高頭山(たかずこやま)



高頭山頂上広場(2007年5月26日撮影)

所在地富山市
熊野ダム アプローチ上滝より熊野川を車で約30分登る
熊野川ダム335m
高頭山1210m
標高差単純875m 累積(+)900m (−)25m
沿面距離7.5Km
登山日2007年5月26日
天 候晴れ
同行者単独
参考コースタイム
富山県の山(山と渓谷社)
登山口(1時間)三枚滝分岐点(2時間)頂上(2時間)登山口
コースタイム熊野川ダム(55分)登山口(55分)三枚滝分岐点(1時間45分)頂上<休憩55分>(55分)三枚滝分岐点(25分)登山口(1時間)熊野川ダム
合計7時間50分<休憩1時間含む>

 翌日、結婚式に招かれていて、スピーチを頼まれている。気が重い。思いっきり山に登って忘れたい。だが危ない山には行けない。出席できなくなったら大変だ。
 唐堀山か高頭山に行ってススタケでも採ってくることにする。唐堀山は昨年登っているので高頭山を選んだ。


熊野川ダムから先は通行止めとなっていた
 

熊野川ダム
 
 上滝から熊野川を6Kmほど上ったところに熊野川ダムがある。ダムの手前のトンネルで通行止めとなっていた。
 9時20分、ダムの駐車場に車を停めて歩き出す。トンネルには入らずにダム側の細い通路を歩く。
 アスファルトの林道を約1Kmほど行ったところが工事現場だった。幅30mほどにわたって決壊している。通路は人が歩ける程度の幅しかなかった


しばらく歩いてダムを振り返る
 

道路が崩れていて工事中
 
 決壊箇所の先に車が1台停めてあった。発電所との往復に使っているのかもしれない。路傍の花の写真を撮りながら、だらだらと歩く。気分は晴れない。
 道脇に屋敷跡らしき石垣が見えてきた。笠ヶ岳や槍ヶ岳を開山した播隆上人が生まれた河内村の跡だ。
 立派な石碑と石版だけがアンバランスに山の中に立っている。こういう違和感は大好きだ。何故かいい。


人がかろうじて歩けるだけ
 

播隆上人生誕の地 河内村
 

播隆上人を称えた石盤
 
 発電所の入口に柵がしてあり、立ち入り禁止の看板がかけられている。その両側はガラガラに空いている。車対策なんだろうが、この違和感は好きになれない。
 これを回り込んで発電所の前に立つ。後ろに見える導水管しか見えなくてそちらを目指す。本当の登山口は発電所の右側にあったのだった。


発電所の入口は通行止めとなっている
 

発電所の右側が登山口だった
 
 やっと登山らしくなるかと思ったのだが、コンクリートの階段は味気なく、おまけに急登。4年前の記憶では初めは普通の登山道で途中から導水管だったような...
 導水管が地中に潜っているところで右に折れると登山道と合流した。やはり入り方を間違えたようだ。


間違えて導水管を直登する
 

左の登山道に逃げる
 
 導水管の階段を歩くのは登山気分にはそぐわないがそれなりに面白い。粟巣野から大品山への導水管よりは明るくてきれいだ。
 途中から工事中の重機用の跡と思われる幅広い道路が登山道となっていた。登りはこちらを選んだ方がいい。


上に見えるタンクが導水管の終点
 

水平道を右にたどって左に登る ポールが目印
 
 登山道は導水管終点手前から右に折れている。水平道に近く、熊野川上流の3段の滝近くまで続いている。
 登山道はこの水平道を50mほど入ったところで左に折れる。分かりにくいが、鉄のポールが立てられているので、そこで左側に振り返ってみるといい。


登山道はヤブの中
 

何かを掘り起こしたような跡があった
 
 水平道から離れて尾根へ登り切る。尾根から先はヤブが酷くて道跡がかろうじて分かる程度。
 このあたりだけかと思いながら進むが、いっこうによくならない。道路の決壊が原因なのか忘れ去られた山のようだ。


春のブナ林には独特な美しさがある
 
 ヤブの中にいくつものススタケが目に入る。登るときに採っても荷物が重くなるだけだ。見なかったことにして登る。
 標高が高くなればヤブも解消されるかと高をくくっていたのだが甘かった。ヤブは頂上まで続いた。


頂上の広場はヤブにはなっていなかった
 

頂上より少し北西にある二等三角点
 
 いったん降って、登り返し、12時55分、頂上に出る。小さな円形劇場のような頂上の広場はヤブにはなっていなかった。  4年前は、ここに沢山の登山者がいたのに、今日は1人だ。山にも栄華衰勢があるらしい。
 頂上はブナの木に囲まれていて視界は効かない。それなのに気がつくと1時間が過ぎていた。13時50分、頂上を後にする。


この山もススタケで有名
 

ヤブで道を間違えて導水管の上に出る
 
 降りかけて、いきなり道を失う。GPSを見ると90度ほども方向を間違えている。ヤブが酷すぎるのだ。
 ススタケを採りながら左にコースを変え、登山道に戻る。登山道と言ってもヤブに変わりはない。ヤブの中にトレースがあるという程度だ。
 見える範囲でススタケを取りながら降った。登山用のリュックしか持ってきていないので沢山は持ち帰れない。


黄砂に煙る熊野川ダム

 
 導水管の手前で左に降りなければいけないのにヤブが酷く、真っ直ぐに行ってしまい、出たのは導水管の上だった。
 降りは登山道は使わず、導水管横のコンクリートの階段を降りる。  発電所まで戻り、林道をたどる。歩きながらスピーチの原稿を取りだし、声に出してみる。誰もいないのに声が裏返る。明日は、絶対、失敗すると思った。


ウマノアシガタ
 

タニウツギ
 

シャガ
 

3.6Kmの林道歩きがかったるい

 

導水管終点から上は整備されていないようでヤブが酷い Tシャツだったので腕が擦り傷だらけ