奥丸山 |
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所在地 | 岐阜県上宝村 | |
新穂高温泉 登山口 |
アプローチ | 神岡より車で40分、新穂高温泉 |
登山口標高 | 1050m | |
標 高 | 2440m | |
標高差 | 単純1390m | |
沿面距離 | 往路9.4Km 復路10Km(?) | |
登山日 | 2006年6月3日 | |
天 候 | 快晴 | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム | 新穂高温泉(1時間44分)小池新道分岐(1時間51分)中崎尾根(1時間4分)奥丸山<休憩1時間>(23分)引き返し地点(38分)奥丸山(27分)中崎尾根分岐(1時間10分)小池新道分岐(1時間8分)新穂高温泉 合計9時間45分<休憩1時間、彷徨1時間含む> |
奥丸山の新しい登山道のGPSデーターが欲しかった。昨年(2005年)11月に出来た新しいルートだ。 昨年の11月5日に登ったとき、GPSを持っていなくて想像で新ルートをアップしたままになっている。そのままにはしては、おけない。 |
新穂高温泉と穴毛谷 |
蒲田川左俣のゲート |
7時前に家を出て41号線を南下する。八尾から新穂高温泉まで、車で1時間半。無料駐車場に車を停め、8時32分出発する。相変わらず足は重い。 8時40分、新穂高温泉バスターミナルから橋を渡って蒲田川左俣に入る。一番奥にあるホテルニューホタカは休館中のようだ。 そこから先は一般車が乗り入れ禁止になっている。落石注意の看板を横目に林道をたどる。 |
4月の雪崩で4人の犠牲者を出した穴毛谷 |
笠新道登山口 |
左側に奥行きのある穴毛谷が見えてくる。4月の雪崩で亡くなられた方達がまだ見つかっていない谷だが、今日は妙に明るい。 道端にはフキノトウと開いてしまったコゴミが見えるだけで、目を楽しませてくれる花もない。退屈な林道歩きが続く。 |
営業前のワサビ平小屋 |
雪崩に流されたおびただしい数の倒木 |
小池新道手前の雪渓で大きな雪崩があったようだ。流された倒木で蒲田川が埋まっている。 何百本という数で、中には幹の直径が40cmほどもありそうな大木もねじ切られている。こんな雪崩に巻き込まれたら人間なんてひとたまりもないだろう。 |
何百本あるか分からない倒木 |
直径40cm以上の木もある |
この雪崩が蒲田川を覆い尽くし対岸に達していたので、ショートカットしようかと思った。が、穴があいて川の流れが見えるところもあり、安全を期して橋を渡ることにする。 10時25分、橋を渡り、100m程直進すると林道は右に曲がる。曲がったところが広場になっていて山小屋関係(だけではないようだが)の人達の駐車場になっている。 そこから先は土盛りがしてあって車は入れない。 |
小池新道登山口から蒲田川の上流を見る |
左岸林道の曲がり角が登山口 |
土盛りを越えた150mほど先がヘアピンカーブになっていて、そこが登山口(標高1500m)である。黄色い杭が打ってあり、NO.1と書かれていた。 これは中崎尾根まで続き、最後は雪渓の中に隠れていて見えなかったが、多分160番ぐらいだと思う。 この番号を見て、もうすぐだと思うか、まだまだだと思うかは人それぞれの性格か?体力か? 下丸山を巻くようにして標高を上げていく。 |
昨年の11月に完成したばかりの登山道は |
まだ踏み込まれていないのでこんな状態 |
下丸山を巻いた後は水平道となり沢を4本渡る。最初は下丸山と奥丸山の間を流れる大きな下丸沢。次は涸れ沢で、3本目は水量が多い。 そのすぐ横に4本目の沢がある。この沢は夏場は涸れ沢になっているかもしれない。100m程の間に4本の沢があり、最後の水場でもある。 |
1800mを越えると雪渓が現れてくる |
振り返ると笠ヶ岳や抜戸岳が |
ここからは急斜面となるが、ジグが切ってあり、急登という感じはない。まだ新しく、踏み込まれていないので路肩が弱い。何ヶ所も崩れていた。 1800mあたりから雪渓が現れてくる。出来たての細い道は分かりにくく、雪渓が切れるたびに夏道を見失わないように気をつける。 |
中崎尾根に出ると正面に穂高連峰が広がる |
中崎尾根登山道はまだ雪の下 |
12時16分、中崎尾根(2110m)に出ると、目の前に穂高連峰が広がる。山登りのご褒美としてこれほど分かりやすいものはない。
。 雨の日でも山登りは楽しい、とうそぶくが、晴れている日にはかなわない。 |
奥丸山頂上を視界に捕らえる |
奥丸山頂上 三等三角点と頂上の標識 |
中崎尾根は雪が多く奥丸山まで雪上歩行となる。右に穂高連峰、左に笠、弓折、抜戸を見ながらのスカイラインコースである。ただ、すぐに息が上がるのが情けない。 1551mの小ピークから15m程降り、トラ縄がはってある急登となる。奥丸山と下丸山があるのに丸山がない。この小ピークが丸山では? と、ふと思ったがすぐ打ち消した。ショボ過ぎる。 中崎山が丸山ではないかという説も聞いたことがあるが、それでは下丸山の位置関係が不自然だ。 |
左から南岳、大キレット、北穂高岳、北穂ドーム |
13時20分、奥丸山頂上。頂上には誰もいなかった。時間が遅いからだと思った。だが足跡がない。もともと槍平側(蒲田川右俣)からの登山者はいなかったようだ。 三角点のすぐかたわらまで雪があり、労せずに缶ビールを冷やす。1時間の休憩をコーヒーで仕上げ、予定通り槍平方面に向かう。 中崎尾根を来た方向と逆の方へ降る。雪が多く、夏道が分からない。一度分からなくなると地図を見ても不安になる。地図にある登山道がいつも正しいとは限らない。 |
左から北穂高岳、北ほドーム、涸沢槍、涸沢岳、奥穂高岳、ロバの耳、ジャンダルム |
沢は怖いし尾根は急である。降りられそうなところを探しながら中崎尾根をたどるうちに槍平小屋が見えなくなってしまった。 なんとなく降りられそうな気がして沢を降る。40m程降ったところではっと我に返った。疲れから思考力が鈍っていたようだ。 沢は落ち込んでいて先が見えない。アイゼンもピッケルもなく、こんな斜面ではストックは何の役にもたたない。体を支えているのは雪面に蹴り込んだ両足のカカトだけ。そのカカトも歩くときは片足になる。 道に迷った訳ではないが似たようなもの。疲れた体はこのまま降ろうとする。頭の中の危険信号は戻ろうとする。数分後、奥丸山に戻ることを決めた。 |
槍平から降るルートが分からず奥丸山に戻る |
中崎尾根からの分岐手前の標識 |
いつもの事だが、こういうときは体のダメージよりも心のダメージの方が辛い。15時23分、1時間のタイムロスで奥丸山に戻る。 GPSできれいな周遊コースを描く事が出来なくなったのが一番悔しい。年内のリベンジを誓った。 中崎尾根を直線距離で約1Kmたどったところから右に折れてワサビ平へと降るのだが、この分岐が分かりにくい。オオシラビソの木にピンクのテープが巻いてあるだけだ。 分岐の少し手前に「8.0Km新穂高へ」と書かれた黄色い標識がある。分岐はこれから数十メートル先なので、いい目安になる。右に降りる道は尾根筋からほとんど見えない。 |
中崎尾根分岐 ピンクのテープがあるだけ |
蒲田川左俣林道から眺める焼岳 |
中崎尾根からの降りは斜面が広く、夏道が何処を走っているのかまったく分からない。かすかに残った朝方のトレースとピンクのテープが頼りだ。雪渓が切れたときに夏道を見つけ出し、コースを修正しながら降った。 気がついてみると夏道は広い斜面の右端をたどっていた。かすかに尾根の形状をしている。この尾根を意識しながら降ればいい。 |
穴毛谷遭難者の情報提供依頼の看板 |
ホテルニューホタカは休業中 |
17時ちょうど、蒲田川の橋を渡り、17時18分、ワサビ平小屋を通過。夕日に染まりはじめた焼岳を眺めながら林道を降った。 18時26分、新穂高温泉に戻る。 昨年11月に52分で登り切った中崎尾根まで1時間50分もかかっている。前大日、笈ヶ岳、毛勝三山と辛い山行きが続いている。急激な体力低下が心配だ。(思い当たる節はあるが確信はない) |
槍平経由で新穂高温泉までトレースを描くはずだった |
2006年6月(今回)歩いたときの、GPSデーターのルート |
2005年11月に歩いたときの、まわりの地形からイメージしたルート図 記憶だけで書いたのに登った尾根を間違えていない 地形をしっかり読んでいたと自画自賛 |