白馬三山 |
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所在地 | 富山県朝日町、長野県白馬村 | |
猿倉登山口 | アプローチ | 白馬駅よりバスで30分 猿倉のマイカーの駐車場は200台程が駐車可 |
猿倉登山口標高 | 1250m | |
標 高 | 白馬岳2932m 杓子岳2812m 鑓ケ岳2903m | |
標高差 | 累積(+)2292m 累積(−)2292m | |
沿面距離 | 20Km | |
登山日 | 2003年9月27日 | |
天 候 | 晴後曇り | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 猿倉登山口(1時間)白馬尻(4時間30分)村営頂上宿舎(35分)白馬岳頂上(15分)村営頂上宿舎(1時間)杓子岳(1時間)鑓ケ岳(20分)稜線分岐(2時間)鑓温泉小屋(3時間40分)猿倉登山口 合計14時間20分 | |
参考コースタイム 長野県の山(山と渓谷社) | 猿倉登山口(1時間15分)白馬尻(4時間10分)村営頂上宿舎(40分)白馬岳頂上(1時間10分)杓子岳(1時間10分)鑓ケ岳(20分)稜線分岐(1時間40分)鑓温泉小屋(3時間15分)猿倉登山口 合計13時間40分 | |
コースタイム | 猿倉登山口(45分)白馬尻(2時間3分)村営頂上宿舎(30分)白馬岳頂上<休憩15分>(1時間15分)杓子岳(43分)鑓ケ岳(15分)稜線分岐(57分)鑓温泉小屋<昼食25分>(2時間30分)猿倉登山口 合計9時間50分【休憩時間含む】 |
猿倉の駐車場 200台ぐらい停まれそうだ (下山後に撮影) |
猿倉山荘(下山後に撮影) |
今年2度目の白馬登山となった。前回(7月20日)のカメラ操作ミスやガスに祟られた悔しさなどから、もう一度登ると誓っていた山である。 標高差もあり、距離も長いので日の短くならないうちにと思っていたのに9月の後半までずれ込んでしまった。速攻で登って速攻で降りてこなくてはならない。 前回は白馬大池の方へ降りたので今回は白馬三山の縦走を織り込んだ。錫岳と鑓ヶ岳に登った後、鑓温泉から降りてくる周遊コースである。 |
白馬尻小屋 |
白馬尻荘 |
朝1時半に目を覚ます。1時50分、荷物は前の晩に車に積んであるので静かに家を出た。コンビニで食料を揃え、富山ICから北陸高速道路に入る。 途中、有磯SAに寄り、朝食をとる。時間が早かったせいもあるが、ラーメンが太めのソーメンを食べているようで美味しくなかった。朝のエネルギー補給と、がまんして掻き込む。 糸魚川ICで降りて国道148号線を走る。大型トラックがひっきりなしに対向してくる。白馬村に入る頃からガスがかかり天候が心配になる。 白馬駅前の交叉点を右折して猿倉に向かう。ガスのかかった人家もない夜道は気持ちが悪かった。だが猿倉に着く頃にはガスが晴れて来た。晴れたと言うよりガスの上に出たと言うべきだろう。 |
雪渓のクレバスが危険で右岸の登山道を歩く |
杓子岳の東尾根と雪渓 |
猿倉の駐車場へは4時半に着いた。車内灯をつけた車が何台かいる。久しぶりに見る星空だった。生まれ育った神岡で見た星空はいつもこうだった。 薄明るくなりかけた頃、車を移動してきちんとした場所に停める。登山靴を履き、手袋をはめ、リュックを担ぎ、駐車場(1240m)を出る。 5時15分だった。 猿倉荘は駐車場のすぐそばにあった。登山道を少し歩くとすぐに林道に出る。駐車場から上に向かっていた林道の続きだろう。頂上付近はガスに隠れているが、朝焼けの中に見える山肌は小蓮華岳だろうか。 林道が終わり登山道に変わる。しばらく歩き、5時58分白馬尻(1535m)に到着。 |
杓子岳の北尾根 |
コルから見上げた白馬岳と白馬山荘 |
カメラの電池がおかしいと勘違いして、白馬尻小屋でインスタントカメラを買う。1700円は高いと思ったが背に腹は代えられない。人の足元を見た商売だ。売ってくれた女の子も申し訳なさそうな顔をしていた。 小屋の前では団体が準備運動をしている。団体を横目に先を急ぐ。雪渓はクレバスがあり危険なので右岸の登山道を歩く。休憩中の団体に近づいた時に団体が動き出した。まずいタイミングだった。 雪渓に降りるまで団体の後を歩く。団体はガイドの指示にしたがいアイゼンを履くようだ。6本爪の軽アイゼンを持ってきていたが、とりあえずそのまま歩く。 雪渓はスプーンカットになっていて、おまけに汚れているので滑る危険はない。団体がアイゼンを履いている間に300m程も差が開いてしまった。アイゼンを脱いで、ザックにしまっている間にさらに300m程の差が開くだろう。 |
白馬山荘のレストラン |
白馬岳頂上 |
7時37分避難小屋(2435m)に到着する。杓子岳の真っ白な北稜線が鋭い。休まず先を急ぐ。 8時8分村営白馬頂上小屋に到着。食堂に入って小休止後、白馬岳頂上を目指す。コルに出ると目の前に山が見える。旭岳だろう。立山から見たとおりに丸い山頂をなしている。 右にコースを取り、なだらかな斜面を白馬山荘に向かって登る。風が強くなりセーターを着る。白馬山荘で缶ビールを仕入れ、8時45分白馬岳(2932m)頂上に立つ。 ここで初めて水分補給(缶ビール)をする。寒いときは汗もあまりかかないようだ。雲海の上に剣岳から立山、赤牛岳、槍ヶ岳などが見える。さらに左へ南アルプス、富士山、八ヶ岳、浅間山と続く。剱岳の右上に石川県の白山も見えた。 |
左から槍ヶ岳、野口五郎岳、水晶岳、赤牛岳、 黒部五郎岳、薬師岳 |
左から薬師岳、立山、別山、剣岳 |
八ヶ岳の右上に富士山 |
杓子岳と鑓ヶ岳はまだまだ遠い |
9時0分頂上を後にする。コルまで走り降り、小さなピークを過ぎた後は一気に150m下り、2812mの杓子岳を目指す。 先ほどのビールが効いてきて息があがる。杓子岳のトラバース道に気持ちが引かれたが、白馬三山縦走の宣言を思い出し、稜線のジグザク道を登る。 このあたりが一番辛かった。あえぎながらも10時15分杓子岳(2812m)頂上に立つ。振り返ると長野県側をガスで真っ白に化粧した白馬岳が美しい。 杓子岳も長野県側は断崖になっているようだがガスでよく見えない。頂上からの下山道は南に向かって斜めに下り、トラバース道と合流して杓子沢コル(2700m)へと向かう。 |
杓子岳頂上 向こうに見えるのは白馬岳 |
鑓ヶ岳から見る杓子岳と奥に白馬岳 |
鑓ヶ岳頂上 |
鑓ヶ岳の下り |
杓子沢コルからは又、ジグザグ道となるが最後の登りだと思うと気が楽だ。 10時58分鑓ヶ岳頂上に立つ。近くで見ても真っ白な山だ。ここからザレ場の道を小走りに駆け下り、天狗の頭とのコル(2740m)に出る。 標識には天狗の小屋営業中と書いてあった。このコルから左に稜線を離れ、鑓温泉へと下る。左に見える鑓ヶ岳の尾根の白い岩肌と緑のハイマツがきれいだ。 ふもとは赤く紅葉したチングルマの絨毯となっている。高度を下げるに従ってガスの中へと入っていく。くさり場を過ぎてしばらく行ったところが白馬鑓温泉小屋(2020m)だった。 ほったて小屋のような温泉である。12時10分だった。 |
槍ヶ岳の下り |
杓子沢コル ここから真っ直ぐに行くと天狗の頭から唐松岳、左に下ると鑓温泉から猿倉 |
小屋の横は屋根が伸びて長い廊下のようになっている。その廊下の下側が露天風呂になっていてシュロのすだれで目隠しがしてある。 してあるのはいいが廊下側が目隠しをされている状態でシュロの隙間から丸見えであった。背を伸ばせばもっとよく見える。浴槽の周りに座っている方達も隠しもしないで開放的であった(^_^;) 売店の可愛い女の子に露天風呂の料金を聞くと300円とのこと。入りたかったが緊張感がとぎれるのが恐くて入れなかった。 女性が何人か気持ちよさそうに風呂から上がってきた。混浴の露天風呂の他に女風呂があるようだ。 この露天風呂も夜の8時から9時の間は女性専用と書かれていた。オニギリ1個と缶ビールで昼食とする。 |
鑓温泉への下りから見た鑓ヶ岳の東尾根 |
白馬鑓温泉小屋 |
12時35分鑓温泉を出発。温泉の下には、あふれたお湯が豊富に流れている。手を入れてみると丁度いい温度で、ここに足をいれたらいい足湯になりそうだ。 沢に沿ってしばらく降りた後左に曲がり沢を離れる。沢にはまだクルマユリやシナノキンバイが咲いていて、そこだけがまだ初夏のようだった。大きなスノーブリッジを造っている雪渓も印象的だった。 1800m台を保ったまま道は延々と鑓ヶ岳の裾をトラバースする。それも水平道ではなく小さなアップダウンを繰り替えしながらいくつもの沢を横切る。それは鑓温泉と猿倉の中間に位置する小日向のコル(1825m)まで続いていた。 13時50分小日向のコルに到着する。 |
鑓温泉の露天風呂 |
鑓温泉からあふれた豊富な湯は十分温かか った。足湯程度ならタダで出来そうだ |
登山道はここからすこしずつ標高を下げ始める。樹林帯に入り、沢のような道になる。沢じゃないと分かるのは両側の草が短いからだ。 下草刈りがしてあるからだろう。それがなかったら沢に迷い込んだと思うだろう。足の裏が痛くなりかけた頃、突然林道に出た。 林道を少し歩き、登山道に入り、15時4分猿倉荘(1240m)に帰り着く。猿倉荘には誰もいない。店番の女の子が1人配膳台で本を読んでいる。 熱いコーヒーを注文する。1台だけ停まっているタクシーの窓からは運転手の足が見えている。水槽に浮かんでいるリンゴが美味しそうだ。 リュックの中にオレンジが1個残っているのを思い出し、車に戻って食べた。白馬三山を一周してきた貴重なオレンジだった。 |
鑓温泉下の雪渓のスノーブリッジ |
猿倉荘に到着 誰もいない静かなたたずまい |