天蓋山 |
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所在地 | 岐阜県神岡町 | |
伊西トンネル 登山口 |
アプローチ | 富山市より車で2時間 |
登山口標高 | 1120m | |
標 高 | 1527m | |
標高差 | 単純407m 累積500m | |
沿面距離 | 3650m | |
登山日 | 2005年1月29日 | |
天 候 | 晴後曇り | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム | 伊西トンネル登山口(1時間7分)1365mピーク(58分)頂上<休憩15分>(40分)1365mピーク(1時間6分)伊西トンネル登山口 合計4時間16分<休憩15分含む> |
山行き日誌に天蓋山の予定を入れていたらメールが届いた。神岡の深雪さんからのもので、「夏道用の林道は冬期間閉鎖されていて、登山口まで車では入れない。山スキーをやる人は伊西トンネルから入山する。」との事だった。 カシミールで調べてみると伊西トンネルの標高は夏の登山口より高い。だがアップダウンがあり累積標高差は似たようなものだ。距離では1Km程遠くなっている。 天気予報で午後からくずれるのが分かっていたのに家を出たのは8時過ぎだった。真っ青な空の下、神岡へ向けて車を走らせる。 |
伊西トンネル山之村側に車を停める |
トンネル横から取り付く |
神岡の街を過ぎてから山之村へ抜ける伊西トンネルへの分かれ道を探す。標識ぐらいあるだろうと標識だけを頼りに車を走らせる。だが、標識はなかったようで行き過ぎてしまった。 かなり行ってから変だと気づき、散歩している人に道を確かめた。今来た道を引き返し、教えてもらった骨董品屋で右折する。15分ほど時間を無駄にした。 山之村へ向けて標高を上げていく。途中の分岐点で右にまがる。左へ行くと廃村となっている三井金属神岡鉱山の街だ。私の育った大津山も同じような運命を辿った街だった。 |
トンネルからは尾根沿いを行く |
道らしいものがあったが上にアンテナがあった |
標高を上げるに連れ道路は圧雪状態となり、四駆に切り替える。空には雲も出てきてロスした時間が悔やまれた。もっと早く家を出ていればよかったと思ったが手遅れだ。 アドバイス通り伊西トンネルを抜けて大きく右にカーブしている道路上に無断駐車。道幅は広かったがやや気が引けた。 昨日購入してきたばかりのスノーシューを履く。ワンタッチ式なので革靴との相性が心配だったが、細引きも持っているし、なんとかなるだろうと予備のかんじきは持たない事にする。 スノーシューのためにプラブーツを履くのでは小型で軽めのものを買った意味がない。簡単にはずれないことを祈った。 |
南側に神岡町や流葉を望む |
北側に剱岳、立山、薬師岳を望む |
9時30分、ロータリー除雪車でスッパリ切れ落ちた壁をよじ登ってとりあえず伊西トンネル上の尾根を目指す。 左に見える沢は深そうなのでトンネルの上の尾根沿いに登る。急登なのでスノーシューの踵をフリーにしてリフトを立てる。はずれることもなく足裏にピタリと付いてきてくれた。 途中で左上に上がっていく道のような跡があったのでそれを辿る。左側の沢と合流して小さなコルに出た。そこにはアンテナが立っていた。 コルの向こうに神岡の街と流葉スキー場が見える。コルからは尾根に沿って灌木を避けながら東進する。コルまでの北斜面は膝ぐらいのラッセルだったが尾根沿いはすねぐらいでラッセルと言うほどのものではない。 |
踵フリーに出来てリフトもついている |
ようやく天蓋山が見えてくる |
右から吹き付けてくる南風が不気味だ。天気図は見てこなかったが、この時期に強い南風が吹くのは日本海側に発達した低気圧があるからだろう。大きな寒波がやってきそうだ いくつかのピークを越えると遠くにピラミッドのような山が見えてきた。遠くに見えるので桑崎山か大鼠山かもしれないと思ったが、何のことはない目指す天涯山だった。 細尾根のアップダウンを繰り返す。雪庇に注意とのアドバイスだったが雪庇が大きくなるのは2月から3月にかけてのようだ。 10時37分、1365mピークに到達する。ここからは広い谷を挟んで天涯山が目の前に見える。地図を見た時に嫌な場所だと思っていたが実際にはそれ以上にコース取りが難しかった。 |
1365mピークからはルートが難しい |
天蓋山頂上から東側を望む(11時45分) |
まず、下に広がる谷が左右どちらに流れているのかよく解らない。幾重にもなって広い谷底が東西南北に波打っている。 第一感は右に見える伐採跡まで降りてその斜面を登り、尾根づたいに頂上を目指す案だ。だが谷が深そうな気がして却下。(実はアドバイスはこのコースだったが覚えていなかった) 1365mピークから杉林を左に巻くコースは一番標高を落とさないコースに見えたがなんとなく嫌な感じがして却下。 とりあえず杉林を避けて右に降り、杉林を左に見ながら複雑に波打っている灌木林を東進する。一番深いと思われる谷を越えてからは小尾根を拾いながら標高を上げていく。 左側に一段と高くなった尾根が見えたので帰りはそちらを辿ろうと思った。1365mピークから左側を巻くルートに出るかもしれない。 結果的に一番近いコースから登ったようだが、帰ってから読み直したメールには「直進するコースはロケーション的にお勧め出来ない」と書かれていた(^_^;) |
北側に池の山や六谷山、長棟峠(廃道)を望む |
木に下がったツララ |
11時45分、頂上に立つ。何もない頂上は風が強くてすぐ引き返す。少し降りた北斜面で休憩。缶ビールを忘れていた事に気づく。 チェックリストの蘭に忘れたら危険な目にあうものの一つに缶ビールを掲げている。実際、ショックを受けて、かなり危険な状態だった(^_^) 12時、右の尾根から降りてみようと思ったが伊西の集落に降りてしまいそうな気がしてやめた。結局、登ってきた西尾根を降る。 スノーシューの踵をフリーにしてみたり固定してみたりしたが降りではその違いは感じられなかった。 |
宿り木に栄養分を吸い取られて折れた枝 |
天気予報は雨だったがこの標高では雪 |
気温が低くなり、午前中のラッセル跡が堅くなっていた。プラスチックのスノーシューはかんじきほど強靱ではなく、はずれるのも嫌なので踏み跡を避けながら歩く。往復とも新雪を歩いたようなものだった。 意外にアップダウンがあり、最後はヘロヘロになりながら歩いた。トンネルの出口へは沢沿いを降る。スノーシューはかんじきと違ってスキーのように滑り降りることが出来るようだ。 |
神岡鉱山の排砂ダム |
宇宙ドーム(道の駅)にある手作りパン屋さん |
13時46分、伊西トンネル出口に到達する。缶ビールを忘れたショックで鱒のトバを一本かじっただけだったので喉が渇いてお腹が空いていた。 神岡の街に降り、全国的に有名(深雪さん談)な「たからや」さんでとんちゃん(モツ)を買う。そのお店でまだやっているラーメン屋さんを探してもらったが全て営業時間外だった。あちこち電話をかけていただいてありがとう。 道の駅(宇宙ドーム)に戻り、蕎麦を食べ(ラーメンは営業終了)、チーズがとろける焼きたてのパンを食べる。 蕎麦はともかく、パン焼き窯から出たばかりのパンは舌を火傷するくらい熱く、そして美味しかった。 |