西穂高岳 |
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所在地 | 岐阜県飛騨市、長野県安曇村 | |
西穂高口駅 | アプローチ | 神岡町から車で40分、ロープウエイで30分 |
登山口標高 | 2156m | |
標 高 | 2908m | |
標高差 | 単純752m 累積(+)800m 累積(−)50m | |
沿面距離 | 片道3.9Km | |
登山日 | 2005年4月17日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 西穂高口駅(1時間30分)西穂山荘(1時間30分)西穂独標(1時間30分)西穂高岳(1時間)西穂独標(1時間)西穂山荘(1時間)西穂高口駅 合計7時間30分 | |
コースタイム | 西穂高口駅(40分)西穂山荘(43分)<丸山で防寒具装着5分>西穂独標<休憩5分>(50分)西穂高岳<休憩15分>(40分)西穂独標<休憩20分>(28分)西穂山荘<休憩18分>(30分)西穂高口駅 合計4時間53分<休憩58分含む> |
「行く山が決まらなかったら西穂高岳」のような図式が出来上がりつつある。と言う訳で今回も西穂高岳。1年中行ける山として手頃である。 8時半のロープウエイ始発にあわせて、6時過ぎに家を出る。通い慣れた41号線、471号線を走り、8時に新穂高温泉に着いた。 冬季無料の駐車場の駐車券発行機はまだブルーシートが巻かれたままだ。ありがたく車を停めさせてもらう。(だが、下山してから料金を徴収された) 今回は団体さんが並ぶ前に乗車券を買うことが出来た。その後、続々と団体が入ってきて待合室はいっぱいになっていく。200人近く、いたようだ。 |
新穂高温泉への道路から涸沢岳、奥穂、西穂 |
無料期間中だと思ったのだが、帰りに料金を |
ロープウエイは定刻前から運転を始めた。第1ロープウエイ2回分の客を受けて第2ロープウエイが動き出す。立山ロープウエイより新穂高ロープウエイの方が見晴らしがいい。 8時53分、西穂高口駅を出発。千石平の日陰部分はまだ雪が凍っている。小さなアップダウンを繰り返しながら小ピークを二つ越えると最低鞍部に出る。 小さな谷のようなところを辿り千石尾根に取り付く。一面に広がるステップを拾いながら標高を稼ぎ、右へトラバース気味に登り切ると西穂山荘である。 9時33分、山荘を右に見ながら丸山へと向かう。大きな丸い石は2月よりもかなり露出していた。 稜線に出ると急に風が強くなり、汗でぬれた顔が痛い。丸山に出たところで防寒用に雨具の上着を着て帽子をかぶった。 |
いつもの西穂高口駅屋上風景 |
千石平から望む西穂高岳 |
このころから下山者とすれ違うようになる。皆、コンティニュアスでザイルを結び、完全防備で物々しい。 独標下の雪原は尾根の夏道が途中まで出ているのでそちらを選ぶ。独標手前の小ピークは左側から巻く。見上げる独標は登山者でいっぱいだ。 独標には新しいザイルが張ってあり、1人ずつそのザイルにカラビナを通しながら降りていた。何をしているのか理解できなかった。 コース上はザイルにつながれた人でいっぱいなので、岩場をクライムして、10時20分独標に出る。 |
すれ違う下山者は皆物々しい |
独標上の団体さん |
前回と同じように、独標の頂上にストックをデポ(?)してピッケルに持ち替える。岩の方が多そうなので行けるところまでアイゼンなしで行くことにする。 10時25分、独標を西穂側に降り始める。下からの5人パーティーが待ってくれるかと思ったのだが登って来てしまい、変なところですれ違うことになった。このパーティーもザイルを結んでいた。 |
1人ずつロープにカラビナを通して降りている |
独標からの奥穂と前穂 |
独標から西穂山頂まで13のピークがあるらしいが実際に確認出来るのは10ピークだ。独標から二つの急峻なピークを越えると三つ目は小さなコブのようなもの。そして4つ目がピラミッドピークとなる。五つ目の小さなピークを越えて六つ目の剣竜の背のようなピークは飛騨側を巻く。七つ目のピークを越えると八つ目のピークは又飛騨側を巻く。九つ目と十個目も飛騨側を巻きそのまま西穂頂上へと上り詰める。 |
独標の降りでパーティーとすれ違う |
中途半端なところですれ違うことになった |
ピラミッドピークですれ違った女性が唯一の単独登山者だった。装備も軽装で、その雰囲気が大野市のスーパーレディーを思い出させた。 途中の飛騨側の巻き道のトラバースはアイゼンが欲しかったがそのまま登る。頂上直下の雪渓もアイゼンが欲しいと思ったがそのまま登り切る。 11時15分、西穂高岳頂上に到着。前夜、西穂山荘泊まりの人たちはすでに帰っていて誰もいない。風が強いので乾杯は独標に降ってからにする。 |
ピラミッド手前の雪の壁はアイゼンなしで |
かなり積雪が減った西穂頂上 |
ここからの360度のパノラマはもう見慣れたものだ。初めて見た時のような感動はない。それでもここまで登ってきた者だけに与えられる特別な景色である。しばし堪能する。 11時30分、西穂山頂を後にする。降りは流石にアイゼンがないと怖い。頂上直下と飛騨側のトラバース部分では必要だ。2ヶ月前、アイゼンが折れたことを思い出しながらピラミッドまで戻る。 |
涸沢岳 |
奥穂と前穂 |
ピラミッドでアイゼンをぬいだが、もうしばらく、はいていた方がよかった。ピラミッドからの降りの雪渓が急で前を向いて降りられず、横向きでピッケルを頼りに降る。 その雪渓を降りきってから、やや注意力散漫になっていたようで、棒立ちでコルを歩いていて突風に飛ばされそうになる。 |
西穂直下の雪渓の降りではアイゼンをはく |
このトラバースも嫌だったのでアイゼンをはいた |
12時10分、とりあえず独標に戻りほっとする。デポしておいたストックもそのまま置いてあり一安心。これからは心配しなくてもいいように、荷札をつけて「西穂往復中、池原」とでも書いておく事にしよう。 独標には風の通らない場所がある。そこに陣取って待望の乾杯。1本だけ持ってきた鮭のトバが美味しかった。 12時30分、ピッケルをストックに代え、独標を後にする。緊張感がとぎれたのか乾杯のビールがよくなかったのか、もう少しというところで右足底の外側が岩にひっかかり足首を挫いてしまった。 しばらくうずくまってしまった。足を抱えながら「もし、もう誰も登ってこなかったらどうしよう?」と最悪の事をまず考えた。 痛みが引くにつれ「最終のロープウエイに間に合わなかったら山荘泊まりか?」となり、「捻挫がひどかったらしばらく山に行けないのだろうか?」となっていった。 |
誰もいない独標、この後右足首を捻挫 |
独標から下の広い雪渓を滑り降りる |
5分ほどで何とか歩けそうになったので靴ひもを締め直して足首を固定し、少しずつ降る。独標下の雪渓は痛みを我慢して登山靴を滑らせて降りた。 12時58分、西穂山荘に戻り、山荘前の板の間に座り込んだ。座り込むと足の痛さがぶり返す。来週末の御山谷の約束が心配だ。 休んでいても痛みは取れない。13時16分、西穂山荘を後にした。足で滑った跡が沢山ある。歩くのも滑るのも痛さは同じなので滑って降りる。 |
西穂山荘で休憩 |
西穂高口駅から眺めた笠ヶ岳 |
13時46分、西穂高口駅に戻る。屋上に出る元気もなく、待合室のベンチで14時のロープウエイを待つ。 横に座っていたおばさまが何処で滑ってきたのか尋ねて来る。「登山です」とだけ答えた。(だいたい、スキーなんて持っていないだろう、ストックは持っているが...) こちらのイライラが伝わったのかそれ以上何も聞いてこなかった。「すみませんでした」 今まで気がつかなかったが改札口の横にも出入り口があるようだ。次回からはここから出入りすることにしよう。 |
巨大なロープウエイ鉄塔 |
2階建ロープウエイとのすれ違い |
捻挫した割には早い帰りで、時間をもてあます。ウインディーでコーヒーを飲み、神岡の街で清水屋のラーメンを買う。 家に帰ってからプールに行って足を冷やすことにする(?)。足首が痛くてバタ足は出来ず、プルブイを使って腕だけで泳いだ。 いつも不思議に思うのはバタ足を使っても使わなくてもタイムが変わらない事だ。プルとキックのコンビネーションが悪いのだろう。 |
しらかば平でロープウエイを乗り換える |
新穂高温泉バスターミナル |
後日談 翌日、医者に行ってギブスの人となる(^_^;) 山はしばらくお預けで、楽しみにしていた御山谷滑降は来年に持ち越し。 復帰は連休から...(の予定です...) |