鍬崎山 |
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所在地 | 富山県上新川郡大山町 | |
ゴンドラ登山口 | アプローチ | 富山市より車で50分 |
登山口標高 | 1188m(ゴンドラ山頂駅) | |
標 高 | 2090m | |
標高差 | 単純902m 累積1090m | |
沿面距離 | 5.4m | |
登山日 | 2003年4月27日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 中林 | |
参考コースタイム とやま山歩き(シーエーピー) | 山頂駅(40分)瀬戸蔵山(40分)大品山(210分)山頂(120分)大品山(70分)山頂駅 | |
参考コースタイム 富山県の山(山と渓谷社) | 山頂駅(60分)大品山(180分)山頂(90分)大品山(90分)山頂駅 | |
コースタイム | 山頂駅(30分)瀬戸蔵山(35分)大品山(157分)頂上(105分)大品山(45分)山頂駅 |
4月6日に行った新雪の鍬崎山の印象が強すぎて来年まで待てなかった。残雪期ではあるが保守点検で休業していたゴンドラの開通日に行く事にした。前日の雨風の天候が嘘のように晴れ上がった。 雪庇での滑落や雪崩の不安があったが、中林が同行する事になり安心する。ゴンドラの始発は8時半だが時間前に乗せてくれるような話も聞き、早めに行く事にした。8時には支度を終え、ゴンドラの乗り場で落ち合う約束をする。 登山届けを出し、ゴンドラの往復乗車券を買う。夏期料金は1100円で冬期の1700円より600円の割引。 登山者は我々だけじゃないようで、50歳代の夫婦と思われる1組が待合室に入ってきた。旦那さんの方は登山靴にスパッツ、そしてピッケルを持っている。それに比べ奥さんの方は長靴にストックだけ。何か変だ。 ピッケルが必要な山なら奥さん大変だし、長靴にストックで行けるところなら、ピッケルは要らない事になる。などと余計なお世話と言われそうな事を考えているところへ男性が1人入って来る。こちらもピッケルを持っている。 |
瀬戸蔵山の反射板 |
瀬戸蔵山からの鍬崎山 遙か彼方である |
8時20分、予定より10分早くゴンドラに乗せてもらえた。山頂駅を同時スタートになりそうで、先頭を行くのか後からゆっくり行くのかが悩ましい。 写真を撮っている間に二組とも行ってしまい、結局後ろからついて行く事になった。最初の登りで夫婦を追い越し、次の登りで男性を追い越す。 カモシカが10m程横でこちらを見ていたが逃げる様子もなかった。 ゴンドラは3週間休業していたハズなのに足跡があった。ふもとから歩いて上がったのだろうか。昨日だとしたら雨風とガスで大変だったはずだ。 |
雪の消えた稜線の夏道 |
大品山にあるというトイレだろうか |
9時3分、瀬戸蔵山に到着。鍬崎山が遙か彼方に見える。ここからの細尾根は雪のなくなった夏道と雪道が交互に現れる。前回間違えて真っ直ぐ降りていった尾根はすぐ分かった。だが初めての登山者はガスがかかっていたら分からないだろう。 前日の足跡も真っ直ぐ尾根を降りて行っている。ここで引き返したのか、降りて行ったのか、足跡はここまでだった。前回付けた赤いビニールテープは4m程頭上にあり、役にはたっていなかった。 アップダウンを繰り返しながら、9時38分、大品山に到着。山頂駅から1時間5分だった。 |
徐々に稜線は狭くなる |
弥陀ヶ原と大日、天狗山 |
水分補給後、大品山からの90mを一気にプラブーツで滑り下りる。スキーの様にターンは出来ないが真っ直ぐなら簡単だ。スピードは稼げるがそれなりに筋力も使うので一長一短かもしれない。 コルから100m程登ったところから立山杉が姿を現す。そしてさらに50m程登った平な所が前回の最終地点だった。 急斜面を直登せずにジグザグに歩いてみる。こちらの方がリズム感があっていいような気もする。しばらくして広い尾根に変わり、谷のような所を歩く。そして、又、急登。雪の堅い場所もあり、つま先をけり込みながら登る。 |
稜線を行く中林 |
稜線を行く池原 |
雪庇と夏道を繰り返す細尾根が続き、ナイフリッジの急登にアイゼンを装着する。
数回、蹴り込んでいた雪面も一回で済み、ピッチが上がる。 ロープの張ってある岩とナイフリッジになっている雪とが1m近いキレットになっていて緊張する。アイゼンの爪が岩に突き刺さるような感じで心強い。 先ほどから200m程下を2人組が追ってくるが距離は縮まらない。いよいよ頂上は近い。雪面を右に登り、左に折り返すともうすぐそこが頂上だ。高度計も2000mを超えている。 12時15分、頂上に立つ。山頂駅から3時間40分だった。 |
いよいよ頂上間近 |
上から見て、遠くに見えるのが大品山 |
真正面に見える薬師岳は頂上付近に雲がかかっていた。右に北の又岳、寺地山、奥に黒部五郎が見え、手前に有峰湖が広がっている。薬師の左は越中沢岳、鳶山、鷲岳、獅子岳、鬼岳、龍王岳、雄山と見慣れた山並みが続く。 剣岳が奥大日の上に見える角度はここだけかもしれない。「剱の展望台」というサイトを立ち上げている中林には貴重なワンショットとなるだろう。20分程遅れて二人組が上がってくる。朝方に会った人達とは違う。新湊から来たそうだ。 |
頂上から見ると剣岳は奥大日の上に |
頂上横の雪の大地にて |
頂上で食事をしたり展望を楽しんだりしているうちに1時間が過ぎる。13時13分、頂上出発。 斜面を滑って降りるつもりなのでアイゼンはつけなかった。が、ナイフエッジの急斜面では危険を感じ、アイゼンをつける。ストックが刺さるような角度ではないのでピッケルを使い、後ろ向きで降りる。雪と岩のキレット状の場所は雪が崩れないかと緊張した。 広尾根で足跡を見失うが、ブナの木に書かれた大きな赤い丸印に助けられる。 15時ちょうど、大品山の登り返し90mを登り切る。その後、小さなアップダウンを繰り返しながら、15時21分、瀬戸蔵山に到着。小休止後、山頂駅に15時45分に到着する。頂上から2時間半だった。 |
記念撮影 |
記念撮影 |
夏道は歩いたことがないが、残雪期の方が歩きやすいような気がする。途中、アイゼンやピッケルが必要な場所もあるが、帰りは2時間半で降りられる。 アイゼンをつけたりはずしたりする時間は大した事がないが、そのアイゼンをリュックに収納したり出したりする時間のほうが大変だった。12本の爪は鋭利で何にでもひっかかる。 どうもアイゼンの買い方を間違えたようだ。「剣岳に登りたいのでアイゼンが欲しい」と言ったのがいけなかったようで、「他のアイゼンは爪が円いので、けり込んだ時、氷が割れるがこのアイゼンは氷に突き刺さる」とお店の方が言っていた。 |