剱 岳 |
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所在地 | 上市町、立山町、宇奈月町 | |
室堂 | アプローチ | 立山駅よりケーブル、バスで約1時間10分 |
登山口標高 | 2425m | |
標 高 | 2998m | |
標高差 | 累積往路1100m 累積帰路530m | |
沿面距離 | 7300m 往復14600m | |
登山日 | 2004年6月5日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 富山県の山(山と渓谷社) | 室堂(2時間30分)別山乗越(4時間10分)剱岳(4時間)別山乗越(1時間50分)室堂 | |
参考コースタイム とやま山歩き(シーエーピー) | 室堂(2時間)別山乗越(4時間)剱岳(5時間)室堂 | |
コースタイム | 室堂(25分)雷鳥平(1時間)別山乗越(3時間8分)剱岳<休憩30分>(2時間41分)別山乗越(1時間27分)室堂 合計8時間55分<休憩30分含む> |
昨年に続いての残雪期の剱岳。昨年は富山県条例を知らずに5月10日に登頂してしまった。今年は自重する。 6月に入ればバスの始発も早くなり、終バスも遅くなるとの思いもあった。ところが7月17日〜8月31日のみ、朝6時から夕方の18時までの運行だった。 自分の会社のバスなのに認識不足と言うか、勉強不足と言うか... |
室堂ターミナル屋上 |
雷鳥沢の登り |
結局、6月まで待ったのに、室堂を8時にスタートして17時までに戻ると言う状況は変わらなかった。 立山駅を6時40分のケーブルに乗り、美女平駅で7時のバスに乗り換える。 今年はスキーを使わず、純粋なアルペンスタイルでの日帰りを考えている。そのためスキーの到着を待たずにすぐスタートする事が出来た。 スキーとアイゼンの履き替えやリュックへの装着の手間を考えると、スキーで稼げる時間は思ったほど効果がないように思う。今回はその実践でもある。 7時50分、室堂ターミナル(2425m)を出発する。 |
浄土沢が露出していて雪渓を拾いながら渡る |
剱御前小屋の前ではトイレの新設? |
8時15分、雷鳥沢のキャンプ場(2270m)を通過して浄土沢に出る。雪渓が切れているので渡れる場所を探す。 少し下がったところに亀裂が走っているが残った雪渓をたどればなんとか渡れそうな場所があった。 雪渓を拾いながら、ジャンプも交えて雷鳥沢の登りに取り付いた。 剱御前小屋直下の急登を避けてやや左寄りにコースを取る。これが失敗で尾根近くから夏道に出てしまい、歩きにくいアイゼンでの歩行になってしまった。 アイゼンをぬげばいいじゃないかと突っ込まれそうだが、距離が短いと、つい面倒くさくてそのまま行ってしまう。 9時15分、剱御前小屋のある別山乗越(2745m)に到着する。何か建物を建てているようだったが、昨年一ノ越に出来たようなトイレかもしれない。 |
別山乗越からの剱岳 |
クロユリのコルから 右が前剱で左奥が剱岳 |
別山乗越から見る剱岳は流石に一幅の絵だが、決まりすぎていて面白味に欠ける。別の角度からの方がその美しさを際だたせてくれるようだ。 登り返すのがいやで、剱御前の裾をトラバースする。クロユリのコルの近くで夏道を見つけるが、あまり整備されていないようだ。ハイマツで道が隠されているところも多かった クロユリのコルから見ると前剱が手前に張り出し、剱岳本峰はその後ろに陰を潜める。さらに歩を進めると本峰は完全に前剱に隠れてしまう。 前剱に出来た雪型は口を開けたカモシカのように見えるが、いかがでしょうか? |
一服剱から 剱本峰は前剱に隠れて見えない この雪型は口を開けたカモシカ? |
前剱の登り ガレ場と岩場と雪渓が連続する 疲れが出てきて最初の難所となる |
前剱の登りはガレ場に始まり、やがて岩場になる。夏道は雪渓の下になり小さなスノーブリッジの下に鎖が見える。 所々枯れた草付きを登らないといけなかったが、急なのでアイゼンを履いていても気を抜くと滑って危ない。 前剱のあたりでは2カ所ほど左への巻き道があり、そちらを歩く。そこで3人パーティーと出会う。3人とも50代だと思うが源治郎尾根からの登頂だそうだ。ハーネスにつけたカラビナなどがガチャガチャと音を立て、かっこいい。 |
前剱の大岩付近は夏道が雪渓の下で岩登りに |
キレットの間から大日岳が顔をのぞかせる |
平蔵のコル近くに2人のスキー登山者がいた。平蔵谷からの登頂だそうで、スキーが置いてあった。誰も来ないと思っていたそうで、いきなり岩陰から顔を出し、驚かせてしまった。 2人が言うにはカニのタテバイの方が安全だという。そのルートしか知らないのでカニのタテバイから頂上を目指す。夏は下山路になるらしい。気をつけて探してみたが上山路は見つからなかった。 |
平蔵のコルからのカニのタテバイ |
平蔵のコルからのカニのタテバイ |
カニのタテバイは急ではあるが岩がしっかりしているので、前剱の登りよりは安全だ。ハシゴもしっかりしている。 その後に続くのはカニのヨコバイだと思うが、これが上山路だと言う。よく分からない。 とにかく、このあたりはピッチをあげて登るところでもなく、安全に登るところなので体力的には楽なところだ。 |
ハシゴ場 |
カニのヨコバイ |
振り返ってみると遙か彼方に剱沢が見え、その上に別山が見える。帰路は遠い。 富山側にはガスがかかり始めていて頂上からの展望は半分諦めないといけないようだ。 早月尾根との分岐点を横目に頂上を目指しているとき、その分岐点を登ってくる者がいた。アイゼンを履いたままのようでガチャガチャ音を立てながら登ってくる。 12時7分、剱岳頂上(2998m)に立つ。すぐに缶ビールを雪渓に埋める。写真を撮っているところへ早月尾根からの登山者が上がってきた。 |
振り返ると稜線の富山側にはすでにガスが 左奥が剱沢と別山 帰路は遠い... |
頂上で会った関東からの清水さんと斉藤さん 平蔵谷からの登頂 |
やめよう、帰ろうと思いながら来てしまったそうだ。自己紹介しあう。魚津から来た小林さんで元気いっぱいの方。 そこへ先ほどのスキー登山者が上がってきた。こちらは関東方面から来た清水さんと斉藤さん。剱沢小屋に泊まってのアタックで1人が途中でリタイアしたと笑っていた。 楽しい時間を過ごすが、ここで極楽な時間をすごし過ぎると後で地獄を見ることになる。30分の休憩後、12時37分、頂上を後にする。 終バスまでの残り時間は4時間23分。 |
頂上で会った魚津の小林さん 早月尾根からの登頂 |
下りのカニのヨコバイ |
降りなのに息が上がる。昨年も降りが辛かったが疲れからなのか?ビールのせいなのか分からない。 疲れてくると注意力も散漫になるようだ。急降の岩場ではリュックのお尻が岩につかえて何回かつんのめりそうになった。よくある事故のパターンだ。慎重に降りる。 一服剱からはアイゼンを履き、グリセード&トラバースで剱山荘まで降る。14時12分だった。剱山荘はまだ営業していない。 いつもは500mのペットボトル1本と350mの缶ビール1本で十分だったのに、今回はペットボトル2本&缶ビールでも足りなかった。小屋の横から出ている雪解け水をペットボトルに詰め、別山乗越をめざす。 |
まだ眠りから覚めない剱山荘 |
金沢からの赤堀さん(大日岳登山) |
長い雪渓をトラバース気味に登る。源治郎尾根からの3人組の足跡は剱沢山荘の方に消えていた。15時半までに別山乗越を登り切れば17時の終バスには間に合うだろう。 忍の一字でひたすら登る。中頃まで来た頃からガスがかかりだし方向が怪しくなってくる。すり鉢状の平坦地からは磁石を頼りに方向を決める。 多少方向を間違えても何とかなるとは思っても時間のロスが心配だ。なだらかになり、人の声が聞こえると思ったらいきなり剱御前小屋の前だった。 時間は15時18分。小屋の人に聞くと室堂までは1時間半から2時間だとのこと。 売店で350mの缶ビール(500円)を買い、2回目の乾杯で気合いを入れる。15時25分、夏道を少しくだった後、雷鳥沢の雪渓を一気にグリセードぎみに走り降りる。 浄土沢の飛び石のような雪渓を拾いながら渡り、雷鳥沢キャンプ場にたどり着く。時間は15時50分。昨年は16時25分で、残り時間は35分しかなかった。今年は余裕の1時間10分を残す。ゆっくり帰る事にする。 |
みくりが池に写った逆さ立山 |
残雪の弥陀ヶ原高原と鍬崎山 |
Tバーリフトはスキーヤーだけでなくスキー登山者も帰りの登りに利用している。ちょっと羨ましかったが気を取り直して歩く。 大日岳へ行ってきたという金沢からの赤堀さんといっしょになる。雪渓のトラバースが怖く、藪こぎで尾根に出て、尾根上の雪渓を歩いたそうだ。 学生時代に山岳部にいて、アイゼンを使うのを潔しとしない世界にいたようで、坪足で登ったようだ。あの雪渓を滑ったら誰だって助からないだろう。 雪の溶けかかったみくりが池に雄山が写っていた。いつのまにか晴れたようだ。 16時45分、室堂ターミナルに到着する。玉殿の湧水が美味しい。赤堀さんはペットボトルに何本も詰めていた。 室堂ターミナルのバス停で、終バスに間に合った安堵感に酔いしれているとき、昨年と同じ言葉「泊まってかれよー」が飛んできた(^_^;) |