恵那山



恵那山頂上の一等三角点(2007年6月24日撮影)

所在地岐阜県恵那市、長野県下伊那郡阿智村
黒井沢登山口 アプローチ中津川から中津川を上る
登山口標高1171m
標   高2191m
標高差単純1020m
沿面距離片道6.9Km
登山日2007年6月24日
天 候
同行者Toyo、柚木、岩月
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
黒井沢登山口(1時間50分)野熊ノ池避難小屋(50分)稜線(1時間10分)頂上避難小屋(50分)稜線(40分)野熊ノ池避難小屋(1時間10分)黒井沢登山口
合計 時間 分<休憩 時間 分含む>
コースタイム 黒井沢登山口(45分)避難小屋<休憩11分>(1時間12分)野熊ノ池避難小屋<休憩11分>(47分)稜線(1時間10分)頂上避難小屋<休憩50分><頂上往復18分>(50分)稜線(25分)野熊ノ池避難小屋(45分)避難小屋(40分)黒井沢登山口
合計8時間10分<休憩1時間30分含む>


 昨年、Toyoが計画した恵那山だったが、何故か今年に繰り越されてしまった。その理由がもう思い出せない。
 延期して変わったのは名古屋から岩月が加わって4人になったことと、季節が秋から初夏になったことぐらいである。


家の近くでテントの虫干しをする

 

恵那市の道の駅おばあちゃん市・山岡でテン泊

 
 恵那山は富山からだと往復に8時間近くかかるので、登山口の近くまで行って前泊することにする。
 梅雨時なのでテントが必要だ。ふと、三人の息子達を連れてオートキャンプ場を渡り歩いていた頃のテントを思い出した。
 家の奥から引っ張り出し、近くの広場で虫干しを兼ねて広げてみた。10年以上使っていなかったのに健在だった。


黒井沢出合にある小屋

 

小屋の中に登山届けが置いてあった

 
 23日17時、高岡IC近くの道の駅「万葉の里」で待ち合わせる。時間をもてあまし、15時半頃から本を読みながら2人を待った。
 東海北陸自動車道美濃関JCTから東海環状自動車道に入り、土岐JCTで中央自動車道へと乗り換え、土岐JCTからふたつ目の瑞浪ICで降りる。
 瑞浪市内のコンビニで最後の買い物(冷えた缶ビール)を済ませて道の駅「おばあちゃん市・山岡」に向かう。
 約束時間ちょうどの20時半に到着。岩月はその5分前に着いていた。


黒井沢出合が登山口となっていてゲイトがある

 

雨の中、雨具を着てスタート

 
 道の駅の駐車場で車2台の間にテントを張る。道の駅はトイレと水場が24時間使えるのがいい。
 すぐに宴会に突入する。缶ビール10本、ワイン1本、ウイスキー1本を空けた。...らしい...朝起きてみたら空いていた。
宴会真っ最中に警察のパトロールがやってきた。訳を話すと明日はがんばれみたいなことを行って去っていった。いい土地柄だと思った。


標高1400m避難小屋

 

野熊ノ池ログハウス

 
 登山口近くでテントを使った前泊は気が楽だ。寝る時間が同じでも朝はゆっくり出来る。これからは多用しそうだ。
 だが、2日酔いになる危険性があることも分かった。分かっていても飲み過ぎてしまうのが酒飲みである。
 川柳をひとつ  「反省は いつも寝起きに やってくる」(懲りない飲兵衛)


ログハウスの内装

 

直径30mほどの野熊ノ池

 
 無理矢理焼きそばを胃の中に放り込んで道の駅を出発する。国道363号線を北上し、中津川を黒井沢出合まで上る。
 このあたりは未舗装の悪路が続く。黒井沢出合に広場があり、車は15〜20台は停められそうだ。
 1坪半ほどの小屋があり、中には登山届けの用紙と箱が置いてあった。冬季以外は必要ないかもしれない。


池の前の休憩ベンチ


恵那山頂上小屋のトイレ

 
 8時15分、登山口を出発する。鉄製のゲートがふたつあり、最初のゲートは開いていた。10m程先にふたつ目のゲートがあり、こちらは鍵がかかっていた。
 ゲートの両側に人が通れるほどの穴が空いている。人は通れるが自転車は通れないような構造になっていた。

 黒井沢の林道を600mほどたどり右岸へと橋を渡る。そこから先は道路は荒れていて車は入れない。
 荒れた林道をさらに600m程たどり、黒井沢の左岸へと渡る。丸木を束ねた橋を渡ると登山道である。
 標高1400mあたりに雨がしのげる程度の小さな避難小屋があった。窓ガラスは割れて枠ごと落ちていた。


恵那山頂上小屋

 

頂上小屋の休憩室にてToyoと岩月

 
 次の小屋はきれいなログハウスだった。熊ノ池避難小屋と書いてあった。だが、池からは少し離れている。
 熊ノ池は直径30mほどの丸い池だった。水が流れ込んでいるようで、一方から流れ出している。

 尾根に出ると広河原からの尾根、さらにその向こうに神坂峠からの稜線が見えた。しばらくは稜線をたどる。
 広河原からの尾根に合流する少し手前から左斜面の道となる。岩と木の根がむき出した歩きにくい道だ。
 頂上から張り出している支尾根を回り込む。180度ほども方向を変えるので戻っているような不安な気にさせられた。


火のはいっていないストーブ

 

小屋の3分の2は板の間の寝室?

 
 12時30分、恵那山頂上小屋に到着する。小屋には6人いて、4人は出発するところだった。小屋は小さく、10人は入らない。
 入れ替わりに入り、雨具を脱ぐ。Tシャツ1枚では寒いが、雨具を着たままでいる気にはなれない。
 入って正面と左側の壁にベンチがあり、右側は板張りの床の部屋への入口となっている。きれいな部屋でマットとシュラフだけで寝られそうだ。
 部屋の中央にストーブがあり薪もつんである。冬季は素敵な一夜を過ごせそうな空間である。


頂上小屋の上にある祠

 

頂上への中間にある祠

 
 13時20分、小屋を出る。入れ替わりに3人が入ってきた。小屋の裏を少し登ると祠があり、その先は神坂峠への登山道となっていた。
 小屋に戻り、トイレの裏から広河原への登山道をたどる。恵那山の頂上まで約300m。途中に小さな祠が三つもあった。
 頂上は刈り開けてあって広場となっている。周りの木が邪魔をして視界が効かないのか中央にやぐらが組んであった。
 視界がよければ北に御岳から中央アルプス、東に南アルプスから富士山が見渡せるはずだ。残念。


頂上手前にある祠

 

頂上手前の祠の横にある祠

 
 雨脚は衰えず、強くなる一方だ。冷えた体を温めるようにひたすら降る。高頭山でススタケを取っているときに捻った右膝が痛んだ。
 登るときに雨具のズボンをはかずにぬらしてしまい、冷やしたのが悪かったのかもしれない。
 16時25分、黒井沢出合の登山口に戻る。途中、ウワバミソウ(ヨシナ、ミズナ)を少し摘んだ。厚揚げといっしょに煮ると美味しい。


雨はますます強くなる

 

帰りに寄った東山温泉

 
 登山口の小屋で乾いた物に着替えて中津川を降る。ラジウム温泉で有名(?)な東山温泉で体を温めた。
 中央自動車道から入って高岡ICに戻ったのが23時だった。道の駅で別れて下道を走り、家に戻ったのは23時50分だった。


オサバグサ

 

ヒロハコンロンソウ

 

タニギキョウ

 

クルマバソウ

 

ハクサンハタザオ

 

ツボクサの葉?

 
 恵那山は百名山である。だが、深田久弥とは時代も違えば山行きスタイルも感性も違う。同じ感動を味わえるとは思わない。
 百人いれば百人の感じ方があるはずだ。印象に残る山とならなかったからといって恵那山がつまらない山と言うわけではない。
 雨が降っていて2日酔いだったということも考慮してあげないと恵那山が可哀想だ。