奥丸山



奥丸山から望む北穂高岳(2005年11月5日撮影)

所在地岐阜県上宝村
新穂高温泉
登山口
アプローチ神岡より車で40分、新穂高温泉
登山口標高1100m
標   高2440m
標高差単純1340m
沿面距離往路9.4Km 復路11Km
登山日2005年11月5日
天 候快晴
同行者単独
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
新穂高温泉(1時間15分)ワサビ平(15分)小池新道分岐(不明)奥丸山(1時間)槍平(2時間)白出沢(1時間30分)新穂高温泉
コースタイム新穂高温泉(1時間15分)小池新道分岐(52分)中崎尾根(1時間13分)奥丸山<休憩1時間>(20分)槍平(1時間10分)白出沢(1時間)新穂高温泉
合計6時間51分<休憩1時間含む>


 神岡の魔女達から奥丸の裏道を教えてもらう。仕事中も気になってしょうがない。会社のためにも早く行かなくてはならない。と、思った。
 悪天の続く週末の中で唯一晴れた11月5日、決行。心意気とは裏腹に八尾を出たのが8時過ぎで、新穂高温泉を出発したのは10時だった。


新穂高温泉バスターミナルを出発(10時0分)
 

蒲田川左俣林道入り口
 
 流石にちょっと遅すぎると反省。6時スタートがベストで、遅くとも8時だよな〜と思いながらバスターミナルから橋を渡り蒲田川左俣に入る。
 ロープウエイの有料駐車場はもういっぱいのようで、係員がバスターミナルの前で車を右岸の駐車場に誘導していた。
 その右岸の駐車場から出てきた集団が「ロープウエイの乗り場へはどう行けばいいんですか?」と聞いてきた。
 「多分、この先にロープウエイの乗り場に続く橋があるはずですが...」と、渡ったことがないので自信を持って答えられない。


ワサビ平小屋はもう閉鎖されていた
 

紅葉の終わった林道を行く
 
 ホテルニューホタカの前を通り、左俣林道に入る。季節が悪いのか、時間帯が遅いのか登山者は見あたらない。
 堰堤の連なった穴毛谷の奥に見える笠ヶ岳が白い。この週末に群馬の山岸が笠ヶ岳に行くような話をしていた。向かっていれば苦戦しているかもしれない。


橋を左岸に渡り最初のヘアピンカーブが入口
 

登山道の途中で見た大きな栂の木(?)
 
 冬季閉鎖されたワサビ平小屋の前でコーヒー用の水を汲む。人の声に林の中を見るとキノコ狩りのおばさまだった。
 モタセでも採っているのかと訊ねると「モタセというキノコはありません。それは俗称でこれがクリタケ、これがシメジ、これが???...」と教えてくれた。だがほとんど忘れしまった。


振り返ると抜戸岳と、その左肩に笠ヶ岳
 

中崎尾根に出ると目の前に穂高連峰が広がる
 
 11時15分、ロープが張ってある橋に着く。橋を渡らず右岸をそのまま行くのが小池新道で鏡平へと続いている。
 橋を渡って右に曲がったところが広場になっていて、山小屋の人達の駐車場になっている。その先は土盛りしてあって車は入れないようになっていた。
 その車が入れない林道を100m程行くと左へ曲がるヘアピンカーブになっている。分かりにくいがそこが新しい登山道の入口だった。
 斜面を削った跡が、まだ草も生えていないほどの新しい道だ。下丸山を右から巻くように少しずつ標高を上げていく。


槍ヶ岳と大喰岳
 

中岳と南岳
 
 最初に渡った沢が下丸沢で涸れ沢だが渡ったすぐ下流から伏流水が流れ出していた。次の沢は小さな涸れ沢で登山道と間違えやすいので注意が必要だ。
 二つの沢を越えたあたりから徐々に斜度が増してくる。登山道はジグを切って真っ直ぐ上に向かっている。明瞭ではないが尾根沿いを辿っているようだ。


北穂高岳と北穂ドーム
 

涸沢槍、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム
 
 振り返ると抜戸岳が正面に見え、その左肩に笠ヶ岳が頭を覗かせている。雲一つないいい天気だ。出発が遅れたのを悔やみながら、ガスがかかる前にと、先を急ぐ。
 12時7分、尾根に出た。正面に穂高連峰が広がる。


天狗の頭、間ノ岳、西穂高岳
 

焼岳と遠くに乗鞍岳
 
 中崎尾根には立派な縦走路があった。奥丸から降ってくると右への降り口を見過ごして通り過ぎてしまいそうで注意が必要だ。
 しばらく雪をまとった穂高連峰の景色を堪能した後、奥丸山へと中崎尾根を辿る。右に穂高連峰、左に笠ヶ岳、抜戸岳などを望みながらの縦走は1人ではもったいないほどの贅沢さだった。
 途中で黄色い鉄板に「奥丸山へ1Km」とあったのが唯一の標識だった。


双六岳もその長い尾根を見せている
 

ヴォルカーノ山岳会の2人
 
 13時20分、あっさりと奥丸山頂上にでる。そこにいた男性2人は変な方向から登って登山者に、驚いているようだった。
 金沢からの登山者で、ヴォルカーノ山岳会との事。ヴォルカーノはイタリア語で「火山」という意味だそうだ。1人はその会長さんらしい。
 今晩は中尾温泉に泊まると言う。「じゃー明日は焼岳(火山)ですね?」 「そのつもりだったんだけど天候がねー」と残念そうだった。


槍平への降りには雪が残っていた
 

槍平小屋も今シーズンは営業終了
 
 2人に裏道を教えると興味を示し、結局そちらから降って行った。尾根道からの降り口を見逃して行きすぎないことを祈った。
 人の心配をしているほどこちらも時間的に余裕があるわけではない。食後のコーヒーもそぞろに14時20分、頂上を後にして反対側の槍平に向かう。


滝谷から眺める北穂ドーム
 

白出沢出合から眺めるジャンダルム
 
 14時40分、奥丸山から槍平まで20分で駆け下りる。(これがよくなかったようで、後で右膝が痛み出す)
 途中で男性の登山者に出会い、びっくりさせられた。「今からどちらまで?」に「ちょっと奥丸山まで」。
 槍平にテントでも張っているのかと思っていたがテントはなかった。多分、帰る頃は真っ暗だろう。


落ち葉に埋もれる蒲田川右俣林道
 

穂高平避難小屋
 
 越冬のために閉館している槍平小屋を通りすぎ、白出沢出合を目指す。歩きながら、”何処よりも歩き慣れた道”になっていることに気がついた。
 南沢を過ぎ、滝谷を過ぎ、チビ谷を過ぎる。このコースは沢越えがチェックポイントになっていて、どの辺を歩いているのかが分かる。
 15時50分、白出沢出合に到着。


穂高平から眺める白出のコルと白出沢
 

新穂高温泉に到着(16時51分)
 
 いつ来ても、この林道に降り立つとほっとする。林道歩きは退屈だが危険なところもなく、体力を消耗していても、ただ歩くだけで登山口に戻ることが出来る。
 落ち葉を踏みしめながら歩いているとき、右膝に痛みを感じ始めた。下廊下に引き続き、又、右膝をやられたようだ。今回は平坦な道でも痛い。歩き方が雑になっているのだろうか。気をつけよう。
 16時51分、新穂高温泉に到着。ロープウエイ駅の照明の明るさを見て、日が短くなったことに気づく。そろそろ雪山に気持ちを切り替える季節なのかもしれない。


奥丸山裏コースのルートイメージ
(GPS等で計ったものでなく登った時の記憶を頼りに書いたコース図なのでご注意)


 2006年6月に登ったときのGP軌跡 前回のイメージにかなり近い