金剛堂山(奥金剛)



金剛堂山への栃谷登山道の終わりかけた紅葉(2004年11月3日撮影)

所在地利賀村 八尾町
栃谷登山口 アプローチ八尾町から大長谷の室牧ダムをさかのぼり栃折峠を超え利賀村百瀬に至。百瀬の最上流に栃谷登山口がある。利賀村からも百瀬に入ることが出来る。
登山口標高775m
標   高1638m(前金剛)1616m(奥金剛)
標高差単純863m 累積登り925m 累積降り△63m
沿面距離片道5Km
登山日2004年11月3日
天 候
同行者単独
参考コースタイム
富山県の山(山と渓谷社)
栃谷登山口(1時間30分)1346mピーク(1時間)前金剛(1時間30分)東俣登山口
参考コースタイム
とやま山歩き(シーエーピー)
栃谷登山口(2時間30分)前金剛(1時間30分)栃谷登山口
コースタイム栃谷登山口(1時間38分)前金剛<休憩14分>(8分)奥金剛(8分)前金剛<休憩23分>(55分)栃谷登山口
合計3時間26分<休憩37分含む>


 穂高岳山荘が今日までなので、晴れていれば奥穂に行こうなどと思っていた。だが天気予報はよくなかったので諦めていた。
 崩れそうにない天候に気もそぞろで、トレーニング登山でもいいからと、近くの山に行くことにする。(足の筋肉が負荷を求めている?)
 今日は結婚記念日だと言う山の神の声を聞こえないふりをして家を出る(^_^;)


10台ほどの車が停まっていた栃谷登山口に
車を停める

昨年北海道で買ってきたステッカーを車の後ろ
に貼る。これで熊対策は万全(^_^)

 里山は熊が怖いと思いながら車を走らせる。栃谷登山口には車が10台ほど停まっていて少し安心した。日本二百名山らしく県外ナンバーも見受けられる。
 身支度を終え、9時42分、鉄骨(H鋼)で出来た橋を渡る。沢の左岸を沢に沿って上り、沢を渡ってからはジグザグの階段を登る。
 落ち葉に埋まった登山道が秋の深さを感じさせる。


橋が鉄骨製になっていた 775m
 

落ち葉に埋もれた階段が秋の深さを感じさせる
 
 尾根に出てしばらく行くと平坦な道になり1Kmの標識に出会う。775mの登山口から220m登った地点で標高は995m。
 ここからしばらくは小さなアップダウンを繰り返す。やや急登を登り、最初のピークを越えて40m程降った所に2Kmの標識がある。
 1Km地点から標高差で225mなのだが一番長く感じる区間だ。


1Kmの標識 995m(登山口から220m)
 

2Kmの標識 1220m(1Km地点から225m)
 
 3Kmの標識は2番目の小さなピークにある。2Kmの標識から標高差で80mしかなく、所要時間も17分だ。
 剱岳の200mごとの標識と同じように、正確に測られたものではないようだ。このピークで初めて頂上付近がうかがえる。
 さらに190m登ると4Kmの標識に出会う。頂上まで標高差で150mの1638m地点だ。このあたりで下山者3人(2組)とすれ違う。


3Kmの標識 1300m(2Km地点から80m)
 

4Kmの標識 1490m(3Km地点から190m)
 
 11時20分、頂上に到着する。里山ならではの宴会が始まっていた。これが楽しみで登山をしている方も多いのだろう。
 リュックを降ろしてくつろいでみると意外に風が強い。そういえばここで風が強くなかった記憶はない。いつも風が強かった。
 祠の陰で風を避けてビールで小さく乾杯! 木の葉が落ちた山肌をみると八尾の大長谷からの登山道が見える。次回の宿題にしておこう。


前金剛頂上 1638m(4Km地点から150m)
 

厚さを増した積雲が天候の悪化を知らせている
 
 14分の休憩後、手持ちぶさたなので奥金剛まで足を伸ばすことにする。リュックを前金剛に置いたまま空身で往復する。
 中金剛の石版は前田利保の歌碑で「飛騨信濃木曽の峰々みな見えて西はのこさぬ白木峰かな」とある。
 その奥の奥金剛はピークにはなっているが標識も石積みもなにもない。金剛堂山が1650mとなっている。奥金剛が一番高そうに見えるのに不思議だ。


中金剛にある前田利保の歌碑
 

葉の落ちたブナ林が美しい登山道(900m付近)
 
 前金剛に戻りお湯を沸かす。里山はやっぱりカップヌードルでしょう。で、カップヌードルのシーフードで昼食。
 隣のグループは熱燗にうどん鍋で盛り上がっている。「酒がもったいないから鍋に入れるのはやめようぜ」などと聞こえてくる(^_^;)
 天竺の湯だけではアルコールは抜けないのでほどほどに...


4Km標識 1490m(頂上から△150m)
 

3Km標識 1300m(4Km地点から△190m)
 
 12時13分、頂上を後にする。登りと同様に帰り道でも標識ごとに標高を記録して(腕時計の標高をデジカメで撮影)標識間の標高差を測る。
 登りと降りで2回計測すれば気圧の変化の影響は少ないはずだ。登りは1時間半で降りは1時間だったから時間による気圧の変化も無視できる。
(金剛堂山に登られる方は標識の写真の下に注記してある標高を参考にしてください)


2Km標識 1220m(3Km地点から△80m)
 

1Km標識 995m(2Km 地点から△225m)
 
 13時8分、栃谷登山口に到着する。秋の里山はそれなりの風情があっていい。ただ、最近は「新世代ベアー」と名付けられた人間を怖がらない熊が怖い。
 「熊との共存」などと言っているのは優位な種族のきれい事であって、彼らに(熊に)そんな意識はないだろう。
 人間社会の中だけでさえ「共存」がうまくいっていない事実は、過去の過ち、今でも起こしている過ち(戦争)が物語っている。
 変なところに力が入ってしまったが、今日の金剛堂山はあちこちで熊鈴が鳴り響いていた。熊鈴を聞いた熊が食料を求めて集まって来るような物騒な時代にならない事を祈る。


ブナ林と紅葉
 

栃谷登山口に戻る(13時8分)
 
 時間が早いので「天竺の湯」に寄って一風呂浴びる気にもなれず、八尾へと車を走らせる。もう半日を何かに使えそうだ。
 登山は中途半端だったが1日を2回使えるようで得をしたような気分でもあった。