黒部川下廊下 |
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所在地 | 富山県立山町、宇奈月町 | |
黒部ダム | アプローチ | アルペンルート黒部湖駅もしくは黒部ダム駅 |
黒部ダム標高 | 1455m | |
阿曽原温泉標高 | 855m | |
標高差 | 単純(−)600m 累積(+)1060m 累積(−)1660m | |
沿面距離 | 16Km | |
登山日 | 2005年10月22日 | |
天 候 | 曇り後雨 | |
同行者 | 長勢、岸 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) |
黒部ダム(20分)ダム下の橋(40分)内蔵助出合(1時間40分)黒部別山谷出合(1時間40分)十字峡(2時間)東谷吊橋(15分)仙人ダム(1時間10分)阿曽原温泉 合計7時間45分 | |
コースタイム |
黒部ダム(15分)ダム下の橋(37分)内蔵助出合(1時間30分)黒部別山谷出合(1時間8分)十字峡(1時間21分)東谷吊橋<休憩10分>(13分)仙人ダム(1時間12分)阿曽原温泉 合計6時間30分<休憩20分含む> |
「下廊下、下廊下」と騒ぎ過ぎたのか、行くのか行かなのか分からないような人まで集まってきた。3日かけても行けそうもない人達もいて、分裂パーティーになりそうである。この話はなかったことにして単独で行くことにした。 そこへ群馬の山岸が行きたいと言ってきた。ならばと、北鎌の連中に声をかける。前日になって中嶋が不参加となった。 さらに山岸が仕事の都合で行けなくなり、翌日宇奈月から入って途中で会うことになり、3人での山行きになった。 |
黒部ダムの上を行く長勢と岸 |
下から見上げた黒部ダム |
立山駅に6時半集合。6時40分のケーブルに乗る。ケーブルカーから始まり、5つの乗り物を乗り継いで9時15分、黒部ダム駅に降り立つ。 ここまではコースタイム通りだった(?) ダムを横断して関電の黒部湖駅へと向かう。トンネルの途中で左に曲がり、外に出る。そこが黒部川へ降る下廊下の入口である。 左に折り返し次の右への折り返しで単純なミスをした。右へ折り返す道の他に真っ直ぐ行く道もある。標識に右側が「旧日電歩道」とある。真っ直ぐが「新日電歩道」かと思い、直進してしまったのである。もちろん「新日電歩道」などあるわけもなく、引き返しす事となった。 |
ダム下に架かる橋 |
紅葉の中を行く岸 |
下まで降りると小さな小屋があった。いきなり小屋の中から人が出てきてびっくりする。小屋の人もこんな遅い時間に誰だろうと思ったとの事。 黒部川に降り立つとコンクリートで出来た堰堤のようなものの上に木の板で作られた橋が架かっている。ここから見上げる黒部ダムは非現実的な構造物で、距離感も大きさも分からなかった。 |
内蔵助谷に架かる橋 |
このあたりの橋はまだ立派 |
登山道は黒部川の左岸を行く。小さなアップダウンが多く、出発前のイメージとは大分違う。ストックを持ってくるべきだった。 内蔵助谷を渡る。内蔵助谷か内蔵助平へ出てハシゴ谷乗越を越えれば剱沢だ。内蔵助平から左に折れて行けば真砂岳に至る。 |
丸太3本の橋が多くなる |
登山道は徐々に河原との標高差を広げる |
登山道は徐々に河原との標高差を広げてくる。河原と離れるにしたがって岩肌にへばりつくようになり、下廊下の雰囲気が出てくる。 時間さえあれば、登山道ではなく河原を歩いてみたくなる。その昔、冠松次郎が彷徨った黒部は登山道もなく、素晴らしい峡谷だっただろう。 |
冠松次郎でなくても彷徨ってみたい峡谷だ |
ふと立ち止まる真っ黒猫(長勢) |
テン泊用の70リットルのリュックのバランスが悪く、体が振られる。コンビニで買ってきた水分やビールがリュックの上の方にあるからだ。パッキングミスだった。 小休止を入れて重いものをリュックの中ほどに集める。ついでに缶ビール2本を空にして荷を軽くする。対岸に見える新越沢の滝が美しい。 |
雨の中を行く先行パーティーに追いつく |
先行パーティーに道を譲ってもらう |
黒部別山谷に降りると何組かのパーティーが休憩していた。雨が降り出していたので雨具を身につける。その間にスタートしていったパーティーにはすぐに追いつく。 河原からの距離も開いてきて、写真で見る下廊下になってくる。13時5分、十字峡に到着。2段になった広場があり、テントは6張りぐらいは張れそうだ。 |
歩いて来た道を振り返る長勢 |
これを登山道と言ってもいいのか? |
下の広場から十字峡に降りる道がある。実際には道とは言えないぐらいのものだが、皆それを辿って降りているようだ。 下の岩の棚からさらにトラ縄が張ってあって降りられるようになっていたが雨で危険なので棚の上から眺めるだけにした。 |
このあたりの谷幅は狭い |
遡行するとしたら泳ぐしかない? |
この棚に降りるときに右膝に痛みを感じた。若者達に引っ張られて歩いて来て、右膝をやられたようだ。全行程のまだ半分も歩いていない。 だましだまし行くしかない。水平道は何ともないが登りや降りが入ると辛い。特に降りが辛く、足が思うように出なかった。 |
この下は100m以上の断崖絶壁 |
岩で出来たスノーシェッド? |
対岸に黒四発電所からの送電線の出口が見えてくる。近づいてみると写真で見ていたイメージよりかなり大きい。 S字峡を降り、細い吊り橋を渡って一段上がるとコンクリートで作った大きな構造物がある。関西電力の施設のようだ。そしてここから仙人ダムまでは自動車道路となる。 |
黒四発電所からの送電線出口 |
仙人ダム |
仙人ダムを渡りトンネルをくぐり抜けると、今はあまり使われていないという大きな宿舎があった。そこからしばらく登りとなる。 ここからの水平道は小さなアップダウンが続く。阿曽原峠を越えて行く仙人谷への分岐から右に折れて一気に阿曽原へ降る。右足が前へ(下へ)出ない。 |
阿曽原温泉小屋 |
阿曽原温泉のテント場 |
2人より5分ほど遅れて阿曽原温泉に降りきった。2人は小屋から差し入れでもらったという缶ビールを持って待っていた。長勢はここでも顔がきくらしい。テン場に降りてまずは乾杯。 このテン場は昔の工事用に造られたもののようだ。テントを張ったすぐ横に仙人ダムからのトンネルの出口があった。 長勢が「ここを通れば5分で阿曽原に行けるんだが、鍵がかかっているから...」と言っていたトンネルだ。だが鍵はかかっていなかった。 |
50m程下にある阿曽原温泉露天風呂 |
夕食の宴 この上にはシートが張ってある |
阿曽原温泉の露天風呂はこのテン場から50m程下にあり、1時間交替で男と女の入れ替え制になっている。 長勢が持ってきた青いビニールシートをテントの入口の上に張った。これで雨が降っても宴会が出来る。実際雨が降り、助かった。 |