夫婦山 |
---|
標 高 | 784.1m | |
所在地 | 富山県婦負郡八尾町 | |
小井波登山口 | アプローチ | 八尾町から久婦須川に沿って南下し、桐谷に入り、村の入口近くで右折。久婦須川を渡り、松瀬峠を超え、下ったところが小井波登山口 |
所要時間 | 八尾町久婦須橋から車で約30分 | |
単純標高差 | 328m(小井波登山口〜男峰) | |
登山日 | 2005年1月1日 | |
天 候 | 雪 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 富山県の山(山と渓谷社) | 登山口(50分)松瀬峠(15分)男峰(15分)松瀬峠(15分)女峰(15分)松瀬峠(30分)登山口 | |
コースタイム | 駐車場(1時間20分)松瀬峠(50分)男峰<休憩37分>(13分)松瀬峠(33分)駐車場 |
元旦には2年連続で夫婦山に登っているので今年もこの山と決めていた。近くにあるのでアプローチが楽なのもいい。 前日(大晦日)の天気予報では山沿いで30cmから60cmの降雪とあったが勝手知った山である。吹雪いていても行くつもりでいた。 朝起きてみると昨晩からはほとんど降っていないようだった。雪はちらついているが風はない。雑煮で腹ごしらえして、ゆっくり家を出る。 |
![]() 林道から登山道への分岐点 |
![]() 途中の標識 |
八尾町黒瀬谷の桐谷から右折して除雪されたばかりの林道を小井波峠へと車を走らせる。真っ白な空から雪が流星群のようにフロントガラスに吹き付けてくる。 何時だったか、何処だったか、思い出せないくらい昔、何度も見た光景だ。今は廃村となっている古里、神岡町大津山の冬だったのだろうか? |
![]() 林道との交差点 |
![]() 杉林の中は歩きにくい |
10時17分、小井波の除雪された広場に車を停め、身支度を終えて登山口に向かう。林道は例年より奥まで除雪されていた。 最初の北へ向かう分岐点でかんじきをはく。始まりは膝下のラッセルからだった。意外にこの畜産の牛舎を廻るのがつらい。 林道の取り付に入ると杉林のせいか幾分雪が少ないような気がした。林道を200m程行った左側に登山口がある。 10時40分、登山開始。 |
![]() 暖冬と異常気象で春を間違えた木の葉? |
![]() 松瀬峠 積雪は約80cm |
杉の樹林帯の中は雪が少なくスネ程度のラッセルだった。登山道も解りやすいように思ったのだが間違えてしまう。 だが、分岐のない谷沿いの道なので歩いているうちに合流出来た。林道と交差する地点へも間違わず到達する。 ここからは沢の左側を(右岸を)歩くような気持ちで行くといい。鍋底のような松瀬峠の下は左を巻いてから大きな岩の左側を行く。 ここからの杉林は自分の勘を信じていくしかない(^_^;) 勘がよくないと思われる方は樹林の間が遠くまで開いている場所を選んで歩けばいい。 |
![]() 男峰への登山道は途中で鞍部もある |
![]() 大きな岩を左に巻いた赤い布が目印 |
松瀬峠近くは急登で、一歩一歩に時間がかかった。深雪では雪をかき分けて進めと書かれているが急登では当てはまらないと思う。 急登で雪をかき分けると次の足の標高が稼げない。急登ではストックでもピッケルでもいいから雪をたたきつけてその上を踏みつけると体を上へ持ち上げることが出来る。 ふと雪の中にきれいなものを見つけた。雪の中に咲く若葉? 双葉を付けたその葉は春に見る若葉よりきれいで頼りなげに見える。 |
![]() 尾根沿いにある10m程の断崖は左から巻く |
松瀬峠の積雪は80cmぐらいだった。今日は女峰には登らない。なぜかそんな気になれない。 11時38分、男峰の急登に取り付く。 こらからは足の力に加えて腕の力も必要だ。足だけだと雪が浅いので斜面ごと落ちてしまう。 男峰への尾根は単純に見えるが夏道でも間違えるところがあり、雪が積もるとさらに怪しくなる。 頂上近くの10m近い断崖の岩のあたりは小さな岩が入り組んでいるので注意が必要だ。ここは左側を巻くのが正しい。雪が積もると小枝が垂れ下がって何処が道か分からなくなっているが登れる所はここしかない。 雪が浅いこの時期のこの急登は腕の力7分に足の力が3分ぐらいの感じで登らないと登り切れない。ロープが見えていればそれを利用しよう。 ここを登り切ってしまえば後はラッセルに耐えるだけだ。 積雪も1m近くなり、股下から腰ぐらいのラッセルになる。だが雪が軽いのでそれほど苦にはならない。一歩一歩、標高を稼ぐ。 |
![]() 積雪は約1m前後で股下から腰のラッセル |
![]() 男峰頂上の雪が積もった石版と標識 |
12時27分、男峰頂上に出る。真っ白で何も見えなかったのが徐々にガスが引いて、小井波の集落が見え始めた。頂上にたどり着いたご褒美のようだった。 ストーブをつけてお湯を沸かし、コーヒーを煎れる。山でコーヒーを飲むのは久しぶりだった。 13時4分、頂上を後にする。雪に身を任せながら気持ちよく降る。だが登りの時のような高揚した気分にはなれない。 |
![]() 一瞬ガスが晴れて小井波の集落が見えた |
![]() 雪道の降りは気持ちが良い |
13時50分、駐車場にたどり着く。出発時と同じで他に車はいなかった。又、降り出した雪道に轍が1本あるのは畜産関係の人のものだろうか? 元旦恒例の山行きが夫婦山なら恒例のお寺詣りは八尾の名刹「本法時」だ。行ってみると本堂への参道が除雪もされていなかった。 誰も来ないからやる気がないのか、やる気がないから誰も来ないのか? 国の重要文化財を所蔵している大きな寺なのに廃屋のような寂しさが漂っていた。 |
![]() 帰りに八尾の名刹「本法寺」に参拝 |
![]() 本法寺山門扉の鳳凰の彫り物 |
冬の夫婦山はなかなか魅力のある山である。牛舎があるため除雪は完璧でほぼ登山口まで車で行くことが出来る。 標高差があまりないので(328m)頂上を踏む達成感も味わうことが出来、途中の急登のラッセルも楽しめる。 ルートファインディングを誤ると松瀬峠へ出られなくてとんでもない急斜面に行く手を阻まれる。時間がないときの雪山トレーニングに面白い山だと思う。 |