寺地山〜北ノ俣岳 |
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所在地 | 岐阜県飛騨市、富山市 | |
飛越登山口 | アプローチ | 富山市より車で2時間 |
登山口標高 | 1450m | |
標 高 | 2661m | |
標高差 | 単純1211m 累積(+)1345m 累積(−)134m | |
沿面距離 | 9Km(片道) 18Km(往復) | |
登山日 | 2007年5月12日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 岐阜県の山(山と渓谷社) | 飛越トンネル登山口(2時間)神岡新道分岐点(1時間)寺地山(45分)避難小屋(1時間50分)北ノ俣岳(1時間20分)避難小屋(40分)寺地山(50分)神岡新道分岐(1時間35分)飛越トンネル登山口 合計10時間 | |
コースタイム | 飛越トンネル登山口(1時間25分)神岡新道分岐(50分)寺地山<休憩10分>(37分)北の俣避難小屋<休憩23分>(1時間38分)北ノ俣頂上<休憩42分> 北ノ俣岳(30分)避難小屋(35)寺地山(42分)神岡新道分岐(1時間13分)飛越トンネル登山口 合計8時間50分<休憩1時間15分含む> |
もうしばらくは雪上散歩を楽しみたい。と、なると、どうしても標高の高い山になる。標高が高くても登山道がないとヤブ漕ぎになる。 ふと、北ノ俣岳が頭にうかぶ。2年前は出発が遅くて寺地山までしか行けなかった。帰りに迷いまくった山だった。今回はGPSがあり、心強い。 |
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アイゼンを持ち込むつもりだったのだが、前日の剱岳の遭難騒ぎで「新雪が80cmもあって降りられなかった」とあった。スノーシューを選ぶ。 5時過ぎに家を出て41号線を南下する。60Kmで走っているのに、追いついてきたかと思うと、あっという間に追い越していく。そんな車が何台もいる。 制限速度を時間帯で変えた方が合理的なのかもしれない。ちなみに猪谷と神岡の間の制限速度は50Kmである。 |
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神岡から471号線に入り、双六川出合で左折して山之村へと向かう。山吹峠を越えれば山之村だ。 鉱山で栄えた町も閉鉱以来、過疎化が進み、残る民家も数えられるほどになってしまった。そののどかに見える田園風景の中に、寂しさを感じるのは同じような運命で故郷をなくした者の感傷だろうか? |
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![]() ろのオオシラビソにくくられていた |
山之村と有峰を結ぶ飛越トンネルが開通し、山之村側のトンネル入口から飛越新道が開かれた。打保谷からの神岡新道は廃道に近いと思われる。 飛越新道の登山口には30台ぐらい止められそうな駐車場がある。7時25分、身支度を終え駐車場を出発する。 |
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ジグザグの道を100mほど登ると遠見尾根に出る。右にコースをとり、少しくだったところがマムシ洞峠である。峠からダラダラと登り、送電線の下をくぐり、急な斜面を登り詰めるとクマ洞峠である。 峠という名が付いているがピークにしか見えない。ここで鋭角に左に曲がるので注意が必要である。 アップダウンを繰り返しながら右に曲がったり左に曲がったりしながら広尾根を登り切ると神岡新道との合流点(仙人峠)となる。 途中、モナカ雪となり、予想もしていないところからスノーシューをはくこととなった。 |
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神岡新道分岐点からは右に北ノ俣岳や黒部五郎岳、笠ヶ岳を望みながらなだらかな稜線をたどる。その右手奥には乗鞍岳と御岳がそれぞれ独立峰としての威容を誇っている。 最後に50mを一気に登りつめると寺地山である。どこが頂上か分からない台地を右方向に(東に)100mほどで北ノ俣が望める場所に出る。9時40分、このあたりが頂上らしい。 頂上のプレートはさらに東にすこし降ったところにあった。 |
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まだ2時間15分しか歩いていないのにバテ気味である。北ノ俣避難小屋に向けては降りなのに歩くのが嫌になってしまった。 避難小屋でしっかり休憩を取ることにする。行動食をとり、水分をたっぷりととる。 この避難小屋のトイレは小川に突き出た中空の水洗トイレとなっていて、慣れていないと落ち着いて用が足せない。前に壁がないので男でも妙に恥ずかしい。 |
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10時50分、どれだけバテが解消されたか分からないが避難小屋を出発する。ペースを初めから作り直すつもりでゆっくり歩く。残り600mの標高差だ。 ホシガラスがとんできてオオシラビソの枝にとまる。ライチョウがダケカンバの芽をついばんでいる。聞こえてくるのはスノーシューが雪を踏む音だけ...静かだ。 |
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振り返れば、池ノ山、高幡山、横岳、西笠山、東笠山、鉢伏山と連なる山並みが有峰湖の上に浮かんでくる。来年の冬に縦走予定の山群である。 常願寺川の和田集落から高原川の土集落までを2泊3日で歩き抜ける事が出来るか? 時期と天候を読まなければいけない。 |
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我慢しながら歩いたせいか、徐々にペースが上がってくる。稜線まで半分ぐらいの所でようやく普通に歩けるようになった。 夏道のある尾根は直登だがハイマツがうるさそうだ。頂上に近い右の雪渓は右下がりの急斜面である。遠回りだが左の雪渓を選ぶ。 12時20分、稜線にでる。いきなり広がる大パノラマは登山の醍醐味であり、大きなご褒美である。 尾根を少し南側にたどると北ノ俣岳頂上である。 |
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![]() ハシゴノ辻、この左に桑崎山(写真の外) |
![]() 奥に鎌倉街道唐尾峠、その先は白木峰 |
13時10分、頂上を後にした。降りのスノーシューはひっかかるのでつぼ足にしてみたが膝までゴボル。スノーシューをはき直して降った。 やはりバテているようで避難小屋分岐まで30分で降ったのに、分岐から寺地山まで35分もかかる。寺地山では左に90度コースを変える。 1920mあたりの広尾根で、うっかり真っ直ぐ行くと左の尾根に入って行ってしまう。若干右に方向を修正しないといけない。 1842mの神岡新道分岐では明確に右にコースを変えないと神岡新道に入ってしまう。このあたりも広い尾根なので注意が必要だ。 |
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クマ洞峠が最後の難関で、入り方が悪いと方向を見失ってしまう。今回も少し右側から入ったので、標識から自分の足跡をいったん戻る格好になった。 残雪期の寺地山は地図とコンパスを忘れたら登ってはいけない山である。自分のトレースが残っているという保証はないし、他人の間違ったトレースに騙されるかもしれない。 出来ればGPSを持ち込みたい山である。 |
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16時15分、登山口に戻る。喉は渇き、体はよれよれ。車に戻ったときに感じる達成感というか、安堵感のような感覚が好きだ。 スパッツをはずし、靴ひもを解く。車のシートに腰を下ろし、エンジンをかける。頂上に立ったときよりも素敵な瞬間かもしれない。 |
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