雄山(立山) |
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所在地 | 富山県立山町 | |
室 堂 | アプローチ | アルペンルート室堂 |
登山口標高 | 2430m | |
標 高 | 3003m | |
標高差 | 単純573m | |
沿面距離 | 片道2.4Km | |
登山日 | 2007年11月24日 | |
天 候 | 晴れ後曇り | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図(昭文社) |
室堂(1時間)一ノ越(1時間20分)雄山(1時間)一ノ越(45分)室堂 合計4時間5分 | |
コースタイム |
室堂(40分)一ノ越(55分)雄山<休憩1時間>(25分)一ノ越(35分)室堂 合計3時間35分<休憩1時間含む> |
降りがけの雪は柔らかくてやっかいだ。雪に隠れた穴に足を突っ込んだり、岩にひっかけたり、垂れ下がった枝に行く手をはばまれたりする。行くなら雪のない低い山か、雪がたっぷりある高い山がいい。 今回は、高い方の立山を選ぶ。 |
立山駅8時の始発バスに乗る。並んでいるお客さんの最後に廻ったので3台目のバスになった。 立山ケーブルは工事のため運休している。バスで室堂まで標高差2000mを一気に行く。9時過ぎに室堂に降り立った。 |
ターミナル屋上から一歩外へ踏み出して直ぐに戻った。風が冷たく強い。戻ったところで呼び止められた。 すぐには思い出せなかったが、2年前の冬、大辻山敗退の時にお会いした大瀧さんだった。長尾峠でいろいろご馳走になった。 室堂山荘に宿泊して、スキーを楽しむと言う。立山のフィナーレにはスキーヤー達(ボーダー達)が似合う。今年も雪が間に合ってよかった。 |
9時30分、雨具をウインドーブレーカー代わりにして外に出た。雪はつぼ足でもいいくらい踏み込まれているがスノーシューをはく。 MSRライトニングは軽く、爪がよく効いて歩きやすい。 |
室堂山荘から浄土山の裾を巻きながら姥堂へと向かう。姥堂から浄土沢を横切り、今度は雄山側をトラバースする。 雪が軽い時はスノーシューの方が有利なようで、シール歩行のスキーヤーをどんどん追い越す。 |
10時10分、一ノ越。コルは風が強く、皆、山荘の裏(東側)で風を避けながらスキーのセットをしていた。 雄山方向を見上げると尾根の東側にきれいに雪が付いている。スノーシューで行けると思い、そのまま歩き出す。これは失敗だった。 |
表面がややクラストして中がざらざらの雪質。スノーシューの爪はクラストした雪を掴んでいるが中間層が滑る。 右側から回り込んだため、斜面は尾根より急だ。コルから50m程登った尾根の岩場でアイゼンに履き替えた。ストックもピッケルに持ち替える。 スノーシュートとストックは風に飛ばされないように岩陰に隠した。 |
岩と雪のミックス尾根を行く。先の丸くなってしまったアルミのアイゼンはもう惜しくない。平気で岩にぶつける。 雪は柔らかくピッケルはあまり役に立ちそうもない。ピッケルは便りになる道具だが、ストックの方が体にはやさしい。 |
11時5分、社務所前に出る。ここの風景はいつ来ても同じだ。おそらく真冬に来ても同じ積雪に違いないと妙な確信を持った。 目線より低い社務所の屋根を横目に神社へと向かう。鳥居は雪面に頭だけ出している。これもいつもと同じだ。 雪庇に気をつけながら神社へと登った。ただ1人、神社前に立ってお祈りする。きっと神様もひまだから1人だけの願い事なら聞いてくれるだろう。 |
社務所に戻り、屋根の下の雪を踏み固める。風のない快適なシェルターが出来上がった。体の温まるものを作る。 氷点下9度ではビールより日本酒だと思った。ビールは熱燗にならない。 |
12時5分、下山開始。不注意な転倒を避けてゆっくり降りる。デポしたスノーシューとストックを回収する。 一ノ越まで2回もアイゼンがはずれた。以前西穂からの降り、アイスバーンのトラバースでアイゼンのジョイントが折れて滑落しそうになったことがあった。 アイゼンにはそういうトラウマがあってか安心して歩くことが出来ない。 |
一ノ越からはピッケルをストックに持ち替えただけでアイゼンのまま降る。少しゴボルだけで歩きにくくはない。 室堂平でパラグライダーのようなものにつながっているボーダーがいた。「飛べるのか?」と聞いたら「飛ぶものじゃない」と一言だけ。滑るものらしい。 しばらく様子を見ていたが滑走できるほどの風は吹かなかった。座り込んだままじっとしている姿は間が抜けて見えた。 |