御嶽山



御岳ロープウエイ終点飯森高原駅から(2003年8月2日撮影)

所在地岐阜県高根村、長野県王滝村、三岳村、開田村
黒沢登山口 アプローチ高山から国道361号線で開田村を経由して御岳ロープウエイスキー場へ
登山口標高2143m
標   高3067m
標高差単純924m 累積(+)924m
沿面距離4.0Km
登山日2003年8月2日
天 候曇り後霧雨後晴
同行者早智子「山の神」
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
飯森高原駅(10分)7合目湯山荘(1時間10分)8合目(1時間20分)覚明堂(35分)御岳頂上(30分)覚明堂(40分)8合目(50分)飯森駅
コースタイム飯森高原駅(8分)7合目湯山荘(1時間10分)8合目女人堂(1時間25分)石室山荘「覚明堂」(25分)御岳頂上<休憩50分>(1時間25分)飯森高原駅

 深夜0時、大沢野文化会館の前でバスを待つ。御岳登山のツアーに参加するためだ。今回の山行きは「山の神」が企画し、申し込んだもの。本来の参加日は別の日だったのだが、今夏催行されたのがこの一本だけとなり、日を変更されてしまったのだ。
 御岳は人気がないのか? 「山の神」は29〜30日と富士山にも登っており、おかげで体力に不安を感じながらの参加となった。集合場所にはもう一組がいて、暗い中、山の話などをしながら時間をつぶす。


ロープウエイ鹿ノ瀬駅
 

ロープウエイ乗り場
 
 バスはほぼ定刻通りにやってきた。4人が乗ると、バスは満席に近い状態だった。
 41号線を南下し、高山から361号線に入り、長峰峠を越えて開田高原に出るはず。明日のためにすぐ寝ることにする。
 バスは4時近くに御岳ロープウエイ乗り場に着いたようだ。走っているときはまだうとうと出来たが、止まってしまうと色々な音が気になって眠れない。腰も痛く、朝が待ち遠しい。


山岳信仰の山で登山道には仏像や石碑がいっ
ぱい建っていた

8合目女人道(金剛堂)
 

 4時半頃、添乗員の声で皆、目を覚ます。洗面の後、身支度をして5時のロープウエイに乗る。約10分ほどで飯森高原駅に着いた。
 専門ガイドは30歳前後のやや太めの男だった。歩いて7〜8分で7合目の行場山荘に着く。朝食は、おにぎり2個とみそ汁、それに小さなナイロン袋に入った、シバ漬けと海苔だけの簡素なものだった。
 簡素なのはいいが、昨夜にぎったような冷たい半乾きのおにぎりは美味しくなかった。場所は畳の部屋で、頭上の棚には枕が並べられていた。夜は宿泊場所になるようだ


女人道の内部
 

鳥居と仏像が同居している(神仏混合)
明治時代の廃仏毀釈をいかに生き延びたのか?

 5時50分、7合目を出発。人数は38名。添乗員とガイドを含めると40名の大所帯となる。
 登山道は枕木のようなものが並べられて階段状になっている。1人半ぐらいの幅しかないので追い抜くには声をかける必要がある。人が多く自然渋滞するらしく5〜6歩、歩いては立ち止まる。
 団体行動なのでストレスを溜めながらも皆の後を付いていく。7時5分、8合目の女人堂に到着する。なんとこのスローペースにもかかわらず、ガイドが汗をかいて髪の毛をぬらしていた。この時からガイドの権威がやや失墜したようだ。


覚明霊神とは御岳を開山した尾張の覚明行者
の没後の名前

このような白装束の信者が多かった
 

 出発しようとする頃にガスに混じって霧雨が降り出す。取りあえず雨具の上着だけ着て、7時10分、女人堂を出発する。
 立山には西国三十三ケ所の仏像があるだけだが、御嶽山は仏像が多い。ガスの中からぬーっと現れるのが不気味だった。
 8時30分、石室山荘に到着。山荘は岩にへばりついたように建っている。名前の通りだ。屋根にも石がびっしり載っている。
 後続を待って休憩に入るがかなり離れてしまっていた。すでに何人かがリタイアしたようだ。後続がこないまま25分の休憩後、8時55分、石室山荘を出発する。


岩室山荘
ラーメンののぼりが可笑しい

岩室山荘の内部
 

 9時20分、頂上に立つ。頂上の神社はガスの中で幻想的だった。幻想的な神社もいいが、スカッとした山並みの方がいい。
 9時50分の出発時間が近づくにつれ、少しづつ明るくなってくる。後ろから光が射し、前にガスがかかっているので、もしやと思い、一番端に立ってみると思った通りのブロッケン現象が出現する。写真を撮っている間にガスがはれてくる。ブロッケン現象には誰も気づかなかったようだ。
 ガスが引いて山々が見え出し、皆の歓声があがる。東側には一の池、二の池が見え、お鉢も見える。西側は黒沢登山道と王滝登山道が見える。ガスはまだ残っており開田高原までは見えない。思わぬ贈り物のような景色を堪能した後、20分遅れの10時10分、頂上を後にする。


岩室山荘の横にある神社
 

白装束の信者達
地下足袋じゃなく登山靴の人もいた
 帰りはロープウエイ乗り場に集合という事なので、ストレス解消とばかりにいつものペースを取り戻す。「山の神」の後から歩くが彼女も足は速い。
 午前中撮れなかった分まで写真を撮りながら降りる。11時30分、行場山荘に着く。最後に「山の神」が人混みに捕まって遅れたので缶ビールを一本飲みながら待つ。待つ事3分で降りてきた。その後5分歩いてロープウエイ飯森高原駅に出る。


御岳頂上の神社
 

初めて見たブロッケン現象
 
 ロープウエイ乗り場のお花畑の前では先にリタイアした人達がたむろしていた。そう言えば花の少ない山だった。
 見たのはオトギリソウ、モミジカラマツ、イワツメクサ、オンタデだけだった。そのオンタデには笑ってしまった。
 聞かれて答えた「オンタデ」の名が登山道を口から口へ伝わるうちに「オンタケ」に変わり、「オンタケサンに生えているからオンタケと言うのかねー」と言うのが聞こえた。振り返ってみたがその人達は訂正するには遠過ぎた。
 次に聞かれたときは「タデ科のオンタデです」念を入れて「タデ食う虫も好きずきの、タデ科のオンタデです」と答えていた。


左に水が干上がった一の池があり右に見えるの
が二の池。この先五の池まである

頂上小屋の屋根には石が沢山載っていた
 

 集合時間の12時半になっても半分ほどしか戻ってこない。早いものから先に降りて順次昼食をとる事になった。ロープウエイ鹿の瀬駅に降りて駅前のレストランで昼食をとり、コーヒーを飲みながら時間をつぶす。
 13時50分、ようやく全員が揃い、御岳明神温泉に向かう。露天風呂やサウナもある大きな温泉だった。今日は運転の心配がないので湯上がり後の美味しい一杯を堪能する。
 そば工場の見学と試食があり、お土産を買わされて、一路冨山を目指す。途中、須河高原でトイレ休憩をとり、19時10分、大沢野文化会館前に到着。
 皆に手を振りながら、ツアー登山はこれきりにしようと誓った。


頂上へ向かう人達
 

降りてきて行場山荘にて缶ビールを飲みなが
ら...
 <雑感>
30代から70代(80代?)の方が40名もいっしょに歩くのは無理があるだけでなく、危険だと思いました。
 技術にも体力にも大きな差がある方達が一つの大きなパーティーを組む事も心配です。分かれ道や、だまし道があるような登山道でガスでもかかったら危険です。
 今回も登れなかった人達が5〜6名いて、途中で引き返しています。又、登った方達も、降りではトップとビリで1時間半もの差がありました。
 添乗員とガイドの2人だけで対応出来る範囲を超えていると思います。ツアー参加を申し込むときに登山技術や体力を自己申告してもらい、グループ分けするなど、何らかの対策が必要だと感じました。