鍬崎山 |
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所在地 | 富山市旧大山町 | |
ゴンドラ登山口 | アプローチ | 富山市より車で50分 |
登山口標高 | 1188m(ゴンドラ山頂駅) | |
標 高 | 2090m | |
標高差 | 単純902m 往復累積1230m △1850m | |
沿面距離 | 往復13.7Km | |
登山日 | 2007年2月12日 | |
天 候 | 曇り時々雪 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム とやま山歩き(シーエーピー) | 山頂駅(40分)瀬戸蔵山(40分)大品山(3時間30分)山頂(2時間)大品山(1時間10分)山頂駅 合計8時間 | |
参考コースタイム 富山県の山(山と渓谷社) | 山頂駅(40分)瀬戸蔵山(40分)大品山(2時間)独標(1時間20分)山頂(50分)独標(1時間25分)大品山(35分)瀬戸蔵山(30分)山頂駅 合計8時間 | |
コースタイム | 山頂駅(38分)瀬戸蔵山(42分)大品山(2時間23分)独標【1756m】(1時間25分)頂上<休憩17分>(45分)独標(1時間5分)大品山<休憩30分>(57分)山頂駅(40分)山麓駅 合計9時間22分<休憩47分含む> |
2年前の3月に鍬崎山に登った。この日は後にも先にも誰もいない完全な単独だった。ピッケルもない頂上直下のアイスバーンが怖かった。 その時に誓ったのが2月に戻ってくるぞという事だった。その時の山歩記にタフな相棒を捜そうと書いたのを覚えている。 |
山麓駅で片道の切符を購入 |
ゴンドラ山頂駅 8時15分出発 |
あれから2年、誰かを誘う気持ちはなくなっていた。体力はなくなっているが多少は技術が身についている。単独で行こうと思った。 家を6時半に出てゴンドラの山麓駅に向かう。ゴンドラの切符売り場にいたのは会社の友人、知人の3人のお嬢さん達だった。 いかついサングラスをして入ったのが間違いで、視線を避けられてしまう。皆、よそよそしい。「おはよう」と言って初めて気がついてもらえた。 |
山頂駅は遠くなっていく |
瀬戸蔵山の反射板 ここでスノーシューをはく 買ったばかりのMSRライトニングアッセント22 |
ゴンドラの乗り場にいた人は、退職された、かつての上伺だった。久しぶりに乗ったゴンドラだったが、自分の会社の乗り物に乗っているような気分だった。 昔は長い行列が出来ていたゴンドラも、今日は十数名。スキー人口が減ったとはいえ隔世の感がある。でも、多分、これが正しいスキー場の姿なのだと思う。 |
スノーシューを履いている間に追いついてきた 福井から来たというご夫婦 |
振り返って眺める大品山と瀬戸蔵山 |
8時45分、山頂駅を出発する。トレースの上に積もっている雪は5cmほど。まずは、つぼ足で行く。 瀬戸蔵山に近づくに連れ積雪が多くなってくる。先週穂高に持ち込んだのに使わなかったMSRのライトニング・アッセント22をはく。 誰もいないと思っていたこの山行きに、2人の登山者が追ってくる。福井の大野から来たというご夫妻だった。金剛堂山と迷った末に鍬崎山にしたとのこと。 金剛堂山とはちょっとハードルの高さが違うような気が... |
長い急登を行く (写真は福井の方から) |
独標手前の難所 急登のやせ尾根 |
積雪は20cmぐらいになり、かすかに残っているトレースも場所によっては見えなくなる。9時35分、大品山の広場に出る。 鍬崎山の頂上がよく見える(はずの)場所にテント用の雪洞と宴会用の雪のテーブルが残っていた。予想通り、ここから先にトレースはない。新雪に飛び込む。 大品山からの降りで正確にコルにたどり着くのは、簡単なようで実は難しい。明瞭な尾根がないので視界が悪いときは磁石が必要になる。 |
ほとんど壁に近い急登をストックのアンカーと キックステップで(写真は福井の方から) |
細尾根をたどる2人 |
コルから登り返してしばらくはダラダラと行く。北からの尾根と合流したあたりから長い急登となる。MSRライトニングも30度ぐらいまでは滑らないがそれ以上の斜面になると急に滑り出す。そして、その境界は意外にはっきりしている。 1756mピーク(独標)手前の細尾根急登が1つの難所である。一昨年は細尾根が雪庇になっていて何処を歩けばいいか分からなかった。 今回は雪庇にはなっていなくて急なだけだった。ストックを束ねて前方にたたきつけ、アンカーにし、キックステップで登った。 |
独標(1756mピーク)への最後の登り |
独標から眺める頂上はまだ雲の中 |
この細尾根を登っているとき2人のスキーヤーが追いついてきた。急登を避けて左から巻きにかかったが足下から表層雪崩を起こし、結局スキーをぬいだようだった。 せっかく福井から来たのだから何とか頂上に立ってもらいたいと、「とりあえずあそこまで」とか、「ここまで来たら行くしかないですね」とか、いいながら少しずつ高度を上げる。 ラッセルもいよいよ膝下になってくる。体力的にも一番辛いところ。 |
天気予報通り(?)青空が広がってくる |
樹氷がきれいだった |
1900mあたりでスキーヤーに追い抜かれ、トレースのお礼を言われる。ここからはこちらがトレースを使わせてもらいますと言うと、スキーの跡は歩きにくいよと言われる。 なるほどスキーのトレースは狭くてスノーシューにはあわない。それだけでなくスキーとスノーシューでは歩くコースが違うようだ。 彼らは斜面をトラバース気味に歩くので歩きにくいだけじゃなく、時々谷足が表層雪崩のように雪ごと流される。結局尾根筋に戻り、ラッセルを続ける。 |
1800mを越えると樹氷もすごみを増してくる |
このあたりでスキーヤー2人に追い抜かれる |
スキーヤーに気をとられてペースを上げてしまい、気がついた時には2人はかなり下の方を歩いていた。そしてそのまま帰ってしまったようだ。もう少しだったのに残念だった。 13時23分、頂上に立つ。見えていた青空は消え、吹雪となってくる。スキーヤー2人もすぐに降りていった。 |
頂上手前の最後の登り |
頂上にて 重さ10Kgのリュック 軽くしたつもりなのにどうしても軽くならない |
すぐに降りる気がせず、モタモタしていると視界が開けてきた。日も差してくる。すかさず何枚か写真を撮った。 頂上から先の尾根がなまめかしく延びている。時間が許せばこのまま歩いていきたい誘惑に駆られる。来年、計画してみよう。有峰ダムを越えて神岡に抜けるのも面白そうだ。 |
頂上にたどり着くと同時に吹雪き出した 頂上からたどってきた尾根を振り返る |
セーターと防寒具を着てしばらくたたずむ 降る途中での雪庇と右奥に見えるのは独標 |
水を飲もうと、リュックのサイドポケットに入れていたペットボトル(午後の紅茶)を取り出すと凍りかかっていた。振るとじゃらじゃらと音がする。 13時40分、頂上を後にする。降る途中でシャリバテ症状になる。ジャムパンを1個ほおばる。飲料はシャーベット状の午後ティー。 水分補給をしていなかったせいか左足の内ももがけいれんを起こす。小休止してマッサージ。なんとか歩き出すと今度は右足の内ももがけいれんする。 無理をしないように降り、大品山をゆっくり登り返した。 |
大品山手前で両足の内ももがけいれんをおこす だましだまし、大品山を登り返す |
ゴンドラに乗るのは諦めて水分と栄養を補給する リュックのサイドポケットの午後ティーは凍っていた |
大品山頂上で時間は15時30分。16時30分の終ゴンドラに間に合いそうな時間だったが駐車場まで歩いて降りることにする。頂上に向かっている時からそのつもりだった。 持ち込んだもつ鍋で乾杯。これが今日初めての休憩らしい休憩だった。 16時ちょうど、大品山から瀬戸蔵山に向かう。疲れてはいるが足の違和感はなくなった。 |
16時 広い山頂の大品山を出発 |
17時37分 ゴンドラ山麓駅に戻ったのと日没 が同時だった |
16時55分、ゴンドラ山頂駅を通過する。大品山から55分なら終ゴンドラには間に合っている計算だが休憩を取らなかったら歩けたかどうか解らない。 スノーシューをはいたまま降ったのが失敗で、両足の小指に血豆を作ってしまった。ゲレンデではMSRはまったく滑らないのでつま先に負担をかけたのだ。 ナイターをやっているものとばかり思いこんでいたのが間違いで、下のゲレンデまで降ってみると誰もいない。登山届けを出したまま下山報告が出来なかった。 明朝、切符売り場のお嬢さんから会社に電話がかかってきた。こちらから電話をかけなければと思っていたのに忘れてしまっていた。ご心配をおかけしてすみません。 アルミ製で青いプラスチックの柄がついています。心当たりのある方はご連絡ください。このスコップの柄はゴンドラの駅に届けるつもりです。 |