大坂森山 |
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所在地 | 富山市大山町 | |
登山口 | アプローチ | 有峰林道折立 |
登山口標高 | 折立1350m ダム1150m | |
標 高 | 1792m | |
標高差 | ダムから単純642m 往復累積840m | |
沿面距離 | 片道7.2Km | |
登山日 | 2006年10月28日 | |
天 候 | 晴れ | |
同行者 | 長勢、岩城 | |
コースタイム | 折立(1時間10分)ダム<休憩20分>(2時間30分)大坂森山頂上<休憩1時間15分>(2時間10分)ダム<休憩15分>(1時間25分)折立 合計9時間5分<休憩1時間50分含む> |
長勢に誘われた山だった。立山温泉〜ザラ峠を誘ったとき、コンバート気味に誘われた百貫山と大坂森山。 何故か、酷い山ばかり誘ってくるような気がする。5時半集合で1台に乗り合わせ、亀谷ゲートに向かう。 |
折立の検問所 |
霜のおりた有り峰林道 シャツ2枚では寒い |
6時、ゲートを通過して有峰へ向かう。このときガソリンメーターを見て愕然とする。メーターの残りがかなり少ない。 この先にスタンドはないし、引き返すわけにもいかない。何とかなるだろう。ガス欠になっても死ぬわけではない。(と、いつものいい加減な性格) |
岩井谷出合にある 取水ダム |
ダムの上野吊り橋 |
折立に集まった車は3台だけだった。薬師岳はもうオフ・シーズンらしい。6時40分、リュックが軽くなるからと、ハーネスをつけて出発。 道路脇には霜が降りていた。下着のような薄手2枚の重ね着では寒い。歩いているうちに体は温ってきたが腕は冷たいままだった。 有峰林道から左の脇道に入って7時55分、岩井谷出合下流にある取水ダムに到着する。 |
徒渉することもなく吊り橋で真川を渡る |
岩井谷出合下流にある堰堤 ダムの上流 |
徒渉を心配していたが、ダムの上に立派な吊り橋があった。休憩後、ヘルメットを装着してモードを切り替える。 橋のたもとから延びているコンクリートブロックの上を歩き、柳の木に捕まりながら登れば沢に降りられる。だがネットで仕入れた情報通り、堰堤まで藪こぎする。 堰堤はダムから50mほどのところにあり、実は沢から行った方が楽だった。 |
ここから尾根に取り付く(これは失敗だった) |
50mほど上流の堰堤に降り立つ |
堰堤から120mほどのところに大滝がある。右にカーブしているので堰堤からは見えない。高さは目測で20m以上、25m以下といった感じだ。 右からの高巻きはもう少し降ってからの方が安全そうだが、面倒なので滝の横を直接行く。草のない草付き(?)で手がかりが少なく、土手に蹴り込みを入れながら登った。 |
堰堤から100mで20〜25mの滝に出会う 小尾根に登りついてから30mほど登り、左に 7mほどトラバースする。 ここも斜面がきつく滑れば滝壺に落ちてしまう。細い灌木につかまりながら行く。 トラバース後の小尾根を10mほど降ると滝の落 ち口のすぐ横に出る。 |
右の草付き(土手?)から高巻く |
小尾根に登り切って滝を見下ろす |
滝の落ち口から下流を望む |
この尾根に7mmほどのワイヤーロープが張ってあり、滝壺に向かっていた。何の目的でつけられたものか、分からない。 上から覗くと高さが強調されて見える。30mザイルをダブルで届くかどうか微妙な距離である。が、とりあえずその心配は頂上に登った後の帰りでいい。 |
左から行く岩城 |
右から行く長勢 |
地形を見ながら沢の右を行ったり左を行ったりしながら快適に標高を稼ぐ。浮き石が多いのと濡れている石は苔が生えていて滑りやすい。注意しながら登った。 標高を稼ぐに従って両岸がせまり水量が少なくなってくる。振り帰れば立山連峰の龍王岳から薬師岳までを木々の間に見えていた。 |
このあたりは快適に標高を稼ぐ |
徐々に両岸が狭くなってくる |
最初の二俣は左側が本流に見えるが右側を行く。次の二俣では水流は左側の沢だけで右側の沢は涸れ沢になっていた。 この右側の沢にふたつ目の滝がある。7mと聞いていたが3m程しかない。水流があればそれくらいに見えるのだろう。 |
1600mにある小滝 長勢が仕入れた情報では、この滝が越えら れず30mほど降って左の沢から高巻いたとの こと。 直登しようと試みたがだめだった。だが岩城 が乗り越えた。 お助け紐をアブミにして乗り越える。乗り越え て見て驚いた。お助け紐のビレイを取ったのが 古い残置スリングだったのだ。 イワキー! タノムヨ |
7mと聞いていたが3mほどしかない |
涸れ沢はこの先何回か二俣に別れているが、すべて右の沢を選ぶ。右には明瞭な尾根があり、この尾根を越えるような沢はないと思われる。 逆に左側は平坦で、沢がいくつあってもおかしくない。「とやま山紀行」の山行記では富山ハイキングクラブの方達が左方向へと頂上をはずしていた。 |
この滝は直登して先に進む |
藪こぎで頂上近くの小さな広場へ |
標高1700mから沢がなくなり、藪こぎとなる。背丈以上の笹に灌木が入り交じり腕力勝負となる。 稜線に出て北に向かう。20mほどで大きなオオシラビソが倒れて刈り開けたようになっている場所がある。 ここからさらに北へ25m程の所に三角点があった。時間は10時40分。見つけられたのはGPSのおかげである。 オオシラビソの倒木の場所に戻って乾杯する。食欲がなく昼食は抜き。 |
大坂森山の三等三角点 |
乾杯とささやかな昼食 |
11時55分、頂上を後にする。藪こぎを開始してから目印として延ばしてきた赤いナイロンテープを回収しながら戻る。 降りは笹藪の目が順目(?)なので比較的歩きやすい。 |
再び藪を漕いで下山開始 |
木の間に見えた薬師岳 |
小滝は落差はないがクライムダウン出来ないので、懸垂下降で降りる。もちろん新しいスリングでビレイを取った。 8mmのロープを使ったので、以後、しばらくは安心して利用出来る。...はずだ。 |
登りより降りに神経を使う |
小滝は懸垂下降で降る |
浮き石と水苔でのスリップに注意しながら降る。正面に薬師岳を眺めながら岩井谷の支流、鳶谷を探すが分からない。 岩井谷左岸の尾根に隠れて見えないようだ。頂上付近に達している沢がそれだろう。来年、ここを予定しているので見ておきたかったのだが... |
ひたすら降る |
第二の滝を左岸から降る |
いよいよ大滝の降りだ。落ち口から下を覗いてみても真下は見えない。見えないが落差は25m以上あるように思える。 ビレイを取るのに5m程必要なので、30mザイルではその分が足りないような気がする。下が見えればロープを垂らしてみるのだが、それも出来ない。 |
大滝は30mザイルでは届かない?(長勢撮影) |
左岸を高巻いて最後は懸垂下降 |
結局悩んだ末に高巻いて横から懸垂下降することにする。ザイル無しで降りられないこともないが、安全だし、早い。 最後は藪に入らずそのまま沢を降ってダムの上まで出る。橋のたもとから延びているコンクリートのブロックに乗ればダムはすぐ横だ。 |
堰堤に戻る 向こうに見えるのは取水ダム |
ダム横まで沢を降り、コンクリートブロックに乗る |
14時5分、取水ダムに戻る。急登の沢と藪の山だった。長勢の「越中の百山」完登計画に付き合う時は、まともな山は期待しない方がいいらしい。 だが、そういう山は嫌いじゃない、と言うより好きなのかもしれない。変な山があったらいつでも声をかけてくれ。付き合うぜ。 |
有峰林道に残るモミジの紅葉 |
山中に残る白樺の紅葉 |
全山紅葉という言葉がある。だが葉の散ってしまった山に、残り火のように燃える紅葉も悪くない。モノトーンの世界に一点、華が咲いているような艶やかさがある。 15時45分、折立に戻る。朝、隣に車を停めた2人連れも戻ってきたところだった。太郎平まで行ってきたらしい。 「天気が良かったのに誰もいなかった」と言う。山を独り占めした満足感と、誰もいない寂しさの両方を味わってきたようだ。 |
有峰林道と葉の落ちた白樺林 |
有峰林道を行く長勢と岩城 |
ガソリンは行きつけの富山市内のスタンドまでもってくれた。これを読んだ長勢と岩城は今後、私の車に乗るときは必ず燃料メーターをチェックするに違いない。 それだけではない。これを読んだ他の人も私の車に乗るようなことになった場合、燃料メーターに目がいくことだろう。 |