鏡 平



鏡平から槍ヶ岳を望む(2005年5月8日撮影)

所在地岐阜県飛騨市
新穂高登山口 アプローチ飛騨市神岡から車で40分
登山口標高1100m
標   高2285m
標高差単純1185m
沿面距離片道8.6Km
登山日2005年5月8日
天 候
同行者単独
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
新穂高温泉(1時間15分)わさび平小屋(4時間)鏡平(2時間40分)わさび平小屋(1時間15分) 新穂高温泉
合計9時間10分
参考コースタイム
 トレッキングマップ(潟Wオ)
新穂高温泉(1時間20分)わさび平小屋(4時間)鏡平(2時間40分)わさび平小屋(1時間10分) 新穂高温泉
合計9時間10分
コースタイム 新穂高温泉(58分)わさび平小屋<途中休憩15分>(3時間10分)鏡平<休憩25分>(1時間16分)わさび平小屋(59分)新穂高温泉
合計6時間48分<休憩40分含む>


 朝まで行き先が決まらない優柔不断な性格にいささかうんざり。前日快晴だった天気予報も少し悪くなっている。遠くの山も行きたくなく、近い山も気が乗らない。
 ふと、鏡平から穂高連峰でも眺めてみようと思った。缶ビールとおつまみ、パンを1個、ポカリスエットを1本持って家を出る。7時を過ぎていた。


ホテルニューホタカの先にあるゲート
 

蒲田川左俣の清流も水量が多い
 
 新穂高温泉の無料駐車場に車を停める。連休後だからか車は少ない。天候と気温からアイゼンとピッケルは必要ないと判断して身軽な恰好で速攻往復することにした。
 9時新穂高温泉を出発する。弓折岳まで行きたいと思ったが時間的にちょっと無理そうだ。


休館中のわさび平小屋(連休中は営業)
 

わさび平から先の林道はまだ雪の下
 
 砂防堰堤で醜くなった穴毛谷を左に見ながら退屈な林道歩きを続ける。足が思うように前に出ない。靴が重いように感じたが足が重かったのだった。連休の疲れが出たようだ。
 国府から来たというグループを追い越す。楽しそうにふきのとうを摘んでいた。わさび平あたりから雪道となる。雪道が歩きにくいと感じたのは体調のせいか?


左岸へ渡る橋
 

降りてきた2人のスキーヤー
 
 10時29分、小池新道への入り口の橋にたどり着く。秩父沢の雪渓を降ってくる2人が見える。その2人が降りてくるまでしばらく橋の上に座り込んでしまった。
 パンを半分ほおばって雪渓にとりつく。秩父沢の雪渓からのデブリはかなり大きい。全体は見えないが幅は100m以上、長さは400mぐらいありそうだ。
 普段はクルブシ、せいぜいスネぐらいの雪のデコボコが腰まで入ってしまうような大きさだ。所々に亀裂も走っている。単独行だと、やはり怖いものがある。


最初の橋は板がなくなっていた
 

秩父沢の雪渓、遠くに大ノマ乗越
 
 秩父沢、秩父小沢のデブリを越えると大ノマの雪渓となる。ここは不思議とデブリがなくきれいだ。この雪渓から右へ小さな雪渓がある。その雪渓が鏡平へ続いているはずだ。
 地図を見ると夏道は大ノマの沢をもう少し上まで行ってから尾根をトラバースしている。雪渓の分岐点で一息入れる。ポカリスエットで残りのパンを流し込んだ。
 思わぬ所で15分もの休憩をとってしまった。気を取り直して右の雪渓をつめる。ここからは我慢の登りとなった。


幅100m、長さ400m程のデブリの亀裂
 

デコボコも大きく、隠れた亀裂が不安
 
 この小さな雪渓は徐々になだらかになる。なだらかになった所で30人ぐらいの高校生の団体とすれ違った。登りの足跡がなかったのはどこかで泊まったからだろうか?
 尻セードーで滑り降りながらはしゃいでいるのが微笑ましい。だが雪上の落石や立木にぶつかって怪我でもしたら引率の先生が何か言われやしないかと心配になる。
 かと言ってこの程度の遊びをやめさせているようでは健全な若者を育てる事も出来ない。難しい問題だが家庭や社会の理解を期待したい。


秩父平、秩父岩への秩父沢雪渓
 

左が大ノマ乗越、この分岐から右の沢を辿る
 
 2303mのピークを右に見ながらなだらかな沢を登る。登り切ってしまったが鏡平山荘が見あたらない。振り返ってみると右側の小尾根の裏に雪原があった。そこが鏡平だった。
 13時15分、小尾根を巻いて雪原に出る。鏡平山荘は赤い屋根の2階部分を雪原に出しているだけだった。小屋の屋根に腰掛ける。体力はほとんど完全燃焼状態だった。
 ビールは苦くて飲めないし、つまみも喉を通らない。立ち上がるのもおっくうで座ったまま目の前の穂高連峰を眺めていた。


鏡平への小沢から来た道を振り帰る
 

雪に埋もれた鏡平山荘と樅沢岳
 
 いつまでも座っているわけにはいかない。13時40分、鏡平を後にした。沢は滑りながら降りられるのでまだいいが、デブリの場所を越えるのが辛かった。
 14時34分、林道まで戻る。またも橋の上に座り込んでしまった。小休止後、とぼとぼと林道を降る。


西釜尾根と槍ヶ岳、大喰岳
 

槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳