笹津山・大乗悟山・カンナ尾山



カンナ尾山から望む立山連峰と小佐波御前山(2006年1月21日撮影)

所在地富山市細入
笹津登山口 アプローチ国道41号線新笹津橋を渡った細入村笹津集落
登山口標高100m
笹津山標高532m
大乗悟山標高590m
カンナ尾山標高676m
標高差単純576m 累積(+)730m (−)170m (GPSより)
沿面距離片道4.245Km (GPSデーターより)
登山日2006年1月21日
天 候晴のち曇り
同行者単独
コースタイム 八幡宮神社(1時間10分)笹津山<探検10分>(21分)大乗悟山(46分)カンナ尾山<休憩57分>(43分)笹津山(38分)八幡宮神社
合計4時間46分<休憩他1時間7分含む>


 2年前に須原から林道を辿って登ったことのある笹津山。下から輪かんで往復した。おにぎりをほおばりながら歩いたことを憶えている。
 後日、41号線側(東側)から夏道があることを聞いた。雪が沢山積もってしまえば夏道の有無は関係ないのだが安心感が違う。
 笹津山だけでは物足りないので大乗悟山まで足を伸ばすことにする。よく調べもせずに御鷹山までで一番高いところが大乗悟だと思いこんでいた。


国道41号線から細入村笹津の八幡宮へ
 

踏切を越えた八幡宮裏から左の尾根に取り付く
 
 神通川第2ダムの駐車場に車を停めて旧細入村の笹津に向かった。国道41号線を500m程戻ることになる。対向する大型トラックが怖かった。
 登山口となる神社は国道からも見えるのですぐ分かる。50m程はいるとJR高山線の踏切があり、渡ったところが神社、八幡宮である。


杉林を越えてからは灌木も少なく歩きやすい
 

第一の鉄塔から第二の鉄塔を見上げる
 
 このあたりから入山するらしいがネットで調べても詳しいことが分からなかった。地図から判断すると登りやすそうなのは左の尾根だ。
 沢を挟んだ右の尾根は等高線の狭いところもあり、なんとなく嫌な気がした。8時53分、GPSの電源を入れ、左の尾根に取り付く。


第一の鉄塔と第二の鉄塔の間で林道を横切る
 

第二の鉄塔を越えて神通川を見下ろす
 
 取り付きからの杉林はすぐにとぎれ、きれいな尾根筋となる。GPSにとってもいい環境だ。最初の鉄塔を越え、次の鉄塔に向かう。両鉄塔の間で林道を横切った。須原から楡原の天湖森へ抜ける林道のようだ。
 雪は適度に硬く、スノーシューもアイゼンも必要ない。だが上の状況が分からないので両方とも持ち込んでいる。


杉林より灌木林のほうが見通しもよく歩きやすい
 

右側が沢へと切れ落ちた細尾根に出る
 
 鉄塔を越えたあと、尾根はやや広い灌木帯となる。上り詰めると右が沢に落ち込んだ狭い尾根となる。御前山の獅子ケ鼻と同じ礫岩が露出しているところがあった。対岸と地質はおなじようだ。
 やや左に方向を変え、小さなアップだダウンをいくつか繰り返すと徐々に尾根は広くなっていく。尾根を忠実に辿らず少し右に振れば頂上へショートカット出来たのだが見えなかった。


御前山でも見かける露出した礫岩の壁
 

立山連峰の手前に猿倉山の風の塔が見える
 
 10時3分、あっけなく頂上を巻いている林道に出てしまった。だが反射板が見えない。林道を左に回ってみたが降っているので右に回ってみる。
 やがて林道がなくなり杉林に突っ込む。すると又、林道に出た。ぐるっと廻って先ほどの林道の続きに出たようだ。少し北に回り込み、杉林がとぎれたところで高台に登ってみる。


頂上手前の林道
 

足跡もなかったのに頂上には大宴会の跡が?
 
 そこで見たものは沢山の足跡と宴会用の大きなテーブルだった。この人達はいったいどこから来たのか?不思議だ。
 宴会場から続いているトレースをしばらく降ってみたが行き先は分からない。思い直して頂上に戻り、大乗悟山に向かうことにする。


頂上から50m降って須原からの林道を横切る
 

雪の上に八の字に開いた不思議な模様を発見
 
 南に50mほど降るとコルに林道が走っている。須原から来ている林道が頂上と楡原の方に分岐しているところだ。
 ここから100mぐらい登ると小さなピークに出る。その先にもう少し高いピークがある。ここは若干右から巻いてピークはバスする。(あとで分かったことだが、ここが大乗悟山だった)


その片方だが鳥が羽ばたいたような跡だ
 

稜線にいくつもあった黄色いテープ
 
 稜線なのに黄色いビニールテープが頻繁に巻かれていた。その他に赤いテープも見かける。かなり視界が悪いときに歩いたようだ。
 それもしばらく行くと見かけなくなった。途中で引き返したのだろう。次のピークで大乗悟山の頂上を視界に捕らえる。(実はカンナ尾山だった)


長い尾根を従えた小佐波御前山と神通川
 

大乗悟から見るカンナ尾山の左奥が戸田峰
 
 11時20分、深いコルの手前に立つ。大乗悟山(実はカンナ尾山)のようだ。一応ピークだが風格がまったくない。
 東側から南にかけての視界がよく、南側遠くには戸田峰が見える。手前尾根のコルから3つ目のピークが楡原御鷹山のようだ。
 東側に連なる立山連峰の手前に小佐波御前山が牛のように横たわっている。1人で小宴会。いつの間にか青空は消えていた。


カンナ尾山は何もない山だった 中央はリュック
 

カンナ尾山頂上から戸田峰と楡原御鷹を望む
 
 12時17分、大乗悟山(カンナ尾山)を後にする。方向は分かっているので所々でショートカットする。雪が緩んでいて歩きにくい。
 東側は神通川に明瞭に落ち込んでいるので間違えないが、西側には支尾根が沢山あり、気をつけないといけない。
ガスがかかったり吹雪いてトレースが見えなくなったら右を(東側を)意識しながら歩けばいい。尾根から東側は杉の樹林帯になっているのも分かりやすい判断材料となるだろう。


カンナ尾山からの降り 前方に大乗悟山
 

笹津山を左から巻いて反射板を写す
 
 笹津山手前のコル近くまで戻ると反射板が見えた。コルに降りると2年前の記憶が蘇った。林道を辿りここまで来たのだった。
 同じように林道を辿り大きい方の反射板(関電)の下を廻る。その先には小さい方の反射板(北電)も見える。


こちらは小さい方の反射板を裏から写す
 

宴会男達(女?)が何処から来たのか気になる
 
 13時ちょうど、ヘアピンカーブを折り返すと先ほどの宴会場近くだった。数日前の跡だがこの人達が何処から登ってきたのか気になってしょうがない。
 そちらの方が正しい雪山用のコースに違いない。何処に降りるか分からないが次回のためにトレースを辿ることにした。


確かめるべく、トレースを辿って降る
 

杉林を縫うようにして急登を登ったようだ
 
 そのトレースは杉林の中をくねくねと曲がって降っている。斜度がきつくなっても杉林は続き、視界はよくない。
 トレースが乱れてきたのは降りで新雪に飛び込んだからだろう。シリセードーの跡も見える。登りではかなりの急登を強いられたようだ。


最後は林道に出る 踏切手前の氷が怖かった
 

高山本線から見る御前山は独立峰のようだ
 
 最後は田の中を通り、途中まで除雪されていた林道に出た。このコースは視界が悪く急登も多い。イメージが暗くて好きになれない。次回も自分のコースを辿ろうと思った。池原新道と名付けておこう。
 地図の読み勝ちだと思った。だったら大乗悟とカンナ尾を間違えるなよな、とつっこまれそうだが...
 13時38分、神社に戻る。


赤色は上山時のGPS 水色は宴会パーティーのGPS(荒井さん提供)

後日談 自己申告や他からのチクリで、宴会男(女)達が誰だったか判明。
 舟杉さん、荒井さん、富田さん、岩本さん夫婦とお母さん、その他数名。
 そう思ってあの宴会用のテーブルやトレースを思い出すと親しみを感じる。山の世界が狭いのか、雪山へ行く人が限られているのか、不思議な世界である。
 電池が切れて取れなかった帰路のGPSを荒井さんからいただいたので掲載。