白馬岳、小蓮華岳 |
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所在地 | 富山県朝日町、長野県白馬村 | |
猿倉登山口 〜栂池平 |
アプローチ | 白馬駅よりバスで30分 猿倉のマイカーの駐車場は20台程で、狭い |
猿倉登山口標高 | 1250m | |
標 高 | 2932m | |
標高差 | 単純1680m 累積(+)1980m 累積(−)1330m | |
沿面距離 | 15.5Km | |
登山日 | 2003年7月20日 | |
天 候 | 曇り | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 猿倉登山口(60分)白馬尻(2時間30分)葱平(2時間)村営頂上宿舎(35分)白馬岳頂上(30分)三国境(40分)小蓮華岳(1時間30分)白馬大池(2時間30分)ロープウェイ乗り場 | |
コースタイム | 猿倉登山口(45分)白馬尻(15分)大雪渓下(60分)大雪渓上(60分)村営頂上宿舎<休憩20分>(25分)白馬岳頂上(25分)三国境(30分)小蓮華岳(50分)白馬大池<休憩40分>(1時間20分)ロープウェイ乗り場 |
朝2時半、目覚ましが鳴る少し前に目が覚めた。前夜は腹痛でトイレ通いをしていたのだが、そのまま寝てしまったようだ。荷物は整理をして車に積んであったので、3時に静かに家を出る。 富山インターに入り糸魚川を目指す。途中有磯SAに寄り、玉天うどんで朝のエネルギー補給とする。糸魚川ICで降りる。 料金は2150円だった。1人の場合、高速料金などは割高に感じるが仕方がない。 糸魚川からの国道148号線は走りやすくなった。トンネルも増えて冬季も安心して走る事が出来るようだ。 白馬に5時半近くに到着。駅近くに車を停める。猿倉行きの始発バスは5時45分だ。駅前で入山届の受付をしていたので猿倉から栂池までのコースを記入して提出する。 何処に泊まるのかと聞かれたので泊まらないと答えると、テント泊まりかと聞く。日帰りだと言うと顔を上げて私の顔をのぞき込んだ。 2〜3秒、じーっと見ていたが何も言わずに受理してくれた。なにか文句を言われるのかとドキドキした。 |
大雪渓上の避難小屋 |
村営白馬頂上宿舎 |
猿倉行きのバスは980円だった。前金で払ったとき、ロープウエイからゴンドラ、さらに白馬までのバスの料金を計算に入れていなかった事に気づく。 山用の財布には4000円しか入っていない。その他にはうどんを食べたおつりが500円ほどポケットに入っているだけだ。 4000円あれば山小屋でビールを飲んで美味しいものを食べられると思っていたのだが大誤算だった。 バスは白馬出発の時は空席があったが八方駅では、ほぼ満席になった。30分程で猿倉に着く。猿倉にはタクシーで来た者から、近辺の宿から送迎自動車で送られて来た者達が200人ほどいた。 この集団に飲み込まれると面倒なので、すぐ出発する。6時20分だった。山道をしばらく行くと林道に出る。やがて又、山道になり、しばらく歩くと白馬尻荘に着いた。 7時5分だった。そのすぐ上に白馬尻小屋がありそれぞれ50人づつぐらいが休んでいた。そのままそこを通過する。キヌガサソウの群生がきれいだった |
頂上宿舎の食堂、売店 ケーキが置いてあった |
稜線の分岐点 |
7時20分白馬の大雪渓に出る。初めて見る大雪渓は汚くてアイゼンをはく手が泥だらけになってしまった。 50人ぐらいの団体がガイドらしい人からアイゼンの付け方をアドバイスされている。団体の前に雪渓に取り付く。 それでも前方には人の列が続いている。歩くスピードが合わない。6本爪のアイゼンを頼りに列の数メートル横を歩く。 どうせ歩幅も合わない。途中、横にクレパスが走っている所は左に高巻きして超える。落石の監視員が2人いた。その後もヘドロのような泥の上を一列縦隊で歩く。 ようやくそこを解放されてピッチを上げる。カラフルな服装なので年齢が分からないが、追い抜いてみるとやはり中高年が多い。 それでもメジャーな山なので若い人もそれなりにいた。途中で休んでいる人達も多かった。雪渓上にいた人達のほとんどを追い越し、8時20分雪渓を登り切る。 その岩場に30人ぐらいの人が休んでいた。花の写真を撮りながらそこも通過する。上に小雪渓があると聞いていたのでアイゼンはそのままにして歩く。 10人ほどを追い越すと、もう上には誰も見えなかった。 |
白馬山荘の石垣 |
白馬山荘の入り口 |
避難小屋に出たところで花の写真を撮ろうとするとメモリーオーバーになった。先週の上州への旅行の時のものを消していなかったのだった。 選択して消そうとするがうまくいかない。この先の方がシャッターチャンスは多いはずと泣く泣く全消去する。大雪渓やキヌガサソウの写真がなくなってしまった。 避難小屋の前にいた監視員に雪渓の事を聞くともう大丈夫だとの事でアイゼンもここではずす。10分の休憩後、上を目指す。 9時20分、村営頂上宿舎に到着。帰りの運賃の心配はあるが取りあえず缶ビール1本(550円)を買い、コンビニで買ってきたソーセージと稲荷寿司でお腹を満たす。20分の休憩だった。 |
白馬岳頂上 |
三国境 |
9時40分、頂上を目指す。ガスがかかり視界は30m程。低気温に加え風も強くTシャツ1枚では、かなり寒い。我慢して歩くと、3分ほどで稜線に出た。 風は益々強くなる。そこを右折して白馬岳頂上を目指す。広い、なだらかな砂利道のような道を歩くと、突然石垣の要塞が現れた。白馬山荘だった。 この時間だと、ひっそりしている。出て行く人は出て行き、登ってくる人はまだ少ないのだろう。そこを後にしてすすむとガスの中からケルンが現れる。そこを左に巻くとすぐに頂上に出た。10時5分だった。 |
アップダウンを繰り返す稜線の道 |
小蓮華岳頂上 |
頂上の長野県側は垂直に切り立った絶壁になっている。ガスがかかっているから怖くはなかったが絶景なのだろう。景色の見えない頂上には未練もなく先を急ぐ。 しばらく降りると風が弱まり、寒さから解放された。花の写真を撮りながらアップダウンを繰り返す。 10時30分、三国境に出る。ここを左に行くと朝日岳から犬ケ岳へとつらなる栂海新道となる。右にコースを取り、ひと登りすると小蓮華岳に出る。11時丁度だった。 ガスが少しづつ引いてきて低山が見え出す。アップダウンを繰り返しながら下がっていくと、遠くに白馬大池が見えてきた。大きな池だ。近づいてみると立山のみくりが池の4倍ぐらいありそうだ。 なだらかな斜面を一気に駆け下りて白馬大池山荘の前に立つ。時間は11時47分だった。山荘の前には沢山の人がくつろぎ、テントもいくつか張ってあった。 そこには不思議と登山の雰囲気がなかった。白馬大池山荘の人にロープウエイからゴンドラ、そしてバスの料金を聞く。2400円だった。かろうじて600円の缶ビールが買えた。 |
振り返ると道はガスの中 |
白馬大池 |
ソーセージと稲荷寿司の残りとジャムパンで昼食とする。小屋の売店を見学していて表に出てみると雨が降っていた。 慌てて売店に荷物を持ち込み雨具をつける。そこへ一斉に登山者が殺到して大にぎわいとなる。立山の観光地とよく似ている。 ふたたび外に出てみると、もう雨は上がっていた。雨具を上だけ脱いで12時30分、小屋を後にする。40分の昼食休憩だった。池をぐるっと巻くが大きな岩の上を歩く道で歩きにくい。 すぐに乗鞍岳頂上と書かれた標識のある場所に出る。もっと高いところがあり、とても頂上とは思えなかった。 |
白馬大池山荘 |
乗鞍岳頂上 |
ここからの下りに雪渓がありロープが張ってある。登りも下りも一本のロープに頼っているので大渋滞している。その横を一気に滑り降りた。 悲鳴も聞こえたが「あれはわざとだから大丈夫だ」と言う声も聞こえた。その後は水が涸れた沢のような道になる。大きな岩ばかりの歩きにくい道だ。 13時15分、天狗原に出てほっとする。湿原の中に木道が続く。それもすぐに終わり、いわくがありそうな祠の右側を巻くと、又、岩の道となる。やがて登山道らしくなるがぬかるんでいて歩きにくい。 13時50分栂池山荘に到着。沢山の人がいて雰囲気が違う。ここは登山者の場所ではなく、観光客の場所のようだ。 レストランも売店もきれいで、泥に汚れた登山靴で入るのは気が引けた。もっとも余分な金も持っていなかった。 これからロープウェイが混む時間だと聞いて、早々に降りる事にした。15分ほど並ばされ、14時15分、ロープウェイに乗り込む。「つがのもり」でゴンドラに乗り換え、栂池に降りる。 ゴンドラに乗っている時から雨が降り出していた。栂池から15時5分発のバスで白馬駅に向かった。白馬駅に着いたのは15時45分だった。 |
天狗原の湿原と木道 |
観光客で賑わう栂池ヒュッテ |
登山を始めてから1年。今まで何も考えずに山に登ってきた。今回、初めて「何のために山に登るのか」を考えさせられた。 それなりの標高差と距離を歩いてきたのに満足感がない。新宿か渋谷の雑踏の中をフワフワと漂ってきたような感覚なのだ。 目的もなく、感動もなく、ただ歩いてきただけ。景色が見えなかったせいもあるだろうが人が多すぎたせいだろう。8月の晴れた日に再度登る事を誓って白馬を後にした。 帰りの車中で、単独の雪山の人恋しくなるくらいの山行きが懐かしく思いだされた。 |
白馬岳で見かけた花達 |
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ウルップソウ |
ヨツバシオガマ |
アズマギク |
チシマギキョウ |
アオノツガザクラ |
ホソバツメクサ |
ハクサンコザクラ |
ハクサンフウロ |
ハクサンシャクナゲ |
ハクサンイチゲ |
シナノキンバイ |
コマクサ |
タカネヤハズハハコ |
クロトウヒレン |
ミヤマクワガタ |
イワオウギ |
ミヤマキンバイ |
ミヤマダイコンソウ |
イワベンケイ |
ミヤマダイモンジソウ |
コバイケイソウ |