白馬乗鞍岳



白馬乗鞍岳頂上のシュカブラ、奥に白馬鑓、唐松岳(2004年2月28日撮影)

所在地長野県小谷村、新潟県糸魚川市
栂池側登山口 アプローチ栂池スキー場のゴンドラで標高1575mへ
登山口標高1,575m
標   高2,436m
標高差単純861m
沿面距離登り5Km 降り5Km 合計10Km
登山日2004年2月28日
天 候晴れ
同行者豊本
コースタイムゴンドラ山頂駅(2時間34分)天狗原(57分)白馬乗鞍頂上<休憩1時間>(1時間10分)天狗原<休憩30分>(1時間30分)ゴンドラ山頂駅(45分)駐車場



左が八方尾根スキー場、中央奥に鹿島槍、その右に五龍岳、唐松岳と続き下の白馬槍へ続く↓

 


↑上の五龍岳から白馬鑓と続き、その右が杓子岳、白馬大雪渓を越えて白馬岳と続く

 
 高岡の豊本さんの誘いで白馬乗鞍に登ることになった。朝、5時45分に滑川インターで待ち合わせ、北陸道で糸魚川インターまで走る。今回は豊本さんのランドクルーザーに分乗させてもらった。その低いエンジン音が心強い。
 インターからは頸城駒、雨飾山を前方に見ながら148号線を南下する。ヒスイ峡分岐から見上げる明星山の急峰も雪が付いて又、格別の風格を見せている。


ゴンドラの乗り場でチケットを買う
 

山頂駅を後に...
 
 国道148号線から右折して栂池スキー場へと登る。栂池に出ると真っ青な空と真っ白な山が目に飛び込んできた。唐松岳だ。
 ゴンドラ乗り場を通り過ぎ山林に入り「びわくぼ山荘」の近くに車を停める。身支度をしていると山荘の人が出てきて有料駐車場だと言う。1000円払った。豊本さんは金を取られたのは初めてだと言っていた。道路に停めた車から金を取るのはおかしいとぼやいていた。
 ゴンドラの乗り場まで滑って降りる。早く到着したので8時まで20分ほど待った。3組目にゴンドラに乗り、山頂駅へ。8時20分、スキーをはいて山頂駅(1575m)を出発する。


林道へのショートカットへ豊本さんのラッセル
 

山スキーやボーダーが多い
 
 ゴンドラ山頂駅から100mほどで林間に踏み込む。豊本さんには経験済みのコースなので心強い。傾斜がきつくなる斜面を力強くラッセルしていく。
 しばらく行くと圧雪車できれいにならされた林道に出た。林道を歩き、ヘアピンを折り返す。途中でスキーの滑降跡を見つけ、斜面に取り付く。次に出た林道は圧雪車が通っていなくてスキーの跡だけだった。
 ゴンドラの山頂駅からさらにもう1本リフトに乗った方が標高が稼げるようだ。リフトを使った人達が数組、前方を歩いている。


登ってくる人
 

登っていく人
 
 栂池自然園の手前から小さな沢に沿って登る。ここから天狗原まではやや傾斜がきつい。左手に双耳峰を持つ鹿島槍、五龍岳、唐松岳と続きさらに白馬鑓、杓子岳、白馬岳と続いている。
 唐松岳の裾には八方尾根スキー場の兔平や黒菱のゲレンデが見える。手前に見えるのは岩岳スキー場のようだ。


左から鹿島槍ケ岳、五龍岳、唐松岳
 

天狗原の祠
 
 登り切ってしまった所が天狗原(2195m)だった。一面に広がる雪原に一カ所だけ岩が盛り上がり、小さな祠がある。遮るものがない冬期間ならではの景色だろう。
 ここでスノーシューを試す。昨日、富山のゼビオで借りてきたものだ。スキーをリュックに縛り付け、先行している豊本さんを追う。稜線には雪煙が舞っている。風が強そうだ。天狗原からの急登で新雪に踏み込む。人の踏み跡をなぞってもスノーシューのテストにはならない。
 スノーシューの弱点はやはり急登の登りだ。プラブーツでは踵の角度があまり自由にならないので、足を逆ハの字に広げるしかない。そうすると今度は谷川に足が倒れる。けり込みを入れながら登ったが、先端がスキーのように曲がっているので、あまり有効ではなかった。かんじきなら角度をつけてけり込める。


ゼビオで借りたスノーシューを試してみる
試用なので斜度約30度の新雪に踏み込む

白馬乗鞍に向かって新しいトレースを残す
途中で天狗原を見下ろす

 スノーシューは平坦なところで有効なようだ。平坦な所はスキーで歩けるのでスキーと併用するとしたらかんじきの方がマッチしていると思った。
 稜線に近づくに連れ風が強くなっていく。舞い上がった雪が目の前で渦を巻いて通り過ぎていった。スキーでジグを切った左のコースとスノーシューで直登している右のコースの真ん中のコースの最後は岩場だった。岩を乗り越えて頂上に向かう。頂上と思われた北方向(右方向)に登るとレリーフが埋め込まれている岩があった。多分、白馬乗鞍の頂上(2436m)だろう。11時51分だった。
 半袖のTシャツと薄手のフリースの中間着だけだったのでいっきに寒くなる。あわててセーターとウインドブレーカーを着込んだ。


ケルン前の豊本さん
 

頂上標識の前で
 
 リュックをデポして岩と這松の間の雪を拾いながら東へ30mほど進むと南側(左側)にケルンが見えた。リュックのデポ地まで戻って豊本さんが登っている南側へ移動する。
 そのとき白いものが動いた。よく見ると真っ白な雷鳥だった。写真ではよく見たが実物を見るのは初めてだった。夢中で何枚もシャッターをきった。
 その後、豊本さんと合流し、リュックをデポしてケルンに向かう。残念ながら豊本さんは雷鳥をみることが出来なかった。


頂上から見た小蓮華岳
 

雪に埋まった白馬大池と雪倉岳
ちょこんと見えるのは白馬大池山荘だろうか

 ケルンから先へ20mほど行ったところで白馬大池が見えた。白馬大池が、というよりは白馬大池がある所が、と言うべきで、真っ白な雪原が見えただけだった。ちょこんと見える三角形と煙突のようなものは白馬大池山荘のようだ。そしてその向こうに見えるのは雪倉岳(2611m)だろう。


初めて見た真冬の真っ白な雷鳥
 

頂上から天狗原への豊本さん
 
 風が強いので乾杯は天狗原と決めて、12時50分、頂上を後にする。小蓮華岳へ向かう若者も数人いたが日帰りは十分可能な山だろう。
 シュプールのほとんどない雪原に飛び込む。急斜面に見えるが斜度は30度ほどだろう。適度な雪の堅さに気持ちよくターンを刻む。豊本さんと写真を取り合いながら滑り降りた。
 天狗原の祠のある岩場で二人でつけたシュプールを見ながら缶ビールで乾杯。30分の休憩の後、13時30分、天狗原を出発する。何人ものスキーの跡と交差しながら山頂駅を目指す。


頂上から天狗原へ気持ちよく滑る
滑りのスタイルがどうも古いようだ

二人が残したシュプール
 

 標高が下がってくると雪質が重くなってきて前につんのめる。やはり登山靴では前後のバランスが難しい。何回か、前方宙返りのような転倒をする。
 顔面制動をするくらいならと思ってわざと飛んでいるのだが、新雪の中の転倒にドキドキする。子供時代に、自然の中で体全体で遊んでいた頃の楽しさを思い出した。


山頂駅に帰り着く
 

車を停めたびわくぼ山荘
 
 14時30分、ゴンドラの山頂駅に到着する。いきなり都会の雑踏に出たような雰囲気にとまどいながら小休止する。心配したようにゲレンデではスキーがはずれて怖かった。いったん怖いと思うと腰が引けてまともに滑れなくなるようだ。
 何度も転倒しながら15時30分、車を停めた「びわくぼ山荘」に帰り着く。
 気持ちのいい疲れの中148号線を北上し、北陸高速に入る。今回は行きも帰りも豊本さんにお任せだった。今シーズン、もう一回いっしょにスキー山行きに行くことを約束して、滑川インターでお別れした。