雄山(立山) |
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所在地 | 富山県立山町 | |
室 堂 | アプローチ | アルペンルート室堂 |
登山口標高 | 2430m | |
標 高 | 3003m | |
標高差 | 単純573m | |
沿面距離 | 片道2.4Km | |
登山日 | 2007年5月19日 | |
天 候 | あられ、風強し | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(昭文社) |
室堂(1時間)一ノ越(1時間20分)雄山(1時間)一ノ越(45分)室堂 合計4時間5分 | |
コースタイム |
室堂(50分)一ノ越<休憩10分、登り返し10分>(35分)雄山(25分)一ノ越<休憩5分>(25分)室堂 合計2時間40分<休憩15分、登り返し10分含む> |
アルペンルート「雪の大谷散策」の誘導員としての現地応援だった。15cmほどの降雪と風で吹雪き状態。午前中の散策は中止、自由時間が出来た。 当社OBの川上さんや「愛山記」(桂書房)の渋谷さんなどが常駐している「立山自然保護センター」に顔を出す。 「一ノ越まで様子を見に行って来るかな」と言ったとたん、宅配便をたのまれる。頼まれたものは一ノ越山荘の従業員が使う急須が1個。 だけ。 |
室堂山荘もまだ雪の中 |
コースを間違えていた人達がついてきた |
自然保護センターがお客さんに貸し出しているスノーシューを借りて9時10分、室堂を出発した。 雷鳥沢ヒュッテなどの資材輸送用の雪上車跡を行き、室堂山荘横から一ノ越に向かって新雪に踏み込む。 スノーシューで15cmぐらいのゴボリ方だ。雪上車の踏跡で迷っていた人達がついてきた。一ノ越への取り付きが分からなかったようだ。 分からなかったと言うより、トレースがあるものと思いこんで探していたのかもしれない。 |
竹のポールに導かれて一ノ越山荘へ |
今年は雪が多い |
視界は50mほどで次の竹竿がかろうじて見える程度。なるほど、この竹竿は心強い。 一ノ越への浄土沢も幅が広く、勘だけではどこに向かうか分からない。 浄土山の裾を巻くので左下がりのコースになる。硬い雪の上に乗った15cmほどの湿雪がスノーシューごと滑り、歩きにくい。表層雪崩も気になる。 2年前にここで雪崩があり、亡くなった方がいる。 |
一ノ越から降りかけて一瞬の青空に |
また登り返して一ノ越山荘を振り返る |
10時、一ノ越山荘に到着する。中に入ろうとするが雪で扉が開かない。無理矢理開けたら扉がはずれてしまった。 平謝りしたのだが、雪が吹き込んだらいつものことだという。ほっとした。 無事、急須を渡す。お礼にコーヒーをご馳走になった。頂上の様子をたずねると「風が強いからね〜」と、暗に行かない方がいいと言っている。 |
アイゼンは持っていないので岩がある方が安心 |
岩に出来たエビのシッポのツララ版 |
10時10分、一ノ越を出発して室堂に向かう。途中で一瞬、風が止んで青空が見えた。 無性に頂上に立ちたくなり、登り返す。「後ろ髪を引かれる」とはこういう事を言うのだろう。 仕事で来ているのでアイゼンなどの装備は持ってきていない。ピッケルはもちろんストックさえない。凍っていて、やばかったらそこで引き返せばいい。と、自分に言い聞かせる。 だが、途中で引き返すような性格でないことは自分がよく知っている。 |
二ノ越あたりで一瞬視界が効き社務所が見えた |
その社務所を望遠で引っぱるが雪煙がすごい |
自然保護センターで借りたスノーシューは滑りやすいので使うのをやめた、以前持っていたものと同じものだった。 それが意外とアイスバーンに効く。短い6本の爪がしっかりと氷に食い込んでくれる。あのスノーシューは今何処に? |
三ノ越の標識 帰りにここで方向を失う |
頂上直下は岩と氷のミックス |
一本道に見える一ノ越から頂上までの細尾根も降りは怖い。以前、迷ったことがあった。 GPSもコンパスも持ち込んでいない。この強風では足跡はすぐ消える。急がないといけない。 滑落の心配の他に時間の心配もしなければいけなかった。 |
自然保護センターで借りたスノーシューの爪がよ |
く効いた だがここはアイゼンとピッケルの世界 |
頂上直下はアイスバーンの世界。そこで引き返せないのが性格の悪さ。岩を掴みながら三点確保で登る。 10時55分、雄山頂上に立つ。そこはモノクロの世界だった。天候はさらに悪くなり、強風で視界は10m。すぐに引き返す。 分かっていたことだがアイスバーンの降りは怖い。へっぴり腰になりながらもなんとか氷の斜面を降りきった。 |
雄山頂上の社務所 |
今年は雪が少なかったのに高いところは多い |
風が強いと集中力が散漫になる。その後の三ノ越の広い斜面で方向を失った。 とにかく三ノ越の標識を探すことにする。むやみに歩かず、足跡を規則正しく残しながらしらみつぶし的に探す。 思いもしなかったところに標識があり、自分の勘の悪さにがっかりした。がっかりしながらもほっとした。 |
鳥居は少しだけ頭を出していた |
早く戻らないとトレースが消えてしまう |
三ノ越から下は雪が深く、所々に足跡が残っていて助かった。一ノ越山荘に寄って頂上の状態を伝え、室堂に向かう。 途中で10人ぐらいのスキーヤーとすれ違った。一ノ越に行こうと思っていたのに雷がなるので躊躇しているとのこと。 稜線は風が強く、雷の音に気がつかなかった。ジェット機のような音がしていたのが雷だったようだ
ものすごく儲けたような気がした1日だった。 |
晴れていればこの「雪の大谷」でお客様の誘導の仕事があったはず(瀧林撮影) |