栂海新道−2



アヤメ平のお花畑(2007年8月4日撮影)

所在地富山県入善町、新潟県青海町、長野県白馬村
アプローチ小川温泉、蓮華温泉、白馬大池、黒岩山から
朝日小屋標高2145m
栂海山荘標高1545m
標高差単純△600m 累積(+)660m 累積(−)1260m
沿面距離片道12.7Km
登山日2007年8月4日
天 候晴れ
同行者山岸、藤原、中嶋、南原夫妻、BOW
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
朝日小屋(40分)朝日岳(30分)千代の吹上(2時間50分)黒岩山(1時間30分)サワガニ山(1時間30分)犬ヶ岳(10分)栂海山荘
合計7時間10分
コースタイム 朝日小屋(50分)朝日岳(40分)千代の吹上<途中休憩10分>(3時間50分)黒岩山<休憩5分><途中休憩20分>(3時間20分)犬ヶ岳(10分)栂海山荘
合計9時間20分<休憩40分含む>


 目が覚めてみると明るい。時計を見て驚いた。8時50分で、まだ消灯前だ。また長い夜になりそうだ。
 明るいうちにトイレに行き、枕元にヘッドランプと水を用意する。消灯の合図があり、しばらくして真っ暗になった。


朝日小屋の朝

 

朝日小屋の朝食

 
 寝ているような、目が覚めているような宙ぶらりんの時間を過ごす。雨風が強くなり、時計を見ると真夜中の12時。明日の事が心配になる。
 1時頃に雨がやみホッとする。それからは降ったり止んだりを繰り返した。しばらくは寝たようで気がついたら4時だった。


朝食が終わった後の食堂

 

清水ゆかりさんとツーショット

 
 目が覚めたときに雨が少し降っただけでその後はやんでいる。ガスっている様だが雨に比べればずっといい。
 5時からの朝食を終え、6時に小屋を出る。雨具を上下着こんで出て行くパーティーが多い中で我々だけが雨具なしでスタートした。


朝からのガスの中、朝日岳を目指すく

 

千代の吹上でポーズする南川と中嶋

 
 朝日岳頂上を過ぎてから西風が強くなる。台風の影響だろう。飛ばされた南川の帽子はなんとか追いつけた。だが藤原のザックカバーはあっという間にガスの中に消えた。
 前を行く人間まで飛ばされそうになり、思わずリュックをつかむ。風の影響は体の表面積に比例しているようだ。おかげさまでこんな風には何も感じない。


栂海新道を整備している人達の宿舎

 

草原を行く

 
 千代の吹上から風は少し弱くなる。長栂山は地図上では左にあるはずなのに右側にあった。単独の女性が長栂山で行き詰まり、何を勘違いしたか今来た道を戻っていってしまった。
 北へ向かう道を見つけてから後を追う。ガスの中で完全に方向を失ったようだ。追いついて道を教える。不思議そうな顔をしながらもついてきた。


ひたすら草原を行く

 

アヤメ平のお花畑

 
 アヤメ平はその名の通りヒオウギアヤメが花盛りだった。クルマユリ、コバイケイソウ、クロトウヒレンなどがそれぞれ群生して花を開かせている。
 ガスに消えて遠くが見えないのもいい。この景色がどこまでも続いているような幻想的な雰囲気を漂わせている。


途中に何ヶ所も池があった

 

中嶋と南川夫妻

 
 黒岩平で大休止する。黒岩山で山岸と落ち合う約束なので時間調整の意味もあった。ここを流れる小川の水は冷たく、いい水場となっている。
 雪渓が遅くまで残っていたのだろう、水芭蕉がまだ咲盛りだった。リュウキンカも黄色い花をつけて水際を飾っている。


BOW、南川、中嶋、藤原

 

栂海新道はこんな風景が多かった

 
 出発しようとしたとき、登ってくる単独の男性がいた。黒岩山中俣新道から登ってきた山岸だった。黒岩山で待ちきれず、迎えに来たのだった。
 もう少し早く出発しておけばよかったと反省する。これで4カ所から合流した混成パーティが完成した。こんな登山は2度と出来ないだろう。


北又の水場

 

水場への道は左後方にある 見逃しやすい

 
 北俣の水場で水を補給する。草むらにある小さな看板と倒れかけた看板は見にくい。道も左後ろへと降っているので見落としやすい。
 往復10分と書いてあったが降りは2分で登りは3分だ。快適な山荘泊まりのため、十分な水を確保する。小ピークをいくつか越えれば犬ヶ岳だ。


犬ヶ岳に到着

 

栂海山荘に到着(右側の新しい建物入口)

 
 15時10分、犬ヶ岳頂上に到着する。流石にほっとした。あとは軽く降れば栂海山荘である。雨脚が強くなっているので休憩無しで降る。
 山荘には20人ぐらいいただろうか。空いているスペースはまだ十分あった。ただ7人がかたまっていられる場所は旧栂海山荘の2階部分だけだった。
 ちょっと狭いが貸し切り状態になれるのがいい。工夫すれば7人ぐらいなら寝られそうだ。(実際は4人が寝ただけ)


旧栂海山荘に入って左側

 

旧栂海山荘に入って右側

 
 栂海山荘は建て増しされたようで倍以上の大きさになっていた。右側部分(西側)が拡張されていて宿泊施設だけなので大きなスペースを確保している。
 こちらが公共施設としての建物のようだ。宿泊者が多くて泊まれないときだけ旧栂海山荘の部分を使ってもいいと書かれた板があった。
 旧栂海山荘はサワガニ山岳会の建物で彼らの好意で提供されているだけなのだ。感謝しながら使わせてもった。


旧栂海山荘(入って左側)2階


新栂海山荘(入って右側)2階


旧栂海山荘(入って左側)1階

 

新栂海山荘(入って右側)1階

 
 雨に濡れたものを着替え、荷物を整理したあと、山岸が担ぎ上げた缶ビールで乾杯する。だが飲めない者が3人もいた。この山荘で缶ビールが2本も飲めるとは思わなかった。
 ウイスキーも残っているし、中嶋が持ち込んだ清酒立山もある。アルコールの量は充分なのだが疲れも手伝ってか、たいして飲まないうちに寝てしまった。