立山縦走 |
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所在地 | 立山町 | |
室堂登山口 | アプローチ | 富山市から立山駅まで車で1時間。立山駅からケーブルとバスで1時間 |
登山口標高 | 2450m | |
標 高 | 3003m | |
標高差 | 単純550m | |
登山日 | 2003年9月23日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 山の神 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 室堂(2時間)雄山(2時間)別山(30分)別山乗越(1時間10分)雷鳥沢テント場(50分)室堂 | |
参考コースタイム 富山県の山(山と渓谷社) | 室堂(2時間)雄山(2時間)別山(20分)別山乗越(1時間10分)雷鳥沢テント場(40分)室堂 | |
コースタイム | 室堂(54分)雄山<休憩1時間>(1時間25分)別山分岐点<休憩55分>(20分)別山乗越(1時間)雷鳥沢テント場(50分)室堂 |
今年3度目の雄山だが、5月3日は2回登っているので回数で言えば4回目になる。家族サービスを兼ねての登山なのでストーブや水(2L)を持って行った。 8時のケーブルに乗り、美女平でバスに乗り換え、室堂に着いたのは9時だった。頂上へのタイムアタックは考えていなかったのに室堂ターミナルの屋上に立ち、山を見たとき、急に気持ちが変わった。 リュックは重かったが、せっかく来たんだからやるだけやってみようと思った。山の神に頂上で待っていると言い残して9時6分、室堂ターミナルの屋上を出発する。 |
五色ヶ原とその奥に越中沢岳、薬師岳。手前右が鬼ヶ岳、左が獅子ヶ岳 |
奥から剣岳、別山、真砂岳 |
いきなり歩き出すが、ウオーミングアップをしていないのがちょっと心配だ。室堂山荘まで6分かかる。昨年より1分遅い。 浄土山の裾を巻いている道はなだらかなところと急なところを繰り返す。ベテランには常識かもしれないが、あるテクニックに気づいた。 歩くリズムを変えず、登山道の勾配によって歩幅を調節する方法だ。なだらかな所では歩幅を大きくし、急な所では歩幅を小さくする。 そしてなるべくリズムを変えないようにする。呼吸は2歩毎に1回吐いて2歩毎に1回吸う。今まではリズムを変えていたので、呼吸が乱れがちだった。これなら呼吸のリズムが安定する。 割と速いペースで前を歩いていた男性が休憩を取った。そこを通り過ぎようとした時に「こう言うのは一気に登らないといけないんですか」と聞いてきた。 説明している余裕もなく「いえ、そんな事はありません」とだけ言って先を急ぐ。9時28分、祓堂につく。その男性はすぐに後を追いかけて来たがそこまでだった。 祓堂から道は急になり、2歩で吐いて2歩で吸っていた呼吸が1歩毎になる。 9時34分、一ノ越に到着。室堂から28分、昨年と同タイム。そのまま休まず左に曲がり雄山へ向かう。 |
大汝休憩小屋 |
大汝休憩小屋 |
祓堂から道は急になり、2歩で吐いて2歩で吸っていた呼吸が1歩毎になる。 9時34分、一ノ越に到着。室堂から28分、昨年と同タイム。そのまま休まず左に曲がり雄山へ向かう。 急な直登には背負っている2Lの水が効いてくる。雨具やセーターはしょうがないがストープやオニギリ、つまみなどはタイムアタックには必要ない。 17分後の9時51分、三ノ越に到着。これも昨年と同タイム。社務所直下の急登を最後のがんばりで登り切る。 9分の登りで10時丁度に頂上に立った。昨年のタイムを1分短縮。54分で登り切った。視界はよく、富士山や南アルプス、浅間山、四阿山まで見える。 缶ビールで乾杯して山の神を待つ。ウオーミングアップを済ませ、空身で登れば50分を切れるかもしれないなどと思いつつ...。 |
内蔵助山荘 |
内蔵助山荘 |
10時43分、ようやく山の神と合流する。昨年は大走りから降りたので、今年は別山乗越まで足を延ばす予定だ。 11時丁度、頂上を後にする。山の神は15分も休んだのに休憩時間が少ないとぼやく。大汝も富士の折立も横目に見て通過する。 会社には異常にピークに執着するピークハンターがいるが、山の神はピークには興味がないようだ。富士の折立の急坂を下り、真砂岳に向かう。 大走りへのコース上に普通のロングコートを着た女性の登山者(?)を発見。山の雰囲気が微妙に崩れる。 真砂岳の頂上で、懐かしい人に出会った。20年ぶりぐらいになるだろうか。今は立山山麓でペンションを営んでいる、N嬢とT嬢である。 一ノ越と雄山頂上で顔を見かけたが声をかけられなかったそうだ。タイムアタックで恐い顔をしていたのかもしれない。 暇さえあれば山登りをしているとの事。今年一番きつかったのは室堂からスゴ小屋一泊で薬師岳から折立へ降りた登山だったと言っていた。若いときに社会人のソフトボールクラブで全国大会へ行った人達だ。流石である。 |
剱御前小屋 |
剱御前小屋 |
ここから山の神を先にやって、1人で内蔵助山荘までビールを買いに降りる。12時25分、別山の登り口で3人に追いついた。 帰りの時間が心配なので別山に登らずそこで昼食とする。2人はそのまま別山に登っていった。「又、どこかで会いましょう」と言い合って... お湯を沸かし始めた頃から風が強くなり、ガスがかかってくる。お湯がなかなか沸騰しないのは風のせいか、鍋が大きいからか。ビニール袋で覆いをかけたりしてやっとラーメンにありつく。 寒かったが、それでもそこで1時間近く休憩し、13時20分、別山をトラバースする道に入る。剱御前小屋がある別山乗越へは20分ほどで着いた。 雷鳥沢を下る直前にガスが晴れ剣岳が見えてきた。山の神に間近にそびえる剣岳を見せてあげられたのは幸運だった。 |
浄土沢 |
雷鳥平キャンプ場管理棟の建て替え風景 |
降り始めた頃には完全にガスが晴れ、雄山や大日岳を見ながら、雷鳥平に向かう。山の神は何処で覚え違いをしたのか「大走り」を「犬走り」と呼ぶ。 そして「犬走り」より雷鳥沢のほうが歩きやすいと何度も言っていた。昨年「大走り」で膝を痛めたのが辛かったのだろう。 14時43分、浄土沢に降り、雷鳥平キャンプ場で一休みする。キャンプ場の管理棟が建て替え工事の最中だった。 小休止の後、地獄谷経由で室堂に向かう。地獄谷の噴煙が逆光で白く光り、地獄のモノトーンの世界を描き出していた。 |
浄土沢から地獄谷への遊歩道 |
みくりが池 |
15時30分、室堂に到着。16時10分、バスに乗る。車窓から見える剣岳、奥大日岳、薬師岳、鍬崎山。それぞれの山行きが記憶の中から蘇る。 暴風雨にたたかれた薬師岳、雪渓に行く手を阻まれた剣岳、思い出になると余計なものがはぎ取られていくかのようだ。寒かった事、辛かった事などは全て忘れ去り、楽しかった事だけが思い出となって行く。そして全てが素晴らしい山行きとなって、心の中の宝箱に詰まって行く。 |