールも格別だった。