六谷山 |
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所在地 | 富山市(旧大山町)、飛騨市(旧神岡町) | |
登山口(茂住) | アプローチ | 茂住から林道を辿り長棟峠から(今回は茂住から) |
登山口標高 | 300m | |
標 高 | 1397.6m | |
標高差 | 単純1097m 累積(+)1140m 累積(−)55m | |
沿面距離 | 片道9.4Km | |
登山日 | 2006年7月8日 | |
天 候 | 晴れ | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム |
茂住(2時間25分)茂住峠(1時間10分)六谷山<休憩45分>(37分)茂住峠(1時間58分)茂住 合計6時間55分<休憩45分含む> |
2002年12月23日、山の神と向かった山である。長棟峠の手前から積雪があり、やむなく車をデポして歩いた。つぼ足でスパッツもなく、峠から先へは断念するしかなかった。 そんな敗退の思いもあり、今日は何があっても頂上に立ちたいと思った。 |
林道入口から予定外の通行止 どうする?午後 の予定を全てキャンセルしても、行くしかない |
神岡鉱山トロッコの客車 林道の倉庫代わりに 使われていたが今は朽ち果てたままだ |
8時過ぎに家を出て、走り慣れた41号線を南下する。茂住の交番の前で左折して長棟への林道入口へと車を走らせた。 ところが林道の入口に立て札があり、土砂崩れで通行止めと書いてある。昨年からの通行止めがそのままになっているようだ。工事をするつもりもないらしい。 長棟峠までかなりの距離があるが、歩くしかない。午後からの予定は全てキャンセルとする。 |
カモシカは意外に好奇心が強いのかもしれない |
神岡鉱山大津山鉱の沈砂ダム堰堤 |
天候は予想よりよく、歩き出してすぐに汗が噴き出す。水は1リットル持ち込んでいるし、途中に何ヶ所も沢がある。水の心配はない。 林道の横で朽ち果てたままになっているトロッコの客車は子供の頃からあった。道路の補修用の道具やセメントなどが入っていた記憶がある。 1両に客席が8席しかない小さな客車だったが、濃飛バスと並んで、神岡と猪谷を結ぶ重要な交通機関となっていた。 年に数回だけ街(富山)に連れていってもらえた子供達にとって、それは夢の幌馬車のような乗り物だった。 |
神岡鉱山の増谷抗口があったところ |
いつの間にか建物も崩壊してしまっていた |
大津山抗から排出された土砂に含まれる砂を貯める沈砂ダムの堰堤が見えてくる。子供の頃は遙か下にあった小さなものだったが、大きな砂のダムに変わってしまった。 今は鉱山も閉鎖されて、これ以上大きくなることはない。灰色の砂を沈めた水面はなくなり、草原となっている。やがて樹木も生えて自然の中に消えて行くのだろう。 |
通行止めの原因となっている崖崩れ箇所 |
幅20m程に渡って道路が寸断されていた |
標高650m付近で、幅20m、長さ200m程に渡って沢が崩れていた。これは簡単には復旧出来そうもない。その予算もないし、意味もない。 第1感、下へ降って登り返そうと思ったが上側に踏み跡があった。崩壊箇所を越えてから、林道の様相が一変する。車の通らなくなった道路の荒れ方は早い。 |
右へ行くと大津山で左が長棟峠 子供の頃はよくこのあたりまで遊びに来ていた |
その分岐点の上に石碑があった 富田虎吉翁の 碑とある 今まで気づかなかったのが不思議だ |
標高700mあたりで路は二つに分かれていて、右へ行くと大津山(廃村)である。今日は左を選ぶ。分かれ道の上に石碑が建っていた。 植林祈念、富田虎吉翁の碑と書かれている。かなりの年月が経っていると思われるが今まで気がつかなかったのが不思議だ。 |
車が入らなくなった林道って、こんなもの? |
大きな足跡のようなものがいくつもあって気持ち が悪かった 右の小さなものは自分の足跡 |
道路に不思議な跡があることに気がついた。濡れた部分に何かを廻したようなような跡が続いている。 カモシカの足跡にしては大きいし爪の跡もない。熊の足跡にしては何故ひねったようになっているのか分からない。この不思議な跡は峠まで続いていた。気持ちが悪かった。 |
葡萄の木の熊棚が熊といっしょに落ちた? |
茂住峠 以前は広場だったのに... |
11時55分、茂住峠に到着する。ここまで車で入る予定だったのに2時間半もの林道歩きを強いられた。いつも順調にいかないのが登山である。こんな日もある。 休憩を入れずにそのまま頂上を目指す。体力が余っているわけではない。早く冷たいビールにありつきたいだけだった。 |
峠より左へ(北側へ)尾根道を辿る |
入ってすぐに2体の地蔵様がある 多分、林道が 出来る前はこの石仏の前が峠道だったのだろう |
林道を離れ、登山道に踏み込むと、すぐ正面に石仏が2体ある。手前は祭壇のようになっていて中央に階段がある。2体とも右手に錫杖を持ち、左手に宝珠を持っている。由緒正しい地蔵様のようだ。 この右側に、お墓のようなものがあり、池田コロとかかれている。林道が出来る前はここが峠道だったと思われる。 だが、それを確かめるべく人達はもう少なくなっている。 |
最初のピークまで階段の直登が続く |
中部電力反射板の監視道になっているようだ |
1360mのピークまで階段の直登が続く。斜度が30度ほどありそうな急登である。林道歩きとは言え、800m程の標高差を登ってきている、バテ気味だ。 休まずに歩いているのは、冷たいビールの誘惑があるからである。いばれない。 |
1360mピークから左に90度曲がって西進する。ここから六谷山の頂上まではアップダウンを織り交ぜた稜線歩きとなる。 灌木に遮られて気がつかないが北側はかなり急な落ち込みである。幅1m〜2mの細尾根の上に登山道が続く。 |
六谷山の頂上は小さく刈り開けてある |
六谷山に一等三角点があったのは意外だった |
13時5分、頂上に立つ。小さく刈り開けてある頂上には一等三角点があった。どうと言うこともないのだが、一等というのがいい。ご褒美をいただいたような気分になった。 保冷状態がよかった缶ビールが最高にうまい。こんな長い距離を歩かされるんだったらもう少し欲しいところだった。 その大事な缶ビールにハエ虫が飛び込んだ。中で暴れている。よりによってこんな時にと思った瞬間、逃げていってくれた。見なかったことにして、最後まで飲む。 |
頂上の西側にある中部電力の反射板 |
草におおわれた神岡鉱山大津山鉱の沈砂ダム |
13時50分、頂上を後にする。アップダウンが辛い。14時25分、茂住峠に降りる直前で左側の藪から音がした。熊かもしれない。 峠で小休止をとる予定だったが休まずに林道を駆け下りた。結局そのままだらだらと茂住まで歩き続けた。16時25分茂住の駐車場所に戻る。 半日の予定が1日の登山に変わってしまった。長い林道歩きはうんざりだったが、終わってしまえば、それなりに充実した山行きに変わっていた。 |