放 山



放山頂上から焼山を望む(2007年2月4日撮影)

所在地新潟県糸魚川市
笹倉温泉 アプローチ糸魚川から〜川を焼山に向かって登る
登山口標高450m
標   高1190m
標高差単純740m
沿面距離片道3.9Km
登山日2007年3月4日
天 候晴れ
同行者Toyo、中林、長勢、新井、真由美
コースタイム 登山口(2時間40分)放山頂上<休憩1時間43分>(1時間27分)駐車場
合計5時間51分<休憩1時間43分含む>


 「どこかへ行きましょう」と言ったままになっていた山行きの行き先が「放山」に決まる。真由美の友人が行きたいとの事。景色の素晴らしい山だという。
 これにToyo、中林、長勢が参加する。中林は今年2回目だそうで、それでも行きたくなるくらいいい山らしい。
 Toyoのサイトには日本放れした風景が楽しめるとある。だから放山?(←ダジャレです)


笹倉温泉の少し先に車を停める
 

林道から眺める阿弥陀山と烏帽子岳
 
 その6名が越中境SAに7時に集まる。北陸自動車道を下り、糸魚川ICを目指す。途中、親不知を通る頃は空はどんよりとしていて、心まで暗くなる。
 糸魚川ICで降りて8号線を東進し、梶屋敷で右折して早川を上る。14Kmほど走ると笹倉温泉である。
 冬期間はここまでしか車が入らない。すでに車が4台停まっていた。空いている場所に車を停める。


ただ1人スキーを持ち込んだToyo
 

鉾ヶ岳を振り返る長勢 権現岳はまだ見えない
 
 8時18分、身支度を終え、出発する。火打山川に一番近い尾根は雪が切れているし急登である。
 次の尾根は杉林で積雪が確認できない。スキーヤーの跡をたどって林道を行き、最初の沢沿いからとりついた。
 スキーのジグの跡に惑わされないように直登をこころがける。スキーが1人と輪かんが3人、スノーシューが2人の混成チームである。
 ばらけ気味になるのを小休止を入れながら調整する。


発起人の新井
 

放山が大好きな真由美
 
 谷沿いは視界がよくないので徐々に右の尾根を目指す。考えが同じなのか、スキーヤーも似たようなコースをたどっている。
 もうすぐ尾根と言うところでスキーヤーに追いついた。富山からの方達で我々のサイトを知っていて立山温泉からザラ峠越えの話になる。
 面白いコースだから行くべきだと勧めた。今年はそこそこ人が入るかもしれない。


景色に見惚れてしばし立ち休み(真由美撮影)
 

圧巻の焼岳を眺める(真由美撮影)
 
 そこから少し上がっところが832mの小ピークだった。ここから尾根筋をたどる。視界が開け、火打、焼山、昼闇、阿弥陀と続く山並みが目に入ってくる。うん、なかなかいい。
 高くはないが、それなりに面白みのある山が間近に見られる。こんな趣のある里山は富山には少ない。


里山はやっぱり宴会が似合う
 

久しぶりの山行きとなった中林、Toyo
 
 烏帽子岳と阿弥陀山は名前が入れ替わったのか、阿弥陀山のほうが烏帽子のように尖っている。そして同じような形の山がふたつある。阿弥陀山は烏帽子に似た双耳峰か?
 緩急のある尾根が続いたあと、1000mあたりからなだらかになる。そして最後の急斜面を登り切って主稜に出る。
 主稜を北に600mほど行った所が頂上だった。その先にシャルマン火打スキー場があり、そちらからは近いらしい。頂上から200m戻ったところが一番高いように感じた。


左奥に大毛無山、右手前に不動山

 
 北方に独立した山塊は左奥に鉾ヶ岳、手前に大きく見える突鶏峰の右肩にちょこんと権現岳が見える。右に少しくだって遠くに大毛無山、その右手前に不動岳、容雅岳、そして火打山と続く
 火打山の右肩に見えるのは影火打だろう。なんと言っても圧倒的な存在感を示すのは焼山である。雰囲気は穂高連峰の最北に位置する焼岳とそっくりだ。
 焼山は昨年の暮れに登山解禁になった。ここしばらくは爆発しないと思うが、今年は人ごみで爆発しそうである。


火打山、影火打、焼山、手前に空沢山

 
 その右手前から馬蹄形にぐるっと高松山、昼闇山、鉢山、阿弥陀山、烏帽子岳が連なる。
 地図で見たとおり、テントを担げば一泊で一周できそうだ。近くで見ると阿弥陀山の急登、急降が嫌らしい感じがする。
 鉢山も昼闇山も頂上付近は険しく、西側の崖と東側の雪庇をどうクリアするかポイントとなりそうだ。高松山からの降りも最後をどうまとめるかが難しそうだ。
 縦走路が元に戻る山だから車のデポの心配をしなくてもいい。眺めれば眺めるほど面白い山だ。来年必ずやると誓った。


高松山、昼闇山、鉢山、阿弥陀山  鉢山と阿弥陀山の間に駒ケ岳と鬼ヶ面山

 
 里山の楽しみの1つが昼食である。ストーブや鍋を持ち込み、豊富な具材を担ぎ上げてオートキャンプ並みの食事を楽しむ。
 ある種の人間は山に家庭用の鍋などを持ち込むこと自体に喜びを感じるらしい。食後のスイーツや暖かいコーヒーなどはあって当たり前の世界のようだ。
 で、今回だが、焼き肉に、牛すじ煮込みに、ホルモン鍋、と肉食恐竜パーティーンのようになってしまった。女性達には少し申し訳なかったような...そうでもなかったような...


阿弥陀山(双耳峰?)と烏帽子岳  阿弥陀山の方が烏帽子に見える

 
 12時40分、頂上を後にする。斜めにトラバースすることも考えたがスノーシューはトラバースに弱い。来た道を戻る。Toyo1人が軽快に滑っていった。
 同じ道を歩くのは面白くないので832m地点から尾根をそのままたどる事にする。


火打山を振り返る真由美
 

やけに元気な中林
 
 下の方は雪が切れていて藪漕ぎになるのか、ひょっとしたら崖になっているのか、未知の領域に入り込む(困難に遭遇するかもしれないという)ワクワク感がたまらない。
 この遊び心が新しいコースを選ばせてしまう。林道近くの急降は雪が切れていそうなので左の沢に逃げる。結局、最後は10m程の崖降りとなってしまった。
 真由美はここでちゃっかりとフキノトウをゲット。やはりただ者ではない。ちょっと心配しかけたが、これからは心配しない事にしよう。


落ち着いた歩きの新井
 

帰りは尾根をまっすぐ降った
 
 最近の里山とセットになっているのが温泉。今回ももれなく、セットでついてきた。笹倉温泉は車がいっぱいで入れない。焼山温泉に廻る。
 こちらはガラガラで嫌な予感がした。だが、入ってみるときれいな温泉だった。笹倉温泉の日帰り湯(千寿の湯)は洗い場が3つしかない小さな湯とのことで、焼山温泉にしたのは大成功だった。


焼山温泉「清風館」
 

清風館フロント 入浴料700円
 
 露天風呂に浸かると正面に真っ白な阿弥陀山と真っ青な空が見えた。まだ時間は早く、お湯の中に斜めに日が差し込んでくる。
 花粉さえ飛んでいなかったら最高の贅沢なのだが...目が痒くて早々に内湯に戻る。この冬の間に、昼闇山の日帰りをやってみたいと想いながら湯の中でまどろんだ。


きれいな廊下を行く
 

男風呂の一部 この右に露天風呂がある
 
 


谷沿いから登り、帰りは尾根をまっすぐ降った 最後は雪が切れていた