剱岳(別山尾根)



剱沢から剱岳を望む(2005年7月9日撮影)

所在地上市町、立山町、宇奈月町
  室堂 アプローチ立山駅よりケーブル、バスで約1時間10分
登山口標高2425m
標   高2998m
標高差累積往路1100m 累積帰路530m
沿面距離7300m 往復14600m
登山日2005年7月9日
天 候曇り後雨
同行者深雪、夏江
参考コースタイム
富山県の山(山と渓谷社)
室堂(2時間30分)別山乗越(4時間10分)剱岳(4時間)別山乗越(1時間50分)室堂
合計12時間30分
コースタイム(一服剱までの往復)室堂(1時間48分)別山乗越<休憩10分>(37分)剱山荘<休憩8分>(23分)一服剱<休憩47分>(23分)剱山荘<休憩5分>(1時間23分)別山乗越<休憩5分>(1時間25分)室堂
合計6時間57分<休憩1時間14分含む>

 以前から約束していた剱岳ツアーが、急に実現することになった。「お友達を槍ヶ岳にご案内する予定が1週間延びたので剱岳に行くことにした。ついては案内頼む...」みたいな流れで話がこちらに向かってきたのだった。
 土曜日に行きたいという。別の仲間との日曜日の錫杖岳を決めたばかりだった。体力的に不安が残るがお嬢様方の願いを断るわけにはいかない。何とかなるだろうと引き受ける。


ターミナル屋上で準備を終えた深雪、夏江
 

雪は例年よりかなり多い
 
 朝5時40分、41号線のキャロット(スーパー)の駐車場で待ち合わせる。神岡からなら小1時間ほどだ。1台に荷物をまとめ立山駅に向かう。
 6時40分のケーブルで美女平に向かい、7時のバスで室堂に向かう。晴れてはいないが薬師岳や大日岳、そして剱岳もよく見える。
 高曇りの中、7時52分、室堂ターミナル屋上を出発する。今年は雪溶けが遅く、地獄谷への階段の一部にまだ雪渓が残っていた。


地獄へ向かう2人(?)
 

浄土沢を上流へ150m程辿って雪渓を渡る
 
 昨年、彼女たちとは奥丸山へいっしょに登り、翌週、偶然に黒部五郎小屋でいっしょになった事があった。それ以来である。
 浄土沢の橋はまだ架かっていなかった。上流へ150m程迂回し、雪渓を利用して渡る。沢を渡った後はしばらく雪渓を歩き、夏道にとりつく。
 雪渓のある季節は直登した方が早いが、夏道を歩いた方が疲れないようだ。キヌガサソウやハクサンイチゲが群生していた。


雷鳥沢の雪渓を軽快に登る2人
 

別山乗越から大日岳を振り返る
 
 途中で小休止を入れながらも9時40分、別山乗越に出る。振り返ると大日岳から天狗山、浄土山にかけての残雪の紋様が面白い。
 穂高方面では見かけない景色のようで、2人共感激していた。2人は神岡在住で穂高がホームグラウンドなのだ。
 別山乗越から剱岳を望む。 遠い...遠すぎる...2人の後ろ姿はそう叫んでいた。


別山乗越からの剱岳
 

剱沢を足スキーで降る2人
 
 剱沢を半分滑りながら降り、10時27分、剣山荘に到着。小屋に荷物をデポして行くと言い出す。乾杯用のビールとつまみだけは持って行く事を許してもらった。
 別山尾根からの剣岳は残雪期ばかりだったので、雪のない夏道に新鮮な感動があった。


剣山荘玄関
 

お花畑で...の2人
 
 10時57分、一服剱に立つ。目の前にそそり立つ剱岳...と2人は思ったらしい。それをバックに記念写真を撮る。だがこれは剱本峰ではなく前剱なのだ。
 前剱まで登れても、その後が辛いだろう。時間的にも難しい。乾杯して小宴会に入る。


一服剱で万歳。 だが万歳をしてしまうと
 

何故かそこが最終地点なってしまったりする
 
 前剱まで登れば全体が解るのだが、今日はここまでとして後は想像力を働かせてもらう事にする。
 初めは悔しそうだったがビールを飲んでからは意外にあっさりと諦めて次回は早月尾根だとか言っていた。なんと言っても時間に追われないのがいい。24時前に帰れば日帰りだ。


手前が今夏登攀予定の源次郎尾根

剱岳の偵察に満足して(?)剱山荘へ戻る2人
 剣山荘に戻ってデポした荷物をまとめ、12時10分、別山乗越を目指す。道なりに歩いたつもりが剱御前の巻き道の方に入ってしまい雪渓のトラバースになってしまった。
 途中でアイゼンをはく。トラバースを終えたところで夏江はアイゼンが重いと言ってはずしてしまい夏道を拾う。深雪はそのまま別山乗越まで雪渓を辿った。


ご自由にお飲み下さい(水だけ)
 

剣山荘フロント
 
 別山乗越で一息ついているときに雨が降り出した。大したことはないだろうと雨具の上着だけをリュックの上から羽織る。2人は雨具を上下とも着てリュックカバーもつけている。
 案内人の方がいい加減なようで気が引けた。


アイゼンをはいて雪渓を行く2人
 

別山乗越から雨が降り出す
 
 雷鳥沢の降りはガレたシグザグの道が歩きにくい。雪渓の残っている季節の方が体力的にも時間的にも断然有利だ。
 朝方工事中だった浄土沢の橋は完成していた。それを渡らせてもらいキャンプ場を横切り、地獄谷へと向かう。
 ここが一番辛いと言う人もいる地獄谷からみくりが池への階段を登る。このあたりで雨と風はかなり強くなっていた。


朝方工事中だった橋は完成していた
 

戻った頃は雨風が強く、早めの撤退が正解
 
 15時5分、室堂ターミナルに戻る。頭が痛いという夏江のためにすぐ下山することにする。15時20分のバスに乗り、下界に向かった。
 次回は早月尾根から挑戦すると言う。これに懲りずに又、別山尾根からも挑戦してください、神岡のお嬢さん達。


シナノキンバイ
 

ハクサンイチゲ
 

ミヤマキンバイ
 

アオノツガザクラ
 

キヌガサソウ
 

クロユリ
 

イワツメクサ
 

コバイケイソウ