白木峰 |
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標 高 | 1596m | |
所在地 | 婦負郡八尾町 岐阜県宮川村 | |
庵谷登山口 | アプローチ | 八尾町から大長谷杉ケ平から21世紀の森への林道入口 |
所要時間 | 八尾町から50分 | |
標高差 | 単純1,040m 累積1,350m(帰りの仁王山への150mを加算) | |
沿面距離 | 往路4486m 復路4380m 合計8860m | |
登山日 | 2004年2月14日 | |
天 候 | 晴れ | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム | 杉ケ平(1時間5分)916m東屋(40分)1200m地点(55分)杉ケ平 |
21世紀の森への入口に車を停める |
21世紀の森手前のアスレチックス |
今日も午後から天候がよくないとの天気予報。おまけに風が強いとの注意報も出ている。標高はちょっと高いがアプローチが楽な白木峰に決める。昨年登ったとき、仁王山の尾根がスキー場のように見えた。天候が崩れれば仁王山で引き返してもよい。 杉ヶ平の入口には車が1台停められるだけのスペースがあり、まだ誰も来ていない。早い者勝ちで車を停める。もっとも、この後誰かが来るような気もしなかった。 山の上の方で風の音がすごい。空全体がうなっているような音がしていた。車の横でロシニョールのフリートレックを履き、林道を横目に直登する。30m程の急斜面を登り切ると林道の折り返し点に出てすぐにフィールドアスレチックのある広場に出る。 |
途中にあった吊り橋 |
白木峰への林道に出る 行き過ぎたようでここからカーブまで戻る |
フィールドアスレチックを横切り南東方向に進む。杉林の中を突きっきり、斜面に取り付く。右下に吊り橋も見えるので遊歩道も近くにあるはずだと、ジグを切りながら登る。 40m程登ったところで道路に出た。遊歩道と間違えて歩く。ヘアピンカーブを曲がり、しばらく行った所でヘアピンカーブにカーブミラーが会ったのに気づく。林道を歩いていたのだ。しばらく迷ったが戻ってヘアピンカーブから灌木の斜面に入る。 |
最初の東屋 |
916mの東屋 |
灌木と言うよりブッシュと言った方がいいくらいの小さな木々の間をくぐって登る。尾根筋にスキーのトレースがある。数日前に誰かが滑っているようだ。100mも登らないうちに遊歩道に出る。 遊歩道を歩く。歩きやすく、どんどん標高を稼ぐ。やがて左への水平道と右への登り道に分かれる。右への登り道を行くが、途中の峰を境に降りになっていた。又、ブッシュの中を直登する。しばらく行ったところで遊歩道に出る。遊歩道が尾根に出たところに東屋があった。 さらに遊歩道を辿り、なだらかな尾根を辿ると2番目の東屋があった。昨年、別の尾根から登り、驚かされた東屋だ。尾根筋はかなり風が強い。棒立ちのままカメラを出そうとして風に飛ばされ一回転してしまった。 |
大長谷の対岸の山並み この峰の裏側がスノーバレー利賀のスキー場 |
右のコルが利賀スキー場からの最初のコル 左のコルがりゅうこ峰と1400mピークのコル |
振り返ると大長谷川の対岸の山並みが見える。スノーバレー利賀のスキー場からのコルが見える。そしてその左側にりゅうこ峰、1400mピークなど金剛堂山への稜線が遠望できる。 小さな灌木が並ぶ緩急織り交ぜた尾根を行く。斜面はきつくないが風がきつい。右側の谷に雪崩止めの柵が並んでいる。帰りに、この柵にスキーでつっこまないようにと地形を頭にたたき込む。1100m付近で灌木がなくると風がもろにあたり、思うように歩けなくなってくる。 |
かすかに山スキーのトレースがある 右の沢になだれ止めの鉄柵が見える |
空は青いのだが風が強い 風に飛ばされて何度か転倒する |
顔に当たる粉雪が痛い。小さな雪のブロックも飛んでくる。対風姿勢が遅れて2度も転倒させられる。かかとフリーのスキーが風にあおられて起きあがりにくかった。20〜30秒じっとしていて風が弱くなったときに5〜6歩進む。そんな繰り返しに頂上はあきらめる。仁王山でさえ届きそうにない。だいたいこの風の中でまともに滑れるのか? 頭では解っているのだが体が勝手に前へ進む。せめてあの峰まで...だめならあの尾根まで... ばかげた行動で遭難した人達の気持ちが分かるような気がした。冷静な判断より気持ちの方が優先されてしまうのだ。 |
1100mあたりの雪煙 1200mあたりまで登る が風が強くて動けなくなった 退却 |
1000mあたりでのシュプール |
10時30分、1200m地点、後ろ髪を引かれるような思いだったが下山を決める。適当な灌木のある所まで慎重に降りる。灌木にリュックを停め、身を支えながらスキーのシールをはがす。
シールはガムテープを丸めたようにくちゃくちゃになってしまった。構わずそのままリュックに押し込んで滑べりだす。 左横からの強風だったが思ったほど滑りにくくはなかった。滑っていること自体が風を受けている事だからだろうか? いつもは前からの風が左前方の風に変わっただけなのかもしれない。1000mあたりでは風も弱まり楽しい滑降となる。風がおさまったのかと思って降りてきた方を見ると相変わらずの雪煙が上がっている。何故かほっとする。 |
大長谷街道は国道471号と472号線が合流 した国道 |
帰りに「創」と言うラーメン屋(居酒屋)に寄る |
11時25分、車の駐車場所に戻る。早い時間の敗退に悔しさがつのる。不完全燃焼で筋肉がまだ波打っている。アドレナリンがまだ出っぱなしのようだ。風に負けた登山は初めてだった。帰る途中で、通るたびに気になっていた室牧ダムに近い正間の「創」という店に入る。正しい名前は「聚楽 創」。外観からは想像出来ない、まともな内装だった。 |