白木峰



白木峰頂上から白木峰山荘と仁王山を望む(2005年5月5日撮影)

所在地富山県八尾町、岐阜県宮川村
21世紀の森登山口 アプローチ八尾町より車で40分
登山口標高650m
標   高1596m
標高差単純946m
沿面距離片道5.7Km
登山日2005年5月5日
天 候
同行者単独
参考コースタイム
 富山県の山(山と渓谷社)
駐車場(40分)白木峰頂上(30分)駐車場
コースタイム 21世紀の森(43分)登山道入口(55分)駐車場(30分)白木峰頂上<休憩1時間7分>(12分)駐車場(31分)自動車道路(29分)21世紀の森
合計4時間29分<休憩1時間7分含む>


 前日に親戚の葬儀で埼玉まで日帰りした。高速道路を利用したとはいえ、往復900Kmは疲れが残った。右足首のテーピングもアクセルを踏むには辛かった。(←自業自得)
 朝6時に目が覚めてからもしばらくは動く気がしなかった。このままでは1日が終わってしまうと、とりあえず山の準備をして9時頃に家を出た。
 駐車場へ行く途中で近所の篠川さんの奥さんと出会った。旦那さんが白木峰に行ったと言う。その瞬間、今日の山が決まった。


21世紀の森から先は通行止め
 

21世紀の森の上から遊歩道にとりつく
 
 「21世紀の森」の入り口近くに温泉が出来ていた。白木峰登山の帰りの休憩場所としていい施設が出来た。帰りに寄ってみよう。
 白木峰の林道は21世紀の森で通行止めになっていた。車を利用しないで下から歩いてみたいと思っていたので絶好のチャンスだ。
 21世紀の森の駐車場に車を止めて管理棟の人に登山口を尋ねる。遊歩道から林道に出て、登山口に入るそうだ。篠川さんという人が1人登っていると言う。
 登山者の名前が分かり、見ず知らずの人にその名前を教えるというのは、何とも不思議な管理人だ。


すぐに林道に出る
 

林道は崩壊と土石で復旧に時間が必要
 
 10時16分、遊歩道にはいると、すぐに林道に出る。林道は所々に岩が落ちていた。根の付いた灌木ごと落ちてきている所もあった。
 昨年の台風の影響らしいが路肩が落ちているところもあり、復旧には時間がかかりそうだ。車が上がれなくなると歩く距離が長くなり、登山者は減るかもしれない。だが、その方が山としての威厳、風格が上がるだろう。頂上のアンテナがなくなった今、林道の必然性もない。


それでも自動車のタイヤの跡があった
 

登山口入り口(860m)
 
 この日に見た花はイワウチワ、イワカガミ、ミツバオウレン、ショウジョウバカマ、ムシカリ、タムシバ、マンサクだった。登山口付近ではキケマン、タチツボスミレなども咲いていた。
 春の花は撮るのが難しい。バックに枯れ葉などが写って写真が汚くなるからだ。歩きながらシチュエーションのいい花を見つけるのは難しい。


ショウジョウバカマ
 

タムシバ
 
 ショウジョウバカマも背丈のある花で、葉は名前の由来どおり、袴(はかま)で地面に広がっている。背丈の短い花を探さないとうまく写せない。
 背丈の短い花をみつけても大抵、廻りは枯れ草で覆われていて、後で写真を見てがっかりすることになる。今回も背丈の短い花を見つけたのだが廻りが騒々しくて落ち着いた写真にはならなかった。
 ちなみに名前の前半分、猩々(しょうじょう)とは「形は猿、顔は人に似て大酒飲み」という中国の架空の動物である。ピンク色の花は酒を飲んで赤くなった顔だとしたら、ちょっと不名誉な名前である。


オオカメノキ(ムシカリ)
 

イワウチワ
 
 ショウジョウバカマを撮っているとき、下から物音がした。一瞬、熊かと思ったが人だった。金沢から来たというスキンヘッド男はウエストポーチにスニーカーという出で立ちで、手に「富山県の山」を持っている。かるく追い越されてしまった。
 クマザサときれいなブナ林のなだらかな道がしばらく続き、少し降ると登山口の駐車場(標高1300m)の横に出る。だが駐車場やトイレは灌木に隠れて見えない。
 ここからはいつもの夏道となる。一気に標高を稼ぎ、林道を横切る。所々に雪渓が残り、夏道をはずしながらその上を歩く。


ブナ林を行く
 

駐車場付近から林道を望む
 
 ここが最後と思われる雪渓で缶ビールを冷やすための雪をビニール袋に詰める。
 12時24分、白木峰頂上に立つ。だが、篠川さんがいない。スキンヘッド男に聞くと南の方の小ピークに人がいると言う。行ってみると篠川さんだった。
 挨拶を交わした後、あらためて私に気づいて驚いていた。こんな所で会うとは思っていなかったようだ。
 1人宴会に参加させてもらい、2人宴会となった。冷やすのに時間がかかったが冷たいビールは頂上では最高だ。篠川さんは2本目の栓を抜いていた。


頂上の南側にある観音像
 

春霞に煙る金剛堂山
 
 今年70歳を迎えるという篠川さんは、70日間を山で過ごすという誓いを立てたそうだ。連休中も精力的に大辻山や金剛堂山、夫婦山に登っている。
 「八尾山の会」というのがあって、そこに所属しているらしい。会の山行きに参加するのも大勢の人と楽しく登れるようで魅力を感じる。だが、私は多分、今後もどの会にも入る事はないだろう。


頂上で会った篠川さん(ご近所さん)
 

登山道の花は疲れを癒してくれる
 
 あっという間に時間が過ぎた。篠川さんは小白木から県境に降って帰ると言う。17時を過ぎてしまいそうだ。プールにも行きたかったので往路を戻ることにする。
 13時31分、頂上を後にした。スキンヘッド男は石版の上でトカゲをしている。
 雪渓を利用しながら(滑り降りながら)12分で駐車場まで戻る。林道までは31分で戻り、杉林をショートカットして林道歩きを一部省略する。
 14時43分、21世紀の森へ戻る。管理棟の人に戻ったことを報告した。監理人は表に出てきてくれて色々話をしてくれた。芦峅寺の人たちと熊を撃ちに行った話など興味深かった。大長谷の津田さんとおっしゃる73歳の方だった。


21世紀の森に戻る
 

21世紀の森にある建物のひとつ
 
 4月10日からオープンした温泉に寄った。入浴料が500円で、タオルは200円だった。売店で売っているのは地元で取れたすす竹とかコゴミゼンマイで普通の売店とは雰囲気が違う。朝市のようだと言えば分かってもらえるだろうか。
 内風呂の他に露天風呂もあるが全体的にはこじんまりしていて、洗い場は4つしかない。休憩室はフロント前の囲炉裏がある板の間と、その横に畳の間がある。
 ジュースの自販機はあったがビールはなかったようだ。残念というか飲酒運転への配慮であたりまえと言うべきか...


4月10日からオープンした温泉
 

温泉の休憩室には囲炉裏があった
 
 小さくても温泉は温泉。さっぱりと汗を流し、家路についた。帰ってからプールでシャワーを浴び、夕食後に又、風呂に入ったのは大倉山と同じ。
 年寄り趣味だと思われないためにちょっと弁解しておくと、登山後の温泉と、泳いだ後のシャワーと、食後の風呂は意味が違うのだ。
 と、言いつつ3回とも頭を洗ってしまった。癖というか習慣というか...