春木山



春木山から宮屋敷へ 遠くは人形山(2007年4月15日撮影)

所在地南砺市平村、利賀村
奥大勘場登山口 アプローチ利賀川の最後の集落(奥大勘場)から
登山口標高726m
標   高1596m
標高差単純870m
沿面距離片道5Km
登山日2007年4月15日
天 候晴れ
同行者盛安、柚木、嶋田
コースタイム 奥大勘場(3時間35分)春木山頂上<休憩4時間>(1時間40分)奥大勘場登山口
合計9時間15分<休憩4時間含む>


 富山HCの盛安から春木山の誘いがかかる。聞いたことのない山で利賀の奥大勘場から入るという。
 週末の土日は休めないと思っていたのに、土曜で、だいたいの仕事のめどがついた。長勢からの西笠の誘いを断っておいて、他の誘いに乗る後ろめたさはあったが、物事には流れ(勢い)みたいなものがあり、春木山になった。
 西笠山は来年の冬、和田の集落から跡津川の佐古まで、テン泊2日で縦走する予定の山の中に入っている。


奥大勘場に車を停めて

林道へ入る

 旧利賀村の役場で待ち合わせて奥大勘場に向かう。奥大勘場の先はまだ除雪されていなかった。
 7時20分、身支度を終え、県道34号線を南へとたどる。300mほど行ったところで県道から右へ分かれ、猪谷橋で利賀川を左岸へと渡る。

 県道34号線は利賀川、水無川をたどり岐阜県の角川へと続く。水無ダムで県道を離れて右に入ると牛首峠を越えて白川村へと抜けている。
 県道を離れたこの林道も長塚山を回り込んだあと、牛首峠へと合流している。


ここから斜面にとりつく

100m程はヤブ漕ぎ

 1700mほど林道を歩いて、大きな木のある沢から斜面に取り付いた。沢の左斜面(北斜面)に雪が残っているが、右の斜面の方が斜度がなくて歩きやすいと言う。
 3月にもこのルートをたどっている盛安、嶋田の後に続く。

 藪漕ぎと言っても竹藪を漕ぐようなハードなものではない。灌木をかき分けながら100mほど尾根をたどり、雪の付いた小さな沢に降り立った。
 雪はしまっていて、ゴボル心配はなかったが、キックステップは疲れるので、爪のある輪かんをはく。


雪の斜面に出る


途中のなだらかな台地で一休み

 尾根に出ると左側に三ヶ辻が姿をあらわす。正面左に見える宮屋敷跡あたりの東斜面の雪形が面白い。
 見る人によって色々なものに見えるらしいが、左端の人形(マーメイド)と右端のオットセイのような雪形は意見が一致した。


春木山から宮屋敷にかけての雪型 左端は人形(マーメイド)のようだ

 「富山県山名録」では「春木山」は「はり木山」のことで、春に薪木を切る山であり、残雪期の山に入って1年分の薪を切り、丸束にして担ぎ出すのが農耕前の大仕事だったとある。
 そんなことも忘れ去られてしまい、歴史の中に埋もれていってしまうのだろう。


三ヶ辻山を左に見ながら行く


春木山が見えた 左奥は人形山

 短い急登を登り切って稜線に出ると正面に山並みが広がる。多分、高落葉、高清水、赤祖父あたりだろうと思う。こちらの山には土地勘がないので同定できない。

 稜線をたどり小ピークに出ると正面に春木山、人形山が見えた。
 人形山に人がいないかと目をこらしていると、手前の春木山に人が現れた。我々以外にもこんなマイナーな山を目指していた人がいたとは...


春木山頂上の柚木、盛安


頂上には中根尾根からのハレルヤさん達

 その人が2人になり3人になり、4人、5人と、どんどん増えてくる。丸みをおびた雪の山に人がボコボコと生えてくるような、不思議な光景だった。
 見ているうちに春木山の小さなピークが人でいっぱいになる。手を振ると振り替えしてくる。何故か、歩くピッチが上がる。


合同宴会に突入


今日は17名の長テーブル?


おなじみの筏井さん、元さん、シュンちゃん達


堀シェフ、細川さん、小竹さん達

 頂上にたどり着き、「こんにちは」の声に答えてくれたのは筏井さんの笑顔だった。元さん、黒部のシュンちゃん、細川さん達の顔も見える。
 このグループはいつかどこかで会えるかもしれないと思っていた「ハレルヤ」の人達だった。
 山は広くても、登山道は狭く、頂上は点でしかない。人が出会えるように出来ている。


堀シェフの人形山雪型ティラミス


強者どもが夢の後...

 昼食はハレルヤ一行13名と盛安一行4名の懇親会となった。初めてお会いする方達も以前からの知り合いのように思えてくる
 どこかのサイトで見ているからかもしれない。山での出合がそうさせというのなら、山が持つ力は素晴らしい。


盛安さんが持ち込んだ春木山のプレート

 

全員で宮屋敷へ移動

 

天候に恵まれた山行きは最高

 

柚木、盛安、嶋田、池原

 

ハレルヤが帰って行く


我々も帰っていく

 全員で宮屋敷跡まで移動する。小休止後、ハレルヤは西の中根尾根へと帰って行った。我々も東の春木山に戻り、14時55分、下山開始。
 雪山の帰りは早い。三ヶ辻を右に見ながら輪かんで半分滑りながら降りる。最後の藪も降りだと苦にならない。15時55分、林道に降り立つ。


人形山より三ヶ辻のほうが立派だ


今日も元気な嶋田

 下山の最後にこんな林道歩きがあるのもいい。体のクーリング・ダウンになるだけじゃなく、心のクーリング・ダウンにもなる。
 今日出会った人達、眺めた山達、、迎えてくれた花達。少しずつ、心のタンスにしまい込んでいく。
 ダラダラとフキノトウを摘みながら歩く、こんな林道歩きもいいもんだ。


林道に戻る

 

フキノトウを採りながら奥大勘場へ

 

 

 林道で見たことのない花を見つける。イチゴのような三つ葉にシナノキンバイを小さくしたような黄色い花をつけている。
 見た目、ミヤマキンバイのようだが、雰囲気が違うし、標高も違う。ふとキジムシロという名前が頭にうかんだ。
 帰ってから調べてみると、キジムシロでいいような...自信はない。間違っていたら教えてください。(画像をクリックしてください)


キジムシロ


イワウチワ


ザゼンソウ