西穂高岳 |
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所在地 | 岐阜県上宝村、長野県安曇村 | |
西穂高口駅 | アプローチ | 神岡町から車で40分、ロープウエイで30分 |
登山口標高 | 2156m | |
標 高 | 2908m | |
標高差 | 単純752m 累積(+)800m 累積(−)50m | |
沿面距離 | 片道3.9Km | |
登山日 | 2004年3月28日 | |
天 候 | 快晴 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 西穂高口駅(1時間30分)西穂山荘(1時間30分)西穂独標(1時間30分)西穂高岳(1時間)西穂独標(1時間)西穂山荘(1時間)西穂高口駅 合計7時間30分 | |
コースタイム | 西穂高口駅(42分)西穂山荘<休憩7分>(40分)西穂独標<休憩10分>(1時間)西穂高岳<休憩35分>(38分)西穂独標(23分)西穂山荘<休憩10分>(33分)西穂高口駅 合計5時間7分<休憩1時間10分含む> |
1月に西穂独標まで行ったときにこの冬にもう1度と誓った西穂高岳である。朝6時に家を出て41号線を南下する。大沢野を走っている頃は風が強く心配したが、神岡に入った頃には風はやんでいた。 神岡からの国道471号線はもう通い慣れた道になってしまった。今年も何回も走るだろう。 ロープウエイの新穂高温泉駅の上にある駐車場は工事中だった。代わりにバスターミナルの下にある駐車場が無料解放されていた。戻って車を停める。 ロープウエイの始発まで1時間近く時間があるのでゆっくり身支度をする。気温が低く駐車場の一部はスケートリンクのように凍っていた。 |
冬期間無料の駐車場は工事中でバス停下の 村営の駐車場に停める(無料) |
第一ロープウエイ白樺平駅 |
新穂高温泉駅待合室(1117m)に行くとすでに団体が並んでいた。乗車券を買って並ぶ。その後に又、団体が入って来た。だが登山者は少ない。 少し早めに改札が始まった。ロープウエイは8Kg以上の荷物は有料となっている。重さを計られたが7Kgだった。 ロープウエイを乗り継ぎ、西穂高口駅(2156m)に8時45分頃到着。とりあえず屋上に出て写真を撮る。 外に出るには食堂を通らないといけない。食堂を通るときに誘惑に負けて冬季限定の無料サービスの播降汁をいただいた。 外に出てみると雪がかなり堅そうなのでアイゼンを履く。 9時1分、西穂高口駅(2156m)を出発する。 |
西穂高口駅と西穂山荘の間にはこの看板が たくさんある |
西穂山荘でセーターを脱ぎ水分補給する 遠くに乗鞍岳と焼岳が見える |
日帰りという事で急ぎがちになるが、体が温まるまでゆっくり歩く。小さなアップダウンを繰り返した後、尾根沿いの急登になる。やがて右にトラバースぎみに登り切ると西穂山荘である。9時43分、到着。 体が温まったのでセーターを脱ぎ、中間着だけになる。軽く水分補給をして9時50分、まずは西穂独標を目指す。 小屋からの登りは大きな石がごろごろしていて歩きにくかったのだが今は雪の下で歩きやすい。1月よりは雪の量が多いようだ。 丸山へ出るとピラミッドピークと独標が見える。独標からの帰りの人と頻繁にすれ違うようになる。中には独標へも行かず、ここまでと言うグループも何組かいた。 |
丸山あたりから見た西穂独標とピラミッドピーク |
西穂独標のとりつき |
独標手前の急登を登り切ると小さなピークがあり、それを左にまいて独標下に出る。雪が付いていた方が歩きやすいかもしれない。10時30分、独標に登ると西穂帰りの2人がいた。 西穂へ行っているのは数名との事だった。風が強いのでセーターを着る。ストックをピッケルに替えるが、岩の多いところはピッケルも邪魔かもしれない。 イワヒバリが飛んできて目の前に留まり、近づいてくる。日焼け止めが気になるようで、クチバシでつつきそうにしたり、クビをかしげたりしていた。 |
西穂独標の標識と笠ヶ岳 |
餌付けされているかと思うほど人なつこいイワ ヒバリ 日焼け止めが気になるようだった |
10時40分、独標を後に西穂を目指す。小さなピークを二つ越えるとピラミッドピークへの登りとなる。 小さなピークはほとんどが左にまいている。夏道がピークの上にある所でさえ左にまいて登っている。雪の付き方に関係があるようだ。 コルは雪が付いていて歩きやすいが雪庇に気をつけないといけない。踏み抜いたらピッケルの滑落停止技術など役にたたない急峻な岩場だ。 |
左がピラミッド、右が奥穂高岳 |
手前を降る3人、独標一つ前のピークを登る2人 |
2人パーティーと3人パーティーにすれ違った後、4人パーティーが降りてきた。アンザイレンはしていなかったが、4人とも重装備の防寒着にハーネスを付けていた。 セーター姿で登ってくる登山者はムードをぶち壊す嫌な奴だっただろう。だが流石に寒くなり、雨具をウインドブレーカー代わりに着た。 ピラミッドピーク近くで、降りてきた単独の登山者に聞くと、この先には誰もいないとの事だった。 ピラミッドピークの後、小さなピークをいくつか越えると真上に西穂が近い。 |
独標から西穂高への稜線上で振り返る 遠くに見える白い山は乗鞍岳 |
西穂への最後の急登 一番上に見えるのが西穂高岳 |
11時40分、急登の岩場を登り切って頂上(2909m)に立つ。何故か頂上はいつもあっけない。突然そこが頂上だったという感じだ。 頂上は踏み荒らされていたが今は1人だけの世界だ。定員15名ぐらいの広さしかない。 360度のパノラマにシャッターを押しまくる。気が付けばリュックもおろしていない。ミニ三脚の置き場を探すが頂上の標識しか見あたらない。輪ゴムで括り付けて記念写真を撮った。 |
西穂高岳頂上の標識、標識の上に小さく槍ヶ岳 |
貸し切り状態だった頂上 定員は15名ぐらい? |
誰もいないのが今日は寂しい。誰でもいいからこの景色を共有したいとでも思うのだろうか? 得意のいつもの1人乾杯も気分が盛り上がらない。 見ると奥穂が近い。日帰り出来そうな気さえするがトレールはない。西穂から奥穂、白出経由での周遊コースを今年の予定に入れている。それまでのおあずけだ。 |
頂上の標識にミニ三脚を縛り付け記念撮影 左が奥穂高岳で右が前穂高岳 |
西穂頂上より霞沢岳と上高地 |
独標から見る角度とは違い、他の山々が低く見える。霞沢岳(2645m)も大木場の辻(2232m)も低山に見えてしまう。 大木場の辻の遙か彼方に白山の山並みが見える。まるで雲のようだ。今日は乗鞍岳の左に御嶽山も見えた 朝のロープウエイに登山者が数人いたが誰も登ってこないようだ。12時15分、頂上を後にする。 |
西穂頂上より大木場の辻 上の方に雲のように 見えるのは石川県白山の山並み |
西穂頂上より乗鞍岳を望遠で引っ張る |
急な降りの岩場ではアイゼンワークが難しい。届くと思った足場が意外に遠く、残った足のアイゼンが岩からはずれてくれず、前方に放り出されそうになるとか。 はずれてくれたアイゼンを勢い余ってスパッツに引っかけてしまうとか。 走るような歩き方をするならアイゼンをはずすべきだ。もっとも急な岩場を走って降りるような者などいないと思うが(-_-)... |
西穂高岳からの降り |
中央無名峰の左奥がピラミッド、遠くに見える のが乗鞍岳、右下が焼岳 |
西穂からの最初のコルで二人組のパーティーに出会った。頂上までの時間を聞かれる。最終のロープウエイが気になるらしい。 リュックの大きさと、ここまでの時間を考えるとちょっときついかもしれないが、最後は走れば間にあうだろう。 ピラミッド、独標を越えて急降を降る。駆け下りようと新雪の中に踏み込んだ途端、アイゼンに雪が付いて高下駄のようになり、足首をねんざしそうになった。慌てて踏み跡に戻る |
独標に帰りつく 頂上に登山者が一人いる |
西穂山荘に帰りつく 2度目の乾杯(^_^) |
13時16分、西穂山荘に戻る。小屋の前でピッケルをストックに替える。ウインドブレーカーも脱ぐ。ここで2度目の乾杯をした。 ここにも人なつこいイワヒバリがいて近寄ってくる。パンを小さくちぎって与えると食べていた。多分そんなことをしてはいけないのだろうが可愛かった。 小屋の前の日だまりには午後の一時を楽しんでいる人達がいた。のどかな風景だった。 20分の休憩の後、13時35分、西穂山荘を後にする。樹林の間から時々姿を見せる笠ヶ岳を見ながら降った。 |
山荘の前はのどかな景色だった 奥は焼岳 |
西穂高口駅は観光客が主流で登山者は異端児 |
14時8分、西穂高口駅に到着する。この日2度目の播隆汁をいただきロープウエイに乗った。観光客でいっぱいのロープウエイが妙に居心地が悪い。 新穂高温泉から神岡への途中、双六峡谷の入口にあるレストラン喫茶「ウインディー」に寄ってコーヒーを飲んだ。 不思議なほどゆったりと落ち着けるお店だ。近くに来たら必ず寄りたいと思う。お店の窓際に置いてあった人形は以前と変わらずそのまま置いてあった。 |
帰る途中で寄った喫茶「ウインディー」 |
この店の窓際の人形はまだ置いてあった |