大日岳



早乙女岳から見た大日岳(2004年5月2日撮影)

所在地富山県立山町
コット谷登山口 アプローチ早月川馬場島の手前2.5Km
登山口標高610m
標   高2498mm
標高差単純1888m 累積(+)1910m 累積(−)22m
沿面距離10.3Km
登山日2004年5月2日
天 候快晴
同行者豊本、田子、高木、中林
参考コースタイム
とやま山歩き(シーエーピー)
小又川出会い(1時間15分)コット谷出会い(1時間30分)コット谷コル(1時間)早乙女岳(30分)コット谷コル(40分)コット谷出会い(50分)小又川出会い
コースタイム小又川出会い(1時間15分)コット谷出会い(1時間30分)コット谷コル(1時間50分)早乙女岳<休憩10分>(1時間)大日岳<休憩23分>(20分)早乙女岳<休憩50分>(30分)コット谷コル(35分)コット谷出会い<休憩15分>(1時間10分)小又川出会い



小又川の林道にとりつく
 

木々達が新しい芽を吹き出し始めていた
 
 昨年から暖めていた大日岳だった。猫又で約束した田子、高木、秋元、中林を誘う。残念ながら秋元は野球の関係で参加できなかった。単独で出来る山登りと最低9人が必要な野球とでは自由度がちがうようだ。次回に期待しよう。
 その代わりではないが、高岡の豊本さんが参加する事になった。


新緑と残雪の林道を行く豊本、高木
 

所々林道が雪に埋まっていて嫌なトラバース
 
 朝5時半、上市町の役場に集合。役場前のコンビニに寄って早月川を登る。朝日の中に大日岳が誇らしい。
 6時過ぎに小又川出会いに到着し、身支度をする。スパッツも途中でつけるのが面倒なので初めからつけてしまった。
 6時23分、所々に雪の残っている林道(610m)に取り付く。深い谷は雪に覆われていてやや緊張のトラバースとなる。


雪解け水を集めた小又川の清流
 

コット谷の雪渓と遠くにコット台のコル
 
 1時間10分ほどで林道の終点となり小又川に出た。林道は4Km前後だと思われる。小休止を入れ、アイゼンを履く。
 単独登山者の集まりのようなパーティーなのでこの辺は皆バラバラだ。皆、思い思いのところで装備するので、どうしても休憩が多くなる。
 コット谷コル手前での休憩中にハイペースで上がってきた登山者が合流した。7時20分にスタートしたそうだから、我々の1時間ぐらい後に出て追いついた事になる。
 その方と話をしながら歩いたがついて行けるペースではなかった。9時、コット谷のコル(1495m)に到着する。お互いに自己紹介しあう。入善から来られた方で名前は滝本さんだった。
 素晴らしい健脚で、皆がそろう頃にはすでに先を目指して視界から消えてしまっていた。
 コット谷を見下ろすと中山は遙か下になり、ブナクラ峠の上に白馬岳と白馬旭岳が見える。


コット谷のコルから猫又、ブナクラ谷、赤谷
 

右に大熊山、二人組が向かっていた
 
 コット谷のコルからはさらにバラバラになる。誰に合わせてみても5組が4組になるだけなので自分のペースで行く事にした。
 途中でご夫婦の方を追い越す。その先に滝本さんが休んでいた。いっしょになり歩き出すがすぐに離されてしまう。
 大熊山の方から人の声がしていたが、遠く稜線の上を行く二人連れが見えた。大熊山から直接下りられるのなら、帰りに経由するコースも考えられるだろう。


大日岳に向かう入善の滝本さん
 

クレパスから顔を覗かせる剣岳
 
 10時50分、早乙女岳(2050m)で滝本さんといっしょに大日岳を眺める。「ここまで来てこの天候なら、もう行くしかないでしょう」と、言葉を交わすまでもなく大日岳を目指す事になった。
 5人組のパーティーを抜けて別の人と2人組のパーティーを組んだようなものだ。
 ナップザック(アタックザック?)に缶ビールとつまみを入れる。滝本さんは大きなビニール袋に荷物を移しかえ、リュックを軽くする。
 11時、早乙女岳を出発。2000mを越えると雪渓も堅くなり滑りやすくなる。アイゼンを持ってきていなかった滝本さんに代わってステップを切りながら登る。
 早乙女から見えていたのは頂上ではなく、もうワンスパン残していた。それを登り切り、12時、大日岳(2498m)の頂上に立つ。


もう黒くなりかけた雷鳥の雄
 

大日岳頂上 遠くに鍬崎山
 
 頂上から北側は雪庇が張り出していて、剱岳の全貌を写真に収めることが出来ない。亀裂が入っていて気持ちが悪いので稜線を東に向かう。雄山が見える場所まで来ると剱岳も全容を露わにした。
 見慣れた風景の手前に大日小屋がその屋根だけを見せていた。2500mの標高を思わせる強い風の中で乾杯しあう。暫し風景に酔いしれた。


大日岳頂上からの薬師岳 手前は弥陀ヶ原
 

大日岳からの鍬崎山
 
 12時23分、仲間の事が気になり、スパッツを履くから先に行ってくれと言う滝本さんを後に、大日岳を出発する。
 滑るように22分で駆け下り、12時45分、早乙女岳に戻る。仲間は宴会の最中だった。
 少し離れた所で3人のスキーヤーも宴会をしていた。


大日岳からの剱岳
 

雄山、浄土山、手前下に大日小屋
 
 ストックだけを手にした女性がそろりと現れる。その独特の雰囲気におもわず声をかけてしまった。
 高岡の森さんで、我々が早乙女岳にいるかもしれないと思って来たそうだ。このサイトで早乙女岳行きの予定を読まれたらしい。
 写真を撮って頂いたり撮ってあげたりした。ご主人はもう少し下で休憩しているとの事だった。


早乙女にて豊本、高木、田子、中林、池原
 

左の写真を撮って頂いた高岡の森さん
 
 13時35分、森さん、滝本さん、3人のスキーヤーの後に続いて頂上を後にする。豊本さんはスキーを履いて颯爽と滑っていった。気持ちよさそうだった。
 暖かい陽光の中の残雪期登山も素晴らしい。だがそんな優しさの中にいると、ふと1月から2月の新雪が懐かしくなる。苦しい深雪のラッセルが恋しくなる。
 春先に日が長くなってくると感じる寂しさに似たものがある。何故だろう?


早乙女からの降り
 

小又川と右奥に大日岳?
 
 コット谷コルまで駆け下り、右へジャンプしてコット谷を滑り降りる。どんどん周りの山が高くなっていくのが面白い。白馬岳がブナクラ峠に消えていき、中山が大きく眼前に迫ってくる。
 コット谷出会いで待っていた豊本さんと合流し、小休止を入れた。ネコヤナギが春の日差しの中でやさしい。


ネコヤナギと中山、奥に大猫山
 

通る寸前に小さな雪のブロックが落ちてきた
 
 14時55分、コット谷出会いを出発して林道を歩く。高木は本領発揮で山菜を摘みながらの下山である。
 雪渓のトラバースも午前中よりはステップも深くなり道のようになっている。だが渡る直前に小さな雪のブロックが落ちてきて緊張した。
 16時5分、コット谷出会いに到着する。山菜摘みを兼ねたハイキングやバーベキューの家族連れでにぎわっていた。


逆光に輝く春の息吹
 

車に帰り着き安堵のひととき
 
 単独だったら大日岳に向かっていたとは豊本さん、中林の弁。おかげさまで長い昼食休憩が取れたと田子が追い打ちをかける。
 ははは...(^_^;)
    すみません...