七姫山



弥陀ヶ原台地の上に鍬崎山が浮かび上がって来る(2007年4月30日撮影)

所在地富山県立山町、上市町
七姫平登山口 アプローチ立山駅から称名滝に向かって2.4Km
登山口標高580m
標   高1335m
標高差単純755m
沿面距離片道4.3Km
登山日2007年4月30日
天 候快晴
同行者単独
参考コースタイム
 富山県の山(山と渓谷社)
登山口(30分)取水堰堤(40分)登山道入口(50分)稜線(40分)七姫山(20分)稜線(20分)登山道入口(30分)取水堰堤(20分)登山口
合計4時間10分
コースタイム 登山口(28分)取水堰堤(52分)登山道入口(34分)稜線(30分)七姫山<休憩1時間20分>(20分)稜線(18分)登山道入口(42分)取水堰堤(25分)登山口
合計5時間45分<休憩1時間20分含む>



常願寺川の対岸にある桂台有料道路から(2007年4月29日撮影)

 昨年の同じ日に(4月30日)人津谷から入って前大日に登っている。前日の(29日)桂台有料道路の落石見張りで、対岸の人津谷を眺めているうちに魅せられてしまうらしい。

 昨年は林道の入口から雪があったのに、今年は林道の上の方にも見あたらない。前大日方向は無理そうなので反対側を狙ってみる。
 残雪期の大辻山からの縦走計画も密かに温めているので、その偵察にもなり、一石二鳥となる。
 林道の先はヤブこぎかと思っていたのだが、新・分県登山ガイド「富山県の山」に七姫山として載っていた。登山道があるようだ。


クムジュン横から人津谷に入る

 

初めは普通の林道

 
 10時ちょうど、クムジュンの横から林道をたどる。紫色の花や黄色い花が目につき、写真を撮りながら歩く。今日はゆったりモードだ。
 最初の支流で道路が寸断されていた。崩落跡は古く、車が入らなくなって数年は経つようだ。
 大きな水門がある所で林道は人津谷の流れから離れる。


振り返れば桂台有料道路

 

林道が大きく崩壊している

 

北電の取水口から人津谷を離れる

 

林道の真ん中が小川となっている

 
 林道は臼越山の裾で七姫山方向へと向きを変える。道路の一面に1mから2m程の木(ブッシュ)が生えていて葉が生い茂ると、歩きにくくなるだろう。
 登山道があるとはいえ、無雪期には向かない山のようだ。


弥陀ヶ原台地の上に徐々に鍬崎山が頭を現し出し、それに薬師岳が続く

 右に少し傾いた弥陀ヶ原高原の上に鍬崎山が少しずつ姿を現し出す。今まで見たことのない不思議な光景だ。
 標高を上げるにつれ、徐々に両翼を弥陀ヶ原高原の上に広げていく。鍬崎山が大きくなっていくかのようだ。
 そして、左の方にもう1つ、真っ白な山が盛り上がって来る。薬師岳だった。七姫山だけの絶景だろう。


葉が茂ってくると歩きにくくなりそう

 

この崩壊斜面の工事のための林道だった

 
 林道の終点に斜面の崩落を止める堰堤や柵が造られていた。この工事のためだけに麓から山肌を傷つけて造られた林道とはいったい...
 何かが違うような気がする。何百万年も昔から山は崩れるものであり、代わりにどこかが隆起して地球はバランスを保っている。
 こんな所に無駄な税金をつぎ込んだ政治家は、いったい誰のために、何のために、そんなことを決めたのだろう? と、思ってしまった。


林道終点から登山道へと入る

 

稜線から望む七姫山頂上

 
 林道終点から山道となる。ここで雪渓の雪を袋に詰め、缶ビールを放り込む。まだ早いような気がしたがこの先に雪がないと暖かいビールを飲まされる事になる。
 少し上がったところで下から人の声がした。登山道を迷っているようだ。声をかける。そして登ってくるのを待った。
 合流したと思ったら2人は休憩に入ってしまった。追いつかれた事でちょっとテンションが上がり、一気に頂上を目指す。


七姫山頂上のプレート

 

次男の恩師と遭遇 鮎川先生と此川先生

 
 稜線に出る前に雪渓が何ヶ所も残っていた。これがくせ者で雪渓がとぎれた後の登山道を見つけるのが難しい。
 このあたりの登山道は不明瞭で、よく見ないとそれとは分からない。雪渓にやたらと足跡をつけてしまい、後の2人のために道しるべを残すようにした。
 稜線に出てから登山道はほぼその上をたどっているので、雪渓をうまく使いながら歩いても登山道を見失う心配はなかった。


僧ケ岳、駒ケ岳、大明神山、毛勝山、釜谷山、猫又山、ブナクラ峠、白馬槍


赤谷山、大窓、剱岳、大日岳、雄山、浄土山、龍王岳


浄土山、龍王岳、鬼岳、獅子岳、鷲岳、鳶山、越中沢岳、スゴノ頭、赤牛岳、


薬師岳、鍬崎山、手前は弥陀ヶ原台地の上の小平から下の小平あたり

 12時40分、七姫山頂上に立つ。頂上の東側は180度刈り開けてあって見晴らしがいい。北の僧ケ岳から南の鉢伏山まで遮るものなく見渡せた。

 お二人が登ってきて話をしているうちに妙なことになった。この2人は次男を教えていただいた事のある先生達だった。今まで偉そうに山の話をしていたのに、急にトーンが下がる。妙に卑屈になっていくのが自分でも分かる。


剱岳には他の山にない存在感がある

 14時ちょうど、頂上を後にする。なりゆきでいっしょに降りる。2人ともラーメンが好きなようで降りながらのラーメン談義となった。
 15時45分、林道入口に戻り、お二人と別れた。目に見えない束縛から解放されたようでホッとした。
 山に関してはお二人に対して先生のはずなのだが、迷惑ばかりかけていた息子だったような気がするので、その先生達に対してはどうも分が悪かった。

 登山道がもう少し整備されていたら素晴らしい山だと思う。弥陀ヶ原高原の上に浮かび上がってくる鍬崎山と薬師岳はここだけの絶景だ。
 まるで山が背伸びをして伸び上がってくるかのように見える。もっと多くの人達に見てもらいたい景色だと、クムジュンでコーヒーを飲みながら思った。


オオタチツボスミレ(?)

 

ミツバツチグリ(?)

 

アズマイチゲ(?)

 
 このオオタチツボスミレはタチツボスミレかもしれないが、何となく雰囲気がオオタチツボスミレっぽい。ミツバツチグリも自信はなくヘビイチゴかキジムシロかもしれない。アズマイチゲも北陸地方には咲いていないような話も聞くので3種とも自信がない。


稜線までの登山道ははっきりしていないので、残雪期には道を見失いそうになる
林道もブッシュが多く、葉が茂り始めたら歩きにくい登山道となるだろう