寺地山



寺地山から見た北ノ俣岳(2004年5月8日撮影)

所在地岐阜県神岡町、富山県大山町
飛越登山口 アプローチ富山市より車で2時間
登山口標高1450m
標   高1996m
標高差単純546m 累積590m
沿面距離9Km(片道) 5Km
登山日2004年5月8日
天 候
同行者単独
参考コースタイム
とやま山歩き(シーエーピー)
神岡新道登山口(3時間)寺地山(1時間30分)神岡新道登山口
コースタイム飛越登山口(2時間20分)寺地山<休憩47分、登り返し46分含み>(3時間15分)飛越登山口

 5時過ぎには目が覚めていたのだが、メールチェックなどでもたもたしていて家を出たのが7時を過ぎていた。
 41号線を南下し、神岡から471号線に入る。双六峡谷で左折し、山吹峠越えで山之村に入った。飛越トンネル手前でデブリと土砂崩れで道がふさがれていたが車1台がなんとか通れるようにあけてあった。
 飛越トンネルの駐車場に車を停める。天気がいいのに誰もいない。


連休中は車の進入を止めていたデブリ
 

飛越トンネルは板張りで閉鎖されていた
 
 9時5分、身支度を終え、登山口(1470m)に取り付く。9時過ぎで1人だということは今日はひとりぽっちだと言う事らしい。
 尾根に出てからは南東方向に稜線を歩く。送電線の鉄塔を越えたあたりから雪が夏道をふさぎ出した。急登を登り切った小さなピークにでるが分かりにくい場所なので赤い布でマーキングしながら直進する。目の前のピークとの間の谷が深すぎるので道を間違えている事に気づく。
 地図を見るが、道はあちこちで折れ曲がっている。自分のいる場所が解らないと地図は役に立たないようだ。
 枝のマーキングを取りながら戻る。慎重に地図を読み、ピークで90度コースを変え北東に向かう。


寺地山、北ノ俣岳への登山口の標識
 

停まっている車は約1台 登山者は約1名
 
 所々に頭を出している夏道用の標識を見つけると安心する。なだらかに降り、やや登ると今度は右に90度コースを変え南東に向かう。これもすぐに90度左にコースを変え、北東に向かう。
 降りきったところから、なだらかな尾根登りとなる。広い尾根で尾根のどのあたりを登っているかが分からない。赤い布でマーキングしながら登るがオオシラビソの林で視界が悪いので簡単には見つからないだろう。
 自分の足跡が頼りだが残っている保証もない。磁石と地図を見て帰り道をイメージしながら登った。


登山の標識も雪から顔を出しかけたところ
 

遙か彼方に笠ヶ岳
 
 やがて尾根が細くなってくる。神岡新道との合流点を過ぎてしまったようだ。帰路には気をつけなければいけない地点だったが無意識に通り過ぎてしまったようだ。
 時々オオシラビソの間から鍬崎山が見える。当たり前だが裏側から見ると山の形も違う。薬師岳も全く違う山に見えて、写真だけ見せられたら分からないだろう。
 11時25分、寺地山の頂上と思われるピークに到着する。視界が悪いので少し先に進むと目の前に北ノ俣岳が見えた。
 今から北ノ俣岳へ向かうと頂上では2時半ぐらいになりそうだ。疲労度も考えると3時になるかもしれない。雪道の降りは早いが、やや無理と判断して北ノ俣岳を諦める。
 9時に出発して北ノ俣岳を往復するのはいけない事のような気もする。それに帰路がはっきりしない。等々と自分に言い聞かせながら乾杯!


裏側から見た鍬崎山
 

反対側から見た薬師岳
 
 12時12分、寺地山を後にした。すこし登り返した後、尾根を忠実に辿る。細尾根なので間違える事はないと思い、足を滑らせながら走る。
 12時28分、急降している事に気づく。オオシラビソの間から見える目の前の景色は想像していたものとは全く違うものだった。
 コンパスで確かめると方向が180度近くも違う。北ノ俣岳を背に歩き出したので、そのまま寺地山の頂上を直進してしまったようだ。
 寺地山からは90度左に方向を変え、北ノ俣岳を横に見ながら降らなければいけなかったのだ。南側へと向かいながら登り返すが降りてきた足跡に合流してしまう。


いつもの1人宴会
 

神岡新道と飛越新道との分岐点
 
 12時58分、結局30分をかけて登り返した地点は寺地山頂上だった。潔く初めから足跡通りに登り返せばよかったと反省する。
 足跡が消えてしまったと思っていたがこちらにはまだ残っていた。あちこちに古い足跡もかすかに残っているが、そんなものはあてに出来ない。慎重に降りる。
 徐々に尾根が広くなってきて緊張する。赤い布にたどり着くが右の方にも赤い布が見える。40mぐらい離れていたが念のため行ってみる。それは打保と飛越トンネルとの分岐点だった。あやうく違う尾根に向かうところだった。

 視界の効かない広い樹林帯をコンパスだけを頼りに降る。それでもやはり間違えてしまった。右手に若干高い尾根が見えていると思っているうちに徐々にそれが高くなっていく。多少の藪こぎを覚悟して尾根へとよじ登った。
 この後も少しずつ調整を入れながら降った。ガスがかかっていたらかなり大変だっただろう。北ノ俣岳へ向かっていたら、夕闇への不安と消耗した体力で帰れなかったかもしれない。
 行かなくてよかった。


林道の途中で見た春の息吹のすばらしさ
 

ウワミズザクラも春をめいっぱい表現して...
 
 14時40分、登山口に帰り着く。トンネルの入り口近くに親子連れがたたずんでいた。
 ゆっくり車を走らせる。林道から眺める景色は春の息吹でいっぱいだ。思わずシャッターを押してしまう。
 森茂でこの春オープンした「山之村牧場」という小さなテーマパーク(?)が営業していて沢山の車が停まっていた。
 村おこしにのために造られたようだが、ここまでのアプローチとその規模と入場料500円を考えると将来に厳しいものを感じる。


2004年の春にオープンした「山ノ村牧場」
 

入場料大人500円 子供(小学生)200円
 
 この道を走ると必ず立ち寄ってしまうお店「ウインディー」。いつもの人形が出迎えてくれる。
 その優しい雰囲気にオーナーは絶対女性だと言っていたら、神岡の友人深雪さんから上宝村見座の和仁建設という土木の方が経営しているとの情報が入ってきた(^_^;)
 だが土木野郎にはこの雰囲気は出せない。支配人は絶対女性のはずだ。だからどうしたと言われそうだが...


説明するのがいやになるくらいのいつもの人形
 

喫茶「ウインディー」から見た木々達の春
 
 これも彼女に教えてもらったトンちゃんの店「たからや」に寄ってモツを買おうとしたが休みだった。後日教えてもらったのだが連休で賑わい、売り切れて閉店していたとの事。神岡町の「たからや」は全国区の有名店(深雪談)らしい。