南 岳 |
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所在地 | 岐阜県上宝村 長野県安曇村 | |
新穂高温泉登山口 | アプローチ | 神岡町から車で40分、ロープウエイで30分 |
登山口標高 | 1100m | |
標 高 | 3033m | |
標高差 | 1933m | |
沿面距離 | 片道12.5Km 往復25Km | |
登山日 | 2004年9月4日 | |
天 候 | 曇り後雨 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 新穂高温泉(2時間)白出沢出合(1時間30分)滝谷出合(1時間)槍平(4時間)南岳小屋(20分)南岳(20分)南岳小屋(2時間45分)槍平(1時間)滝谷出合(1時間)白出沢出合(1時間30分)新穂高温泉 合計15時間25分 | |
コースタイム | 新穂高温泉(1時間15分)白出沢出合(55分)滝谷出合(40分)槍平<休憩10分>(2時間10分)南岳小屋<休憩40分>(7分)南岳(5分)南岳小屋(2時間5分)槍平(2時間)新穂高温泉 合計10時間10分<休憩1時間10分含む> |
久々野町の川上さん(明1234)のサイトを見ていて南岳へ行こうと思った。川上さんはテン泊が多いのだが、たまには軽装日帰りもやっているようだ。 八尾のオワラ風の盆の余韻が醒めやらぬ街を出て新穂高温泉を目指す。寝不足気味なのをオワラのせいには出来ない。自分が無節操なだけだ。 |
新穂高温泉の無料駐車場(6時15分) |
駐車場から新穂高温泉への歩道 |
深山荘駐車場に隣設されている無料の駐車場はほぼ満車状態だった。県外ナンバーが多いのは槍・穂高が人気の高い山だからだろう。 身支度を終え、おにぎりを無理矢理ほうばり、登山口へと向かう。 |
新穂高温泉バスターミナル |
新穂高温泉登山口(6時30分) |
6時30分、予定より少し遅れて林道にとりつく。天候がちょっと心配だが、今更引き返す気にもなれない。ゆっくり気味にペースを作って行く。 7時5分、近道を利用して穂高平に出る。歩きやすい道とは言えないが時間は短縮出来る。 |
穂高平小屋 |
白出避難小屋 |
7時45分、白出沢出合に到着。林道はここまでで白出沢を渡ってからは岩の多い樹林帯の登山道となる。小さなアップダウンを繰り返すが標高差は少ない。 ブドウ谷、チビ谷、滝谷と大きな沢を越えて行く。常時、水が流れているのは滝谷だけだ。その滝谷には4寸角の材木で作られた橋がかかっている。 |
滝谷 遠くに小さく滝が見える |
藤木さんのレリーフ |
滝谷を渡った岩盤に、この谷を初めて登頂された藤木さんのレリーフがある。命知らずの若者が多数、滝谷に入った時代があったが、落石の絶えない滝谷は今では敬遠されているようだ。 9時20分、槍平に出る。槍平小屋は大きな建物2棟と、冬季の避難小屋にもなっている小さな建物1棟の、3棟からなっている大きな山小屋だ。 |
槍平小屋に到着 |
槍平小屋の売店 |
10分の小休止後の9時30分、槍平を出発する。 樹林帯をしばらく行くと急な沢に出る。南沢だ。小さな標識に「対岸への取り付きは、赤いリボンを確認してください」とある。 南沢を150m程登った対岸の(左岸の)小さな支沢に赤い布が見えた。ガスなどかかっていたら分かりにくい取り付だ。 南沢を左に見ながら小尾根の急登を登る。顔にまとわりつく虫がうるさい。途中に標識があり、左へは急登で右へはなだらかな道とある。迷わず近い方を選ぶ。 |
沢の右岸から左岸に渡る場所が分かりにくい |
途中にある医薬品箱 |
その急登で若い女性に出会う。西穂山荘、北穂高岳小屋に泊まってこの南岳新道を降りて来たそうだ。だが男でも手強い西穂〜奥穂や大キレットを1人で越えて来たとは思えない柔らかな雰囲気を持っている。 「虫除けのスプレーを貸してあげましょうか?」と言われて、慌てて「いえ、持っています。面倒なので使っていないだけです」と、答えてから、失敗したと思った。 貸してもらっていれば、もう少し長く会話を楽しむことが出来たのだった(^_^;) この方は福井県大野市在住で山スケッチのサイトを主催している方であることが半年後に判明。 |
急登の次は尾根歩き |
この先の細い尾根は流石に歩けない |
ハシゴを交えた急登が終わると細い尾根(西尾根)となる。所々に木道がかかっているが、ガスがかかっているのでどのあたりを歩いているのか分からない。 途中に白地に赤十字が書かれている小さな箱が置いてあった。中を覗いてみると一斗缶が入っていて薬や医療器具が入っているようだった。 南岳小屋ご主人のご厚意で置かれているのだろうか? いざというときにはありがたいものだろう。安易に使わないで大切にすべきものだと思った。 もうこれ以上は進めないと思われるような細尾根の左側にハシゴがあった。それを降ってからは岩の多いジグザグの道となる。 |
細尾根は左に巻いて少し降る |
南岳小屋到着(11時40分) |
気がつくと髪の毛から水が落ちている。水もしたたる○○男...などと洒落ている場合ではない。天候が悪化しているのだ。ピッチを上げる。 白いペンキ印がなかったら道が分からないような広いガレ場が続く。 雨が落ちて来ると同時に変な音が聞こえてきた。南岳小屋が近いのだろう。さらにピッチを上げる。音の正体は風力発電の風車の音だった。 |
南岳小屋の売店兼食堂(床は砂利) |
唯一の昼食メニューだったラーメン |
11時40分、南岳小屋に駆け込んだ。頂上へは雨の状態を見ながら決めることにする。 南岳小屋のアルバイトらしき女の子にストーブを勧められる。洗濯した枕カバーをたたんでいるのは小屋をしまう準備なのだろう。 缶ビールとラーメンを注文する。ラーメンをたのんだのは他に選択の余地はなく、ラーメンしかなかったからだ。 塩ラーメンか醤油ラーメンかを訊かれ、醤油にする。出てきたのはインスタントの「札幌ラーメン」のような味だった。 |
南岳山頂の標識 左下に三角点 |
南岳小屋出発(12時40分) |
今晩、ここに泊まるらしきご夫婦の方や男性が奥から出てきてコーヒーやお酒を飲み出す。明日は大キレットを越えて行くと言う。山小屋の小さなたまり場は、いい雰囲気だ。 12時20分、雨が小降りになったのを見計らって頂上を往復する。景色が見えなくても頂上を踏まないと気がすまない。 12時27分、頂上に立ち、12時34分、小屋に戻る。 |
小屋から下はペンキを頼らないと間違えやすい |
雨の日は滑るので気をつけたい木の橋 |
12時40分、南岳小屋をあとにする。途中で槍平で出会った方とすれ違った。南岳小屋のホームページを見てご主人に憧れてやって来たと言っていた方だ。 そう言えば小屋にいたご夫婦の方も同じようなことを言っていた。 急降となだらかな道との分岐ではなだらかな道を選ぶ。急降の道は木のハシゴや木道が多かった。雨の中では滑って危ないと思ったからだ。 なだらかな道は手入れがされていなくて荒れていた。やがてはなくなる道なのだろう。 |
槍平小屋で水分補給(?) |
この看板に小屋に引き返して増水情報を集める |
14時25分、槍平小屋に到着する。10名ぐらいの学生らしきパーティーが休憩を取っていた。槍に向かうのか南岳に向かうのか、どちらにしてもきわどい時間だ。 夏用に使っている雨具はもう役にたたないようだ。汗ではなく雨で全身が濡れてしまっている。それでも缶ビールで喉の乾きを癒す(^_^;) 14時40分、槍平小屋をあとにする。増水時には渡渉に注意の看板に、慌てて引き返し、学生パーティーに沢水の状態を聞いた。大丈夫との事だったが急ぐ事にする。 |
増水していた滝谷 |
新穂高温泉到着(16時40分) |
小走りに降り、16時40分、2時間で新穂高温泉に帰り着く。深山荘近くの駐車場に戻り、車の暖房を入れるが膝が冷たくて、身体が暖まらない。 帰路、双六峡谷出合にある、お気に入りの喫茶「ウインディー」に寄る。砂糖を入れたコーヒーが美味しかった。 椅子を濡らしてしまった事を詫びて帰ってくる。これからは車に着替えを入れておく事にしよう。 |