金剛堂山



ウサギの足跡を辿り、尾根に出ると小ピークの左肩に金剛堂山が見えた

所在地利賀村 八尾町
大長谷第四発電所登山口 アプローチ八尾町から大長谷の室牧川をさかのぼり国道を離れて大長谷第四発電所へ
登山口標高778m
標   高1638m(前金剛)
標高差単純860m
沿面距離片道4Km
登山日2005年11月23日
天 候曇り
同行者単独
参考コースタイム
 とやま山歩き(シーエーピー)
大長谷第四発電所登山口(2時間30分)金剛堂山頂上(2時間)大長谷第四発電所登山口
合計4時間30分
コースタイム 大長谷第四発電所登山口(1時間55分)金剛堂山頂上<休憩45分>(1時間)大長谷第四発電所登山口
合計3時間40分<休憩45分含む>


 2月、7月に続いて3回目の金剛堂山だった。栃谷からはもう何となく食傷気味だ。東俣は車が入れないかもしれない。以前、浜治さんに教えてもらった八尾町大長谷側からの道を思い出した。気になっていた道でもある。
 2万5千図にも載っていない初めてのコースだが、この季節なら道を間違えることもないだろう。9時過ぎに家を出る。


国道471号線(472号線)から右に分岐
 

小さな橋を渡ってすぐ、右に入る道がある
 
 大長谷街道は国道である。471号線と472号線が合流している道なのだが飛騨市の角川へは不通のまま数年が過ぎている。そして冬期間は閉鎖されているという情けない国道である。
 白木峰への分岐から3.7Km程で小さな橋を渡り、すぐに右に入る。左側の鉄柱の上に青い標識で県営大長谷第四発電所と書いてあるので間違えることはないと思う。
 その道を400m程走ると大長谷川の支流、西ノ瀬戸谷の出合に発電所とダムがある。車はこの近くに止めた方がいい。
 今回はダムを渡った所に車を停めた。


400m程行くと大長谷第四発電所とダムがある
このダムを渡って車を停める

林道はダムを越えて左へと曲がる
落石が多く車は入れない

 林道は荒れていて大きな岩がいくつも落ちている。気持ちが悪く、石が落ちてこないかと上ばかり見て歩いた。
 林道を700m程歩くと右に分岐している道がある。白い小さな標識に「金剛堂山登口」と書いてあった。計画的に書かなかったので「登山口」と書けなかったのだろうか?


林道を700m程行くと右に上がる登山道があり
小さな標識が立っている

徐々に雪道となる かすかに人の足跡があった
 

 ジグを切った登山道は北向き斜面で徐々に雪道となってくる。ブルドーザーで造ったようで道幅は広く、ジムニーのような車なら登れそうである。
 ウサギやカモシカの足跡に混じってかすかに人の足跡があった。2〜3日経っているようだ。カモシカの足跡は今朝のものなのか、まだ新しい。


ジグを切った道を上ると沢があり道は崩れて
いて足跡もここから先にはなかった

モノクロの世界のような山道にナナカマドの実の
赤い色が鮮烈だった

 20分ほどで、広いなだらかな斜面になり、それを過ぎて左へトラバース気味に行くと沢に出る。崩れているので例えバイクで来たとしてここが限界だ。人の足跡もここまでだった。
 さらにトラバースぎみに左に行くと尾根を右に巻く。巻いた後、急に道が細くなり雪深い登山道となる。ここでスパッツをつけた。


尾根筋にはいると道幅は狭くなり雪も増えてくる
スパッツをつける

夏道がどうなっているかはだいたい想像がつく
歩きにくい道なんだろう トラ縄がはってある

 このあたりは夏道でも険しいようであちこちにトラ縄が張ってある。雪が積もっているので適当にステップを切りながら登る。
 この時期に嫌なのは雪の重みで両側から灌木が垂れ下がってきて道をふさぐことである。潜ることも出来ず、乗り越えようとすると急に跳ね上がって頭から雪を被ってしまう。


両側から笹が覆いかぶさり登山道も分かりにくく
なってくる

雪に潜ったトラ縄が道であることを教えてくれる
 

 1人で歩くには心細い道である。とりあえず稜線に出て一安心だった。小さなアップダウンは冬季のスキー場からの尾根歩きで経験している。
 雪の中に小さな池を発見した。積雪期に唯一、尾根が重複している場所だろう。


稜線に出てホッとする 途中に池があった スキ
ー場から辿るときの二重尾根の場所だろう

頂上を視界に捕らえる 積雪はスネぐらいだが
稜線は歩きやすい

 最後の小ピークを登り切り、頂上を視界に捕らえる。誰か立っていれば見えるはずだが見えない。誰もいないのか、宴会の最中なのか?今日は何故か人恋しい。
 最後の直登は冬季なら雪庇が張り出しているところだ。12時30分、登り切ってみると頂上には誰もいなかった。寂しさが増した。


頂上直下 ウサギの足跡はほぼ夏道をトレース
していた 動物も歩きやすい所を歩くようだ

頂上の祠 足跡はあったが誰もいなかった
小さな雪が舞ってきて寒い キノコご飯を作る

 風が強いのでターフを出す。張るのが面倒なので体に巻き付けただけでよしとする。テン泊の練習にキノコご飯を作ってみる。あまり美味しくない。
 かさばらなければカップ麺は素晴らしい山用の食料だと思う。簡単に素早く出来て食器を汚さない。キノコご飯より美味しくて暖まる。


金剛堂山の一等三角点
 

左に仁王山と右に白木峰への林道が見える
 
 13時15分、誰もいない頂上を後にした。稜線はやや駆け足気味に降る。稜線を離れて直登の尾根道はやはり滑る。何度も滑り落ちた。
 5m程滑り落ちて距離を稼げたと喜んだらストックをもぎ取られていた。登り返す(^_^;)


辿ってきた尾根道
 

今回はダムを渡った左岸の林道に車を停めた
 
 14時15分、登山口に戻る。寂しい山だった。雨の降りそうなこんな日に登る登山道ではない。間違いなく裏道だった。
 帰りに温泉に寄ろうとして、喫茶店に入ってしまった。雰囲気が変なので気がついた。
 「ここはお風呂じゃありませんよね?」「お風呂はもう少し下です」「すみません」


白木峰林道の入口にある「白木峰倶楽部」
洒落た喫茶店でコーヒーなどが飲める。

すぐ近くの温泉に立ち寄る この後プールに行く
予定なのに入浴してしまう 温泉の魔力か?

 帰ったらプールに行く予定なのについお温泉に入ってしまう。温泉の魔力は恐ろしい(単に年を取っただけ、の声が聞こえてきそうだ)。だが山から下りた後の温泉は魅力的だ。
 湯に浸かりながら一日の行動を振り返る。このひとときが何物にも代え難い。今日の山行きを記憶の底にしっかりと焼き付ける。


GPSでとったものではなく感覚だけでトレースしているので注意


荒井さんからいただいたGPSファイル ほぼ正確だった(^_^)