北穂東陵



北穂東陵のゴジラを振り返る(2007年9月8日撮影)

所在地岐阜県高山市、長野県松本市
上高地 アプローチ平湯温泉からバスで
登山口標高1510m
標   高3106m
標高差単純1596m 累積(+)m 累積(−)m
沿面距離片道 Km
登山日2007年9月8日
天 候曇り
同行者長勢、岸
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
上高地(3時間10分)横尾(3時間)涸沢ヒュッテ(3時間)北穂高分岐(1時間40分)涸沢ヒュッテ
合計10時間50分
コースタイム 上高地(2時間10分)横尾<休憩15分>(2時間)涸沢ヒュッテ<休憩45分>(1時間15分)北穂東陵(1時間15分)北穂高小屋<休憩20分>(1時間30分)涸沢ヒュッテ
合計9時間30分<休憩1時間20分含む>


 昨年、北穂に登ったとき、情報不足で取り付きが分からず、南陵から登ってしまった。まだ単独で突っ込んでいく自信がなかったからだ。(今なら単独でも行く)
 山岸と前穂北尾根を計画したときに北穂の東陵も入れた。北尾根に取り付く前、涸沢入りした日に東陵をやってしまえばいい。北穂高小屋に泊まって翌日、北穂南陵を降って前穂北尾根をやることにする。


6時40分 河童橋出発

 

8時50分 横尾到着

 
 これに長勢、岸が参加してきて役者が揃ったかと思ったところへ山岸が仕事の都合で不参加となる。残念。
 岸が北穂に泊まると翌日の北尾根の取り付きが遅くなる。渋滞すると大変だから涸沢まで戻っていた方がいいと言う。異論はなくこれに従う。


2時間で涸沢ヒュッテへ

 

山なのに都会の臭いがするヒュッテベランダ

 
 平湯にテントを張って前泊する。前泊した割には始発のバスに乗れずに5時50分の2番のバスになってしまう。多少、酒のせいもある。
 6時40分、河童橋を出発する。上空は雲がかかり、穂高の稜線は見えない。8時50分、横尾に到着する。小休止を入れた。


本館前のパノラマ売店ベンチ

 

山に来てもラーメン

 
 上空の雲のせいで屏風岩が見えない。9時5分、横尾出発。少しずつ斜度が増してくる。屏風岩に向かうパーティーふた組が増水した涸沢の徒渉に手こずっていた。
 10時、本谷橋を通過。昨晩の酒が効いてきて気持ちが悪くなってくる。1人、自分のペースを作る。


北穂南陵登山道から分岐し、ガレ場をトラバースして東陵へ向かう

 
 11時5分、涸沢ヒュッテに到着する。いつもならここで1本(缶ビール)入れるのだが飲む気がしない。
 涸沢ヒュッテにチェックインを済ませ、不必要な荷物は部屋にデポする。パノラマ売店でラーメンを注文。穂高岳山荘よりはましだった。


この奥のピークは右から巻く

 

登山道のような踏み跡がある

 
 11時50分、北穂に向けて出発する。北穂の南陵と東陵の間を行き、南陵への取り付き点で右に向きを変え、東陵へと向かう。
 東陵への取り付きはいくつかありそうだが最短のガレ場がいちばんよさそうだ。実際、踏み跡もそちらの方へと続いていた。


巻いた後、ルンゼ状のガレ場を詰める

 

ゴジラの一部がガスの中に浮かんでいる

 
 ガレ場から岩場、草付きをたどるとすぐに稜線に出る。稜線には登山道のような踏み跡があった。しばらくは稜線を行き、最初のピークは右から(横尾本谷側)巻く。
 80mほどで左側にルンゼ状のガレ場があり、それを詰める。赤いビニールテープを巻いた石がいくつか落ちている。稜線に戻ったところから核心部となる。


ルンゼを登って北穂東陵の核心部であるゴジラ方向を眺める

 
 ガスがかかっていて全貌が見えないのでしばらく休憩を取る。ここまで来てただガスの中を行くのはもったいない。
 ゴジラの背は狭い頂陵となっているが、ホールドがしっかりしていて難しくはない。怖いか怖くないかの気持ちの問題だけだ。


ムンクの「叫び」だそうだ

 

余裕の長勢

 

小さなキレットがあり、いったん降ってから登りかえす(長勢撮影)

 

ゴジラの背びれは狭くて立てない

 

ここを降ればゴジラの核心部は終わり

 
 最後の降りは右から巻いてゴジラは終了となる。その後は北穂高小屋までダラダラと登るだけで危険なところはない。
 14時20分、登り切ったところが北穂高小屋のベランダだ。ギャラリーはひとりしかいない。その1人もどこから登って来たのか気にする風でもなかった。


北穂高小屋で乾杯(ビール)

 

一度は泊まってみたい北穂高小屋の食堂

 
 缶ビールで乾杯する。ガスがひいてゴジラが一瞬だけ顔を見せたが写真を撮るひまはなかった。14時40分、小屋を後にする。
 縦走路から分岐して南陵を降る。誰もいない静かなテン場を過ぎたあたりから急降となる。ガスがかかっていて前穂北尾根の全貌が見えないのが残念だった。


北穂南陵から眺める東陵のゴジラ

 

明日アタック予定の前穂北尾根

 
 何組もの登山者とすれ違う。時間の感覚(計算)はあるのだろうか? 最後にすれ違ったパーティーなどまちがいなく小屋に入るのは日没後だろう。
 予約していれば小屋の人が心配するし、していなければ(夕食がすんだ後にこられても)食事の準備が大変だ。街の感覚をそのまま持ち込んでいるようだ。


南陵の急降も終わり

 

涸沢小屋に寄り道

 
 帰る途中、涸沢小屋に寄る。こちらは涸沢ヒュッテと違い、人が少ないからか山小屋の臭いがする。涸沢ヒュッテの方に感じるのは都会の臭いだ。
 次に涸沢に来たときはこちらに泊まってみよう。いいことがありそうな予感がする。


涸沢小屋のベランダ

 

前穂北尾根を眺めているのか

 
 16時10分、涸沢ヒュッテに戻る。屋上ベランダでもう一度乾杯。他の登山者達も夕食前のひとときをベランダで過ごしている。
 明日の行程を話し合っているのか、過去に登った山の話をしているのか...涸沢はこんな風景、こんなひとときが似合う。


チェックイン済みの涸沢ヒュッテに戻る

 

山談義に花が咲く涸沢ヒュッテのベランダ 

 
 涸沢ヒュッテは真ん中にあるパノラマ売店の山側に本館と別館がある。我々が泊まった谷側にあるのは何館だろう?
 小屋の中枢であるフロントや食堂はこの建物の中にある。


ベランダの下にある新館(?)

 

涸沢ヒュッテフロント

 
 夕食は5時半からだった。ご飯と味噌汁はお代わり自由。お盆に何人もの器を持っていってお代わりをよそってくる。よく間違えないものだと感心していたら...
 味噌汁の器がふたつ載ったお盆を持って「味噌汁のお代わりをした人は誰でしたか?」と歩き回っている。
 それって結局誰の器だったかを覚えていないということでは...


涸沢ヒュッテ食堂

 

涸沢ヒュッテ夕食

 
 足がほてってなかなか寝付かれなかった。そのうち、疲れと晩酌の日本酒が効いてきたのか寝てしまった。まだ消灯前だった。
 夜中に何回か目が覚めたがすぐ寝ることが出来た。明日は気持ちよく起きられそうだ。


布団1枚に1人の快適な宿泊だった

 

通路と2階への階段

 

食事後、ベランダでくつろぐ 遠くは明かりの灯った涸沢小屋(や〜まごやの灯火は〜♪)

 

一泊二日で北穂東陵と前穂北尾根をやる

 

北穂東陵のGPSルート