夫 婦 山



左が男峰で右が女峰、鞍部が松瀬峠(2003年12月21日小井波集落から)

標 高784.1m
所在地富山県婦負郡八尾町
小井波登山口 アプローチ八尾町から久婦須川に沿って南下し、桐谷に入り、村の入口近くで右折。久婦須川を渡り、松瀬峠を超え、下ったところが小井波登山口
所要時間八尾町久婦須橋から車で約30分
単純標高差328m(小井波登山口〜男峰)
登山日2003年12月21日
天 候曇り
同行者単独
参考コースタイム
富山県の山(山と渓谷社)
登山口(50分)松瀬峠(15分)男峰(15分)松瀬峠(15分)女峰(15分)松瀬峠(30分)登山口
コースタイム取り付き(15分)登山口(1時間46分)松瀬峠(51分)松瀬峠<休憩40分>(35分)登山口


15分もかかってしまった登山口
 

しばらくは林道を行く
 
 天候は良くなかったが何処かに登りたい気分だった。雪が深そうなので高い山はやめて、八尾にある夫婦山に行くことにする。標高は800m弱だ。
 桐谷から右折して黒瀬谷を渡り、小井波に向かう。途中、除雪中のオペレーターが怪訝な顔で見ていた。養豚所の手前で車を停め、身支度をする。車を停めるだけのスペースが除雪されていてよかった。
 養豚所の入口からは除雪されていないのでかんじきを履く。いきなり膝上のラッセルで、養豚所を半周する300m程の道に15分もかかってしまう。松瀬峠までも届かないかもしれないなどと弱気になる。登る前からそんな気持ちじゃ、とうてい頂上には立てない。登り切ると心に誓って登山口に取り付く。


今日は夏道をはずしていないようだ
 

途中林道との交叉点の看板
 
 林道をはずれて杉林に入るとラッセルは膝下になる。斜面もきつくないので順調に高度を稼ぐ。太陽が顔を出すとあちこちの枝からの大量の雪が落ち始める。あんなのには直撃されたくない。幸い太陽は姿を消し、雪が落ちるのは収まった。
 今年の1月に登った時には夏道をはずしてばかりいたが今回ははずしていないようだ。赤い布や標識に沿って歩いている。


杉の樹林帯を行く
 

木に結ばれた赤い布のおかげで夏道が分かり
やすかった

 松瀬峠下の広場からは夏道が分からなくなる、だが今回で雪山3回目となるので松瀬峠の方向は分かっている。登りやすい場所を選んで登る。
 カモシカのトレースを借りるがすぐにはずれていった。峠近くになると歩いても歩いても進まなかった。足が上がる高さまで手で雪をかいて踏み込む。だが踏み込んだ足が残った足と同じ高さまで沈んでしまう。そうなると雪の高さが顔のあたりまできてしまい、さらなる雪かきが残ってしまう。
 両ストックを束ねて両手で持ち、目の前の雪を叩きつけて押さえつけ、さらにそれをアンカーにして腕の力も借りて体を引き上げる。これは我ながら、いい方法だった。
 登り切ってみると松瀬峠よりも20m程男峰に近いところだった。遠くに峠にある案内板が見える。


松瀬峠近くでは道が分からず登りやすい所を
登るしかなかった

胸までの雪を掻き崩しながら登り切ると松瀬峠
より20m程男峰よりだった

 迷わず男峰に取り付く。いきなりの急登だが「両ストック、叩きつけ、アンカー」のテクニックで少しずつ標高を稼ぐ。雪が締まっていないので足が滑った後には地表が顔を出すことも多かった。
 夏道とは違った所を歩いているのだろう、横にロープが張ってあるのが見える。ブッシュに掴まったりしながら腕の力もフル活用する。狭いように見える尾根筋なのに道を間違え、大きな岩の上に出てしまう。もったいないがいったん戻る。
 大きな岩の間では熊が冬眠しているんじゃないかと怖ろしかった。


男峰への稜線途中の岩と岩の間の空間
熊がいないかと心配だった

横を見るとロープが張ってある
夏道とは違う所を登っているようだ

 展望台のようになっている大きな岩の下に出る。赤い布を見つけるが、そこから先が分からない。滑りやすい急斜面のトラバース。たっぷり雪が積もった枝が垂れ下がっている。登れたとしても安全に降りられるのだろうか?
 数分悩んだが、悩んでいるのは自信がないからだ。自信がないところを登るのは危険だ。頂上は近いと思ったが潔く登頂を諦める。体力は残っていたので残念だった。松瀬峠に戻って昼食とする。


最後の大きな岩の下まで来るが、新雪と急斜面
と雪で垂れた枝で登り方が分からず登頂断念

松瀬峠に戻って昼食  ユニクロで2000円で
買った吸汗即乾の下着が失敗だった

 登頂出来なかったが缶ビールで乾杯。アルミホイルに包んだミギスを焼いて食べる。スルメも蒲鉾も焼く。いざ食事と思ったらカップ麺を忘れていてがっかりする。
 「午後の紅茶」を持ってきていたのでそれを湧かし、フレンチトーストと合わせる。これはこれでなかなかいい。
 ユニクロで買った発熱するという下着が失敗だった。上下で2000円だったので思わず買ってしまったが、即乾とは言えず、冷たくてゾクゾクした。
 富山空港の滑走路の延長線上が松瀬峠らしい。滑走路の奥行きがその幅よりも短く見えるのが可笑しい。
 振り返ると祖父岳が誇らしげだ。今年の2月に秋元と中林とで裏の松瀬集落から登攀した山だ。年明けに挑戦する事を誓って峠を後にした。


松瀬峠から富山平野を見ると富山空港の
滑走路が正面に見える

松瀬峠の西側には祖父岳が堂々としている
年明けに登る事を誓う