八ヶ岳(赤岳)



地蔵の頭付近から眺めた赤岳と赤岳天望荘(2007年10月28日撮影)

所在地長野県茅野市、富士見市、
美濃戸登山口 アプローチ茅野市原村から美濃戸へ
登山口標高1690m
標   高2899m
標高差単純1209m 累積1235m
沿面距離11.8Km
登山日2007年10月28日
天 候晴れ
同行者山岸、田子、BOW
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
美濃戸(2時間)行者小屋(1時間25分)地蔵の頭(45分)赤岳(1時間)中岳と阿弥陀岳のコル(50分)行者小屋(1時間40分)美濃戸
合計7時間40分
参考コースタイム
 アルペンガイド(山と渓谷社)
美濃戸(2時間10分)行者小屋(1時間10分)地蔵の頭(30分)赤岳(40分)中岳と阿弥陀岳のコル(35分)行者小屋(1時間30分)美濃戸
合計6時間35分
コースタイム 美濃戸(2時間)行者小屋<休憩45分>(1時間10分)地蔵の頭<赤岳天望荘で休憩20分>(20分)赤岳<休憩25分>(55分)中岳<休憩10分>(10分)中岳と阿弥陀岳のコル<休憩10分>(40分)行者小屋<休憩40分>(1時間20分)美濃戸
合計9時間25分<休憩2時間30分含む>


 大沢野のバローで2時半に待ち合わせて買い物をする。テン泊宴会を想像するとどうしても買いすぎてしまう。お腹が空いているとなおさらだ。
 クーラーボックスに入りきらないものはとりあえず温度の高くならない(と思われる)所において出発。
 国道41号線を南下して神岡に入り、471号線から安房トンネルを目指す。途中にある杖石もいつか登ってみたい。


美濃戸を7時10分に出発 前泊の意味がない?

 

美濃戸山荘

 
 諏訪に入ってから、温泉に入る。一カ所で充分なのにBOWの希望で二カ所に入る。本当は三カ所以上まわりたかったらしい。慣れていないので二つで疲れてしまった。
 その後が大変。馬鹿なカーナビと土地勘のない3人は暗闇の道路で美濃戸への道を迷いまくる。
 美濃戸口までたどり着いたのは野生の感か? このあたりの道路は狭くて複雑で分かりにくくて最悪だった。


柳川南沢は鉄砲水が出るようだ

 

横岳と大同心、小同心が見えてくる

 
 駐車場に着いてテントを張る。完成前に頭の中は宴会モードに切り替わっていた。(単に酒が飲みたいだけと言う意見もあったが...)
 スタートが遅いと宴会は深夜に及ぶ。記憶が定かではないが、寝たのは1時を過ぎていたらしい。


柳川南沢の雪が朝日を浴びて輝いている

 
 朝、2日酔いで目覚めると山岸が来ていた。バローで買った賞味期限切れ間近のディスカウント価格68円の鍋焼きうどんを作る。
 オンタマ(温泉卵)も入れた。同じくディスカウント価格の刻みネギも入れる。2日酔いでもうどんならたべられそうだ。


来年やろうと山岸と約束した大同心と小同心

 
 7時10分、美濃戸を出発。なんかテント前泊の意味がないような気がする。山岸も、もっとゆっくり来てもよかったと思ったことだろう。
 美濃戸の駐車場は前泊だと2日分で2000円取られ、テントは他に1人500円で1500円取られる。何処か他でテン泊して、早朝に来た方が安上がりだ。


気まぐれのように残っていたカラマツの黄葉と横岳

 
 美濃戸山荘の前を通り、堰堤を越えると登山道となる。柳川南沢の右岸を行き、途中で左岸に渡る。この登山道に橋はなく、全て徒渉である。
 石をつたえば靴を濡らすほどの水量ではない。渡った後の左岸は登山道と言うより踏み後と言った方がいいような道だった。


9時10分、行者小屋に到着

 

シーズンはもう終わったのか?

 
 流木が堆積している所から右岸に渡り、南沢を詰めていく。沢が細くなり、右岸と左岸を行ったり来たりしているうちに広い涸れ沢となる。
 左岸の林の中に登山道が続く。雪が20cmほど積もっていて歩きやすいので沢を歩いた。こちらの方が見晴らしがいい。
 9時10分、行者小屋に到着する。小屋の前には数人のお客さんしかいなかった。テーブルも椅子も雪が積もったままだった。ここで45分間まったりとした時間を過ごす。


行者小屋フロント

 

行者小屋食堂

 
 行者小屋から左にコースを取り、地蔵尾根へと向かう。徐々に急登となりクサリ場や鉄板で作った階段が続く。
 積雪は40cmほどで新雪の感触を楽しむ。雪の中から顔だけ出した地蔵様の表情が怖い。人の顔そっくりに作ってある。
 11時5分、地蔵の頭に到着。ここにもリアルな顔の地蔵様がいた。地蔵尾根の名前の由来はこれか?


地蔵尾根へのクサリ場

 

「あれが大同心と小同心で、その向こうが...」

 
 地蔵尾根を登り切った稜線の向こうには見慣れない風景が広がっていた。なだらかな山並みの手前に広がる田園風景は清里らしい。
 その右手後方になだらかなすそ野を広げ、雪を冠した富士山が立っている。北アルプスから眺める富士山は遠く、小さい。大きな富士山にしばらく見とれてしまった。


積雪は40cmぐらいで降りられない登山者も

 

鉄板で出来た階段は要アイゼン

 
 赤岳天望荘は地蔵尾根の頭から尾根沿いに南下するとすぐである。二棟に別れていてその真ん中を登山道が通っている。
 南側にある建物は食堂で北側の建物には登山客がくつろいでいた。地下通路でもあるのだろうか? それとも南側の食堂は外来専用なのだろうか?


なんとリアルな表情の地蔵様だろう

 

赤岳と赤岳天望荘

 

振り返れば諏訪の街と諏訪湖の彼方に北アルプス連峰が連なる

 
 天望荘から頂上まで約170mの登りだ。ここにも何ヶ所かクサリがはってあった。だがアイゼンをはいていれば問題ない。
 12時5分、赤岳頂上小屋前に到着。営業していないかと思っていたがやっていた。営業終了間際の施設は淋しい。
 アルペンルートも同じだった。11月末の弥陀ヶ原ホテルは窓には防雪枠が当てられて館内は暗く、レストランのメニューも絞られた。働いている人達も下山に向けて落ち着かなかったような気がする。


赤岳天望荘で乾杯

 

赤岳天望荘と山岸

 
 12時30分、赤岳頂上を後にして中岳へと向かう。頂上直下の急降は雪の中の岩にアイゼンが引っかかり、歩きにくかった。
 途中から雪の付いていないジグを切った道に変わる。文三郎尾根の分岐点で左足のアイゼンがないことに気づいた。後から来る皆が拾ってくれるとはかぎらない。リュックを置いて登り返す。


赤岳天望荘レストラン入口

 

赤岳天望荘レストラン内部

 

東側に広がる清里村 富士山が近い

 
 幸いそれほど戻らない所でアイゼンを見つけた。文三郎尾根の分岐まで戻り、そのまま文三郎尾根を降ってしまった。
 折り返したところで目の前に阿弥陀岳が見えてびっくり。あの標柱は分岐の印だったのだ。また登り返す。分岐で皆が待っていた。


赤岳頂上山荘

 

赤岳頂上山荘フロント

 
 中岳の頂上は13時25分だった。取りすぎた休憩で時間もロスしていたし、予想外の積雪で体力も消耗している。
 阿弥陀岳をパスして行者小屋に降りることにする。文三郎尾根を降りれば早かったのだがその時はまだ阿弥陀岳に登る予定だった。。


12時25分 赤岳頂上

 

頂上での集合写真

 
 中岳と阿弥陀岳のコルからの登山道は、なかなか標高を下げない。大きく左に(北に)振ったあと、細かくジグをきっている。
 14時30分、行者小屋に戻る。ここで3日早い誕生日ケーキをいただきました。ありがとう。


赤岳からの降りはやや急降

 

行く手の阿弥陀岳をのぞむ

 
 15時10分、行者小屋出発。ダラダラと歩き、16時35分、美濃戸に戻った。駐車場はガラガラだった。
 夕日を浴びて黄色く燃え上がった唐松の上に阿弥陀岳が白い頭をのぞかせていた。2年越しの赤岳は思いがけない新雪で迎えてくれた。冬になったらまた来いよと言っているかのようだった。
 赤岳周辺の地形はだいたいわかった。雪崩の巣も教えてもらった。厳冬期の赤岳は別物だと思うが計画してみよう。


赤岳を降りきって振り返る

 

中岳を経由して行者小屋に戻る

 
 温泉のハシゴというのは疲れる。昨日はふたつ入ってフラフラだった。BOWは今日もいくつか入りたいと言っている。
 諏訪まで戻ってひなびた銭湯に入った。温泉なのに360円だ。今日はひとつで勘弁してもらう。時間もない。


行者小屋の前から赤岳を振り返る

 

行者小屋のラーメン(800円)

 

美濃戸に戻り、阿弥陀岳を振り返る

 
 富山から赤岳は日帰り出来る距離に入るのだろうか? 今回は綿密な計算をしていなかったが多分可能だろう。
 朝3時に家を出て美濃戸に7時半に入る。8時出発で15時〜16時に戻り21時に家に戻る。ざっとこんな計算だ。一度やってみよう。


GPSの電源を入れたのが行者小屋を出てから  赤岳の降りで文三郎尾根へと間違えて戻る