西穂独標



丸山付近から(2004年1月18日撮影)

所在地岐阜県上宝村、長野県安曇村
西穂高口駅 アプローチ神岡町から車で40分、ロープウエイで30分
登山口標高2156m
標   高2701m
標高差単純545m 累積(+)800m 累積(−)47m
沿面距離片道3.9Km
登山日2004年1月18日
天 候快晴
同行者川上、中林
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
西穂高口駅(1時間30分)西穂山荘(1時間30分)西穂独標(1時間)西穂山荘(1時間)西穂高口駅
コースタイム西穂高口駅(1時間20分)西穂山荘<休憩10分>(1時間40分)西穂独標<休憩20分>(50分)西穂山荘<休憩50分>(1時間)西穂高口駅



圧雪の中を新穂高温泉へと向かう
中央奥に西穂高岳が見える

冬期間は無料となっている駐車場に停車
岐阜県久々野町の川上さんと合流する

 まだ暗い6時少し前に八尾の待ち合わせ場所に中林が到着。荷物を載せ替えて新穂高温泉に向かう。車中から眺める満天の星に好天気が期待される。放射冷却からか、カリカリに凍っているところもあり、慎重に車を走らせる。新穂高温泉手前から西穂高岳が見え、朝日に映える錫杖岳も見え、気分は盛り上がる。写真を撮っている最中にクラクションを鳴らして行った飛騨ナンバーの車は、はたして今日のメンバーの川上さんだった。岐阜県久々野町からの参加だった。残念ながら神岡のお嬢さん方二人は不参加となった。


二つのロープウエイを乗り継ぐ
 

標高2156mの西穂高口駅屋上展望台
 
 新穂高温泉の駐車場は冬期間は無料である。8時に到着して、除雪されていない駐車場に車を停めて身支度を終える。川上さんとは笠ヶ岳以来の半年ぶりの再開である。8時半の始発までしばらく待つ。我々の他に女性を交えた3人組のパーティーがいた。他は観光客ばかりだ。改札口でリュックの重さを計られた。8Kg以上は別料金を取るらしい。ギリギリだと思った時はリュックからピッケルなどを外した方がいい。私のリュックのとき、軽そうに差し出したら、そのまま「結構です」と言われてパスしてくれた。これもテクニックの一つかもしれない。


病み上がりにもかかわらず奮闘する中林
 

余裕で撮影中の川上さん
 
 屋上展望台で観光客に混じって朝日に輝く山々を撮影する。9時10分、西穂高口を出発。同時に出発した3人パーティーを追い越し樹林帯に入る。トレースに積もった雪は20cm〜30cm程だが泡のように軽い雪で坪足でも問題なく歩ける。ただ前のトレースの足跡が見えないのでバランスを崩しやすかった。
 西穂山荘までの中間ぐらいのあたりで下山してくる女性とすれ違う。川上さんと面識があったようで、上部の様子を聞く。西穂山荘に泊まり、朝一で独標まで往復してきたそうだ。福井の方だという。ネットで時々話題に上がる福井のM女史かもしれない。


西穂山荘前のテント場
奥に見えるのは霞沢岳

西穂山荘前広場
 

 足下が滑るのでアイゼンを装着する。パンツを引き裂くほどの鋭い爪をもったアイゼンは使いにくいのでアルミの軽いアイゼンを購入した。今日はその履き初めである。購入するとき、爪が減るので岩場では使わないようにと注意された。
 10時30分、直登の斜面から右にトラバース気味にたどると西穂山荘だった。山荘の前のテント場では10名ぐらいの学生がテントの撤収をしていた。もう独標へは往復してきたのだろう。


乗鞍岳
 

乗鞍岳の右手前に焼岳
 
 西穂高口駅から300m程標高を上げているので見晴らしも変わってきている。「焼岳」の左上に「乗鞍岳」が見え、上高地を挟んで「霞沢岳」が見える。「御嶽山」は「乗鞍岳」の陰に隠れるのだろうか、見えない。「大木場の辻」の左奥遠くに「白山」の山並みが見える。
 「大木場の辻」とは変わった名前の山だ。「〜岳」とか「〜山」「〜峰」が多いが「〜辻」と言うのは他では聞いたことがない。北東方向には「笠ヶ岳」「抜戸岳」「双六岳」と続いている。小休止の後、西穂山荘を後に独標を目指す。


遠くに乗鞍岳と焼岳
 

左に霞沢岳 右に乗鞍岳 中央下に大正池
 
 雪が少ないので夏道の大きな石が露出しているところがあり、歩きにくい。尾根筋に出ると所々夏道が出ている。風のせいで雪がとばされるのだろう。雪道もアイゼンがよく効き、きゅっ、きゅっと音がする。
 丸山あたりでは一時風が強くなったので目出し帽を試してみた。生地が薄くて風を通すので強風の時は役にたたないようだ。行く手には「西穂高岳」「ピラミッド」「独標」が見える。右手には「前穂高岳」から「明神岳」と続き、手前に岳沢の小屋も見える。


風紋 奥に見えるのは乗鞍岳
 

中央奥にピラミッドと独標
 
 夏道は左側を巻いているようだが、トレースは尾根の岩場を抜けていた。独標の下までたどり着いてみると登りは約50m弱だろう。ストックをデポして(雪の上に置いただけ)ピッケルに持ち替える。実際登ってみるとピッケルも邪魔だった。岩が沢山露出している時は何も持たない方がいいようだ。両手両足の三点確保で登った方が安全な気がする。


左にピラミッド 右に独標
 

下から見上げた独標
 
 12時20分、独標の上に出る。そこは360度のパノラマが展開する場所った。リュックを降ろすのも忘れてシャッターを押しまくる。その後、我に返りビールで乾杯。風はなく暖かい。昨年の暮れから正月にかけて3回も登り、今日が4回目だという川上さんだが、こんな日は初めてとの事。


独標の取り付きから見た笠ヶ岳
 

独標を登る中林 遠くに大正池
 


独標頂上と笠ヶ岳
 

前穂高岳、明神岳、岳沢
 
 「西穂高岳」まで足を延ばすためには、もう少しピッチを上げなければいけないだろう。ロープウエイの始発時間も遅いし、最終時間も早い。スキー場は営業をやめてしまったので、以前のように乗り遅れたからと言って歩いて降りるのも大変だ。昨年、歩いて降りた人が途中で身動きがとれなくなって遭難騒ぎになったらしい。西穂高岳への降りはトレースがなく、今日は誰も行っていないようだ。


手前からピラミッド、西穂、天狗の頭、奥穂
 

笠ヶ岳
 
 12時50分、独標を後にする。3m程降りたところで携帯電話が鳴る。独標はボーダフォンが圏内のようだ。出てみると今日キャンセルした神岡のお嬢さん方だった。流葉でスキーをしているらしい。テレビ電話なら、この景色を見せてあげられたのだがと思った。岩にアイゼンを引っかけないように慎重に降りる。やはりピッケルは邪魔だった。


独標を後に...
 

ひたすら降る
 
 13時43分、西穂山荘に到着。この日に山に入った人は我々の他には朝方の3人パーティーを含め6人しかいなかった。皆、天気予報にだまされたのだろう。アイゼンを脱ぎ、食堂に入ってラーメンを注文する。西穂ラーメンが1000円で独標ラーメンが800円。独標ラーメンを注文したのだが1000円取られてしまった。休憩料が1時間200円かかるらしい。標高が高いからか麺もよくゆで上がっていなかった。山荘のお兄さんも無愛想で、次回はカップ麺を持って行く事を誓う。


西穂山荘食堂 休憩料が1時間200円
 

独標ラーメン 800円
休憩料と併せて1000円

 15時30分、西穂高口駅に到着する。食堂で播隆汁をいただく。冬季限定の無料サービスのすいとんで、お椀は小さかったが美味しかった。16時のロープウエイで降りる。観光客の中に交じって朝いっしょに乗った3人パーティーがいた。このロープウエイは観光客が圧倒的に多く、登山者は目立つ。


西穂高口駅構内食堂
 

ロープウエイ1階  2階はいつも満員
 
  16時23分、新穂高温泉駅に到着。川上さんとは再会を約束して別れる。西穂独標は病み付きになりそうな山だ。もう少し雪が付いたら又来よう。少しピッチを上げて西穂高岳まで行けたら行ってみたい。そんなことを考えながら暗くなりかけた道に車を走らせた。


ロープウエイ新穂高駅
 

冬期間は無料の駐車場