大猫山〜猫又山 |
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所在地 | 富山県立山町 | |
登山口 | アプローチ | |
登山口標高 | 970m | |
標 高 | 大猫山2070m 猫又山2378m | |
標高差 | 単純1408m 累積1460m | |
沿面距離 | 登り5.5Km 降り5.5Km | |
登山日 | 2008年10月26日 | |
天 候 | 曇り | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム |
ブナグラ谷取水口(2時間20分)大猫山<休憩10分>(1時間15分)猫又山<休憩5分>(50分)ブナグラ峠<休憩35分>(1時間35分)ブナグラ谷取水口 合計6時間50分<休憩50分含む> |
大猫山から猫又山までの登山道が出来たと聞いてから1年。他に予定もなかったので、たどってみることにする。 家を6時過ぎに出て、下道をゆっくり走り、ブナグラ谷取水口に7時半過ぎに到着する。堰堤のハシゴを登っていく登山者が数名見えた。猫又か、赤谷か? |
7時45分、大猫山へ向けて出発する。登山口に立っていたのは標識ではなく、遭難者の情報提供依頼だった。 この登山道は大猫平まで急登が続く。単独なので自分のペースでゆっくり体を作る。 |
右手後方に見える剱岳には笠雲がかかっていた。天候は悪くなるようだ。先日敗退した小窓の雪渓も見える。 大窓に雪渓がないのに小窓にあるのは、谷幅が狭いからだと思う。谷の両岸に降った雪が全部谷底に集まり、ぶ厚い万年雪となるからだろう。 |
大猫平に出ると頂上は近い。池唐をいくつか左右に見ながらうねった草原を抜け、最後の急登を登り切ると頂上だ。 大猫山にはっきりとしたピークはない。少し盛り上がった所にペナントが下がっていて、それと分かる程度だ。 |
10時5分、大猫山頂上。最初の休憩を入れ、水分補給などする。だが、風が冷たくゆっくりしている気分になれない。 猫又山を目指して、新しくできたという稜線上の登山道を行く。このあたりの登山道は以前からあったようで、かなり踏み込まれている。 |
途中に「次三角点」と彫られた三角点があった。「次三角点」を見たのは2度目である。4等三角点の次という意味だろうか?ならば5等三角点? 稜線上の登山道はアップダウンを繰り返しながら猫又山へと続く。大きな岩の巻き道があったり、アオモリトドマツが切り払らわれたところがあった。 |
猫又山に近づくにつれ、踏み跡は不明瞭になり、神経を使う。風も強まり、Tシャツでは寒く、フリースのセーターを着た。 寒さで耳は痛く、軍手の中の指も痛い。温度計を見ると3度だった。これに10m以上ありそうな風速が加わって体感温度は氷点下? |
急斜面を登り切ると右下がりの草付きになり、ふみ跡はさらに不明瞭になってくる。かまわず進むと右からの登山道に突き当たった。ブナグラ峠からの登山道らしい。 それを左にたどると頂上は近かった。11時30分、猫又山頂上。頂上も風が強く休んでいる気分にはなれない。リュックも下ろさず、写真を数枚撮ってすぐに戻る。 |
地図も磁石も忘れて来ているので登山道をはずさないように慎重に降る。小さなカール状の窪地からの登山道を見つけてホッとする。 風が強いと注意力が散漫になりやすい。歩き方も乱暴になるようだ。意識的にゆっくり降りた。 |
狭い稜線の急降を降り、最後は大きな岩の左側を巻いて12時25分、ブナグラ峠に降り立った。峠でしゃがむと西風が避けられる。 お湯を沸かしてラーメンを作り、コーヒーを煎れる。寒いときに温かいものがあると心まで温かくなるようだ。しばらくくつろぎ13時ちょうど、峠をあとにした。 |
峠からゴーロ帯を20mほど降ると左に登山道の入口がある。間違えて降りても登山道はすぐ左を走っているので心配は要らない。ちょっと藪を漕げば登山道に戻れる。 |
ブナグラ谷の中央付近に紅葉が残っていた。なごり紅葉とでも言うのだろうか?日が当たっていないので燃えるような色とは言えないが、こんなやさしい色もいい。 落ち葉を踏みしめながら降る登山道も神岡の古里を思い出させて懐かしい。 |
いくつか小さな沢を渡ったあと、歩いている道が登山道なのか沢なのか自信がもてなくなってきた。登山道をはずして沢を降っているかもしれないと、ふと思う。谷に出てから戻るのは面倒だ。 戻るか、もう少し行ってみるか悩んでいるときに、枝に下がっている赤い布をみつけてほっとする。ブナグラ谷は残雪期がほとんどで、夏道をたどったのは過去に1回しかない。 |
ブナグラ谷登山道の下部は小さな沢がいくつも交差し、道が分かりにくい。往復したのならいいが、降りだけで使ったからなおさらだった。 大ブナグラ谷、小ブナグラ谷を渡り、14時35分、取水口まで戻る。 |
以前、秋の里山は一人歩きが似合うと書いたことがあった。だが、それは、天候などの条件がいいときだけだ。 寒くて風が強い日など寂しいだけだ。リュックを下ろしてゆっくりする気にもなれない。山と対峙して云々なんて言うのは無理。私には絶対無理。 |