大日岳 |
---|
所在地 | 立山町 | |
称名滝登山口 | アプローチ | 立山駅より車で15分 |
登山口標高 | 973m | |
標 高 | 2498m | |
標高差 | 単純1525m 累積(+)1540m 累積(−)15m | |
沿面距離 | 6.5Km | |
登山日 | 2004年5月23日 | |
天 候 | 晴のち曇り | |
同行者 | 単独 後 大野 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 称名滝駐車場(30分)称名滝登山口(3時間)大日平山荘(2時間50分)大日岳(1時間55分)大日平山荘(2時間)称名滝登山口(20分)駐車場 | |
参考コースタイム とやま山歩き(シーエーピー) | 称名滝駐車場(15分)称名滝登山口(1時間40分)大日平山荘(2時間)大日小屋(15分)大日岳(3時間)駐車場 | |
コースタイム | 称名滝駐車場(10分)称名滝登山口(1時間32分)大日平山荘<休憩10分>(1時間52分)大日岳<昼食23分>(45分)大日平山荘(1時間12分)称名滝登山口(11分)駐車場 合計6時間15分<休憩33分含む> |
最近はいつもの事だが行き先が決まらない。朝、5時に目が覚めたがメールチェックなどしているうちに時間が過ぎる。 「とやま山歩き」「新版 富山県の山」を開くが決まらない。そのうち、ふと大日岳が頭に浮かんだ。先々週、コット谷から登った山だ。今日は反対側から登ってみようと思った。 |
高さ500mの悪城の壁と称名道路(県道) |
称名滝展望台手前にある大日岳登山口 |
6時過ぎに家を出てコンビニ経由で称名滝を目指す。称名滝の検問所に懐かしい人がいた。以前、アルペンルートでバスを運転していた方だ。車をバックさせ軽口を交わしあい称名滝駐車場に向かう。 いつ見ても称名峡谷の「悪城の壁」は圧巻だ。ここに家が点在していればスイスと見間違うくらいだ。 称名滝駐車場に何組かいた人達は山菜採りが目的のようだ。服装が、特に足回りが微妙に違う(長靴)から分かる。空の大きなリュックを担いでいるのも何故か可笑しく写る。 |
途中で横切った水路の跡は戦時中に計画され ていた称名滝からの発電用のものか? |
牛ノ首の標識 |
7時28分、身支度を終え、称名滝駐車場(973m)を出発。7時38分、称名滝遊歩道から登山口(1030m)にとりつく。 新しい足跡があるので先行者がいる事が分かる。しばらくして5人のパーティーを追い越す。大日岳までの予定だと言っていた。 昨年は気づかなかったが途中で石組みの水路を横切った。幅1m程で深さも70〜80cm程あり、かなりの大きさだ。戦時中、称名滝から水を引いて発電所を作る計画があったそうだが、その跡かもしれない。 8時25分、牛ノ首に到着する。細尾根の反対側に見えるのは雑穀谷だ。友人がここを降りてイワナ釣りに行ったことがあると言っていた谷だ。 下から遡行するのは難しい谷だが牛ノ首から50mほど藪をこげば降りられる。 |
牛ノ首への最後の階段 |
途中で合流した大野君の力強い歩き |
稜線上で写真を撮っていると下から音がする。熊かと驚いたが人間だった。富山市から1人で来たそうで「大野しんいちろう」と名乗った。今春、愛知から戻って社会人1年生との事。 冬はボードを持ってバックカントリー専門にやっているそうだ。ボードを持たないのは今シーズン初めてだと言っていた。若者はパワーとスピードが違う。ついて行くのがやっとだった。 |
まだひとけのない大日平山荘 |
ガラス越しに撮った無人の山荘内部 |
9時10分、大日平山荘(1725m)に到着する。秋の人が去ってしまった無人小屋は不気味だが、春の無人小屋はこれから人が入ると思うからか、怖くはない。 大野君と不動の滝を見に小屋の裏へ廻る。この時期はやはり水量は多い。称名川上ノ廊下も雪渓が切れて川が現れていた。残雪期の称名川上ノ廊下の遡行を計画していたが、もっと早い時期じゃないとだめなようだ。 |
不動の滝と称名峡谷上の廊下 |
大日平から大日岳方面を見上げる |
小休止後大日岳を目指す。上部はガスがかかっていてコース取りが難しそうだ。 ザクロ谷(雑穀谷の上部)を越えたあたりからオオシラビソやダケカンバの木が雪上50cm程で切られているのに気づく。 切り口はへし折られたかねじ切られたようになっている。雪崩でやられたようだ。 斜度がきつくなったところでアイゼンを装着する。 |
雪崩でへし折られたオオシラビソの木 |
このような木が沢山あった |
いい加減に歩いていたのでガスの中に入ってから現在地が分からなくなった。雪渓は幾重にも別れていて、どれも藪の中に消えているように見える。一番遠くまで伸びていそうな雪渓を登るが最後は藪に阻まれた。 大きな岩の下の藪を横切って隣の雪渓へトラバース(?)する。健脚の大野君も藪こぎの技術は別物のようで小さな灌木に悪銭苦闘していた。 とうとうこれまでかと思われた雪渓の藪の先にもう一つ雪渓があるのを発見。若干の藪こぎの後、その雪渓を登ると斜面は徐々になだらかになり平らな場所に出た。夏道は大きく左から巻いているのだが、大日岳のコル(2415m)へ直登してしまったようだ。 |
コース取りが難しくなってくる |
雪渓が幾重にも分かれて藪に消えている |
コルから左に向きを変え大日岳を目指す。クレパスがいくつも走っていた。以前、登山研修所の訓練で大日岳の雪庇を踏み抜いた事故があったが、その時の雪庇は25mも張り出していたそうだ。雪は堅いが慎重に左側を歩く。 今日も雷鳥が出むかえてくれた。 |
藪こぎが苦手そうだった大野君 |
頂上近くでの雷鳥の雄 |
11時12分、大日岳(2498m)の頂上に立つ。 ...が、ガスで何も見えない。頂上より少し西よりのハイマツの陰で風を避けながら乾杯&昼食とする。 寒さの中で大野君のチキンラーメンが美味しそうだった。欲しそうにしていたらしく「食べますか?」と言われてしまった。 11時35分、23分の休憩後、頂上を後にする。コルに戻り、藪を越えてから、雪渓を足で滑る。途中でアイゼンをはずし、さらにスピードアップして滑る。 朝方追い越した5人組が縦にばらけて登山中だった。先頭は女性で真ん中に3人、最後は男が1人。先頭と最後では200m程も離れていた。それでも頂上まで行くつもりのようだ。 45分で降りきって大日平山荘を左に見ながら大日平を降る。 |
頂上で記念撮影 |
頂上で記念撮影の大野 |
牛ノ首から下は山菜採り(すす竹採り)の人達があちこちの藪に入っていた。ムラサキヤシオツツジ、シラネアオイ、ニリンソウなどが目を楽しませてくれる。 13時32分、登山口に到着する。降ったりやんだりの雨もこのあたりから本降りになっていた。 雨具をリュックの上からはおり、称名滝遊歩道を歩く。ここはもう、登山道ではなく一般の観光用の遊歩道なので、汗にまみれた登山者は異邦人のように浮いて見える。 13時43分、駐車場に到着する。大野君は地図を見ながらコースタイムが遅すぎると言っていたが、自分が早すぎるのだ。彼の感覚でコースタイムが書かれたら一般の登山者は遭難してしまう。 ちょっと時間が早かったが駐車場を後にした。大野君とは又どこかで遇えるだろう。楽しい青年だった。 |
登山口から見たハンノキ滝 この左に称名滝 |
称名滝見物後のあいあい傘の2人 |
称名道路のゲートにもう1人懐かしい人がいた。この人は弥陀ヶ原ホテルに勤務していた頃の同室の先輩で、部屋のロッカーには無造作に鉄砲が立てかけられていた。初めてロッカーを空けたときは驚いたが、そういう時代だった。 春先はいつもカルデラ展望台へ行って双眼鏡を眺め、熊を見つけると人の休日を取り上げて熊撃ちに行ってしまう人だった。 |
ムラサキヤシオツツジ |
シラネアオイ |
ニリンソウ |