西穂高岳 |
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所在地 | 岐阜県高山市、長野県松本市 | |
西穂高口駅 | アプローチ | 神岡町から車で40分、ロープウエイで30分 |
登山口標高 | 2156m | |
標 高 | 2908m | |
標高差 | 単純752m 累積(+)800m 累積(−)50m | |
沿面距離 | 片道3.9Km | |
登山日 | 2007年2月25日 | |
天 候 | ||
同行者 | 山岸、長勢、岩城、岸、中島、三井 | |
参考コースタイム 山と高原地図(旺文社) | 西穂高口駅(1時間30分)西穂山荘(1時間30分)西穂独標(1時間30分)西穂高岳(1時間)西穂独標(1時間)西穂山荘(1時間)西穂高口駅 合計7時間30分 | |
コースタイム | 西穂高口駅(45分)西穂山荘<休憩15分>(45分)西穂独標<休憩15分>(57分)西穂高岳<休憩13分>(40分)西穂独標<休憩5分>(18分)西穂山荘<休憩47分>(30分)西穂高口駅 合計5時間30分<休憩1時間35分含む> |
何処へ行けばいいのか分からないときに便利なのが西穂だ。家から車で1時間半とちょっとで新穂高温泉まで行ってしまう。 厳冬期であっても新穂高温泉からロープウエイを乗り継ぎ、標高2156mのスタート地点に簡単に立てるのがいい。 昨年、悪天で独標までしか行けなかった山岸、長勢、岸のリベンジ組に、新たに岩城、中島、三井が加わる。 |
朝6時、八尾を出発 |
新穂高温泉駅で団体に始発を阻まれる |
朝、6時過ぎに家を出る。朝焼けに黒いシルエットとなった立山連峰がなまめかしい。長勢、岩城とは笹津の第二ダムで6時半の待ち合わせである。1台に乗り合わせて新穂高温泉に向かった。 7時50分、新穂高温泉の駐車場に車を停めて身支度をする。(帰りに気づいたのだが、登山者はバスターミナル下の駐車場に停めるようにと書かれていた) 山岸、岸が次々と到着する。中島と三井は西穂山荘前で前日からテントを張っている。 |
第2ロープウエイから眺める穂高連峰 |
すれ違う2階建てロープウエイ |
改札ではいつも通り団体さんに並ばれてしまい、第1ロープウエイは4回待ち。お客さんが多いからか、8時20分頃から改札が始まる。 リュックは8Kg以上あったのに団体さんの中に紛れ込んでしまい重さを量らずに通過してしまった。自己申告するような正義感は持ち合わせていない。 西穂高口駅でいつもの播隆汁(冬季無料サービス)をいただく。亥年だからか猪の肉入りと書いてあった。 |
西穂高口駅のレストラン 播隆汁をいただく |
駅の屋上はカメラを構えたお客さんでいっぱい |
9時20分、西穂高口駅を出発する。MSRライトニング22を持ち込んだのだが、道はよく踏まれていて使わずに済む。リュックに縛り付けたままで、無駄な1.35Kgだった。 前回(2月4日)は岸のスピードに惑わされてしまい、自分のペースが作れなかった。今回は彼の後に付かないようにする。 アップダウンを繰り返して急登を登り、右にトラバースすると西穂山荘である。10時5分、山荘到着。ここまでがワンピッチである。 |
西穂、ピラミッドピーク、独標が見える |
10時5分、西穂山荘到着 |
山荘前はいつも風が無く快適な休憩場所となっている。山荘には福井の高原さんがいて久しぶりにゆっくり話が出来た。 いつ来ても会えるのだが、すれ違いが多い。この人は西穂山荘を週末の遊び場にしているに違いない。 西穂のピークにはこだわらないようだが今回は頂上を踏んできたらしい。トレースがなく怖かったと言う。独標で中島、三井とすれ違った事も教えてもらった。 高原さんの正月に奥穂に登った話、こちらのクリスマスに槍に登った話など、最近の山行きの話で盛り上がった。 |
独標への長い斜面を振り返る 左下に上高地 |
見上げるとピラミッドと独標 |
10時20分、アイゼンをはき、西穂山荘から2ピッチ目に入る。吹いていないように見えても稜線は風が強い。 冬の3000m級の山は下界より15m〜20m程、風が強く、瞬間最大風速が30mなんてのも珍しくない。 長いスロープをオーバーペース気味に行く。このメンバーで行くとテンションが上がってしまうらしい。 ひょいと独標の上に目をやると2人の人影が見えた。手を振ると振り返えしてきた。中島と三井らしい。 |
独標で中島、三井と合流(すれ違い) |
西穂の奥に見えるのはジャンダルム |
11時5分、独標にはい上がって2人の笑顔に迎えられる。独標の上は何故かいつも風が弱い。2ピッチ目の休憩にもってこいの場所だ。 ここでストックをピッケルに持ち替える。11時20分、独標を出発、3ピッチ目にはいる。 独標を境にして、山は別物になる。独標から先を登山とするなら独標まではハイキングみたいなものである。 狭い稜線、境の見えない雪庇、アイスバーンのトラバース、雪と岩のミックス壁等、気が抜けない。 |
ピラミッドピークから西穂を望む |
ピラミッドを含め、小ピークが9つある |
岩と雪のミックスは滑ったり、ひっかかったりでやっかいだ。今回はいているアルミのアイゼンは先が減っているので滑りやすかった。 雪に隠れた岩に乗ると爪がカリッと音を立てて滑る。かなり怖い。アイスバーンのトラバースも滑ったら止まる技術は持っていない。やっぱり怖い。 いつもは薄く凍っている頂上直下の急な壁は、今回は雪がたっぷり付いていて助かった。 |
西穂高岳山頂の標識奥に笠ヶ岳 12時17分 |
頂上で山岸に頼まれてメールを打っている岸 |
12時17分、西穂高岳頂上に立つ。2年ぶりの頂上だ。それなのにちょっと前に登ったばかりのような気がする。 今さら初登の時のような感動が味わえるとは思っていない。同じ山に何回登っても違った感動があるという人達がいる。そんな気持ちにはなれない。この先へ一歩を進めれば新たな感動が得られるかもしれない。 と、山岸の携帯にメールが入る。赤岳の頂上にいるという彼の友人からのものだ。西穂高岳と赤岳の頂上でメールを打ち合うというのも何か変だ。 メールなんかしないで直接、会話すればいいのに、と思ってしまった。 |
頂上を振り返る |
すぐ横に亀裂が走っている雪庇 怖いぜ |
12時30分、頂上を後にする。降りは登りより気を遣う。西穂直下とピラミッドピークの降りは雪が多く助かる。アイスバーンのトラバースは所々雪が腐っていて滑りやすく緊張する。なんと言っても雪と岩のミックス壁の上り下りが一番怖い。 |
西穂山荘に戻る 13時33分 |
14時50分 西穂高岳口駅に戻る |
13時10分、独標に戻り、ピッケルをストックに持ち替える。13時15分、独標を後にする。独標の降りと最初のピークを越えれば後は危険なところはない。一気に走り降り、13時33分、西穂山荘に戻る。 先に降りた4人は山荘のレストランで宴会中だった。しばらくして中島、三井が降りていく。 14時20分、我々5人も後を追った。14時50分、西穂高口駅に戻る。 |
いつ見てもすごいロープウエイの鉄塔 |
ロープウエイで余裕をみせる岩城 |
西穂高は手軽に冬季の高山を経験できるいい山だと思う。運がよければ西穂山荘までのラッセルも経験できるし、稜線の強風も体験できる。 条件がよければ独標の岩と雪のミックスも体験できる。もちろん体力があれば西穂高岳まで足を延ばしてもいい。歩きが遅いという方でも西穂山荘に前泊すれば十分に往復できる。 冬季一押しの山である。 |
新穂高温泉到着 |
駐車場で解散 |
自分より遅い人と登るときは簡単である。いっしょにゆっくり登るか、先に行ってしまうかである。 自分より早い人と登るときも簡単である。ついて行けないのでゆっくり行くしかない。 一番やっかいなのが自分よりちょっとだけ早い人と行くときである。気をつけていても、つい、引っぱられてしまう。 気がついたときは手遅れで、オーバーペースになっていて、体力を失ってしまっている。その後に待っているのは地獄である。 |