立山(雄山)



(2008年4月12日撮影)

所在地富山県立山町
弥陀ヶ原 アプローチアルペンルート内弥陀ヶ原駅
登山口標高1930m
標   高3003m
標高差単純1073m
沿面距離片道7.7Km
登山日2008年4月12日
天 候
同行者中嶋夫妻、岸、BOW、碓井
コースタイム 弥陀ヶ原(1時間10分)天狗平(37分)室堂(49分)一ノ越(33分)雄山(12分)一ノ越<休憩23分>(28分)室堂<休憩12分>(26分)天狗平(54分)弥陀ヶ原
合計5時間44分<休憩34分含む>



室堂からの登りは大胆に浄土山の中腹をトラバースしながら行った

 
 弥陀ヶ原から雄山日帰りは実はまだ完璧に成功していない。1回目は一ノ越で時間切れだったし、2回目は天狗までバスで入っている。
 今回で3回目の挑戦となる。金沢チームが参加してきて5人となった。立山駅8時過ぎに集合して、8時40分のケーブルに乗る。美女平9時の高原バスで弥陀ヶ原へ向かった。


弥陀ヶ原ホテル

 

9時48分 弥陀ヶ原出発

 
 小雨もようだった天候も「上の小平」で雲海を抜けると青空だった。雪の回廊を走るバスからは雪の壁にさえぎられて景色がよく見えない。それでも青空に連なる白い山並みが時々姿を見せる。
 気持ちはすでに全開。バスの中を見渡すと、他の4人は...寝ていた。


除雪に使われたブルドーザー

 

今年からアルペン村が経営する立山荘

 
 滝見台で登山者が1人とスキーヤーが1人降りていった。登山者はいいとしてスキーヤーはどこを滑るのだろう。
 (翌日のニュースで、この方が称名川へ滑落して亡くなられたことを知った。会社でこの話をしたら「何故止めなかったのか」と言われた。その時はその方が称名川へ落ちるなんて思ってもみなかった...)


ロータリー除雪車が吹き上げる雪

 

ロータリー除雪車と大日岳

 
 バスは弥陀ヶ原へ少し送れて到着する。弥陀ヶ原ホテル前で身支度をする。我々の他にもう1人いた登山者に行き先をたずねると雄山だという。
 5人パーティーはその瞬間に6人パーティーになった。


上市から碓井が参加して6人となる

 
 9時48分、弥陀ヶ原を出発する。予定より20分ほど遅れている。これで雄山往復の持ち時間はほぼ6時間となる。
 持ち込んだストーブやカレーうどんは重いだけの無駄な荷物になりそうだ。


美松坂を行くBOWとせっちゃん

 
 美松までの斜面は傾斜がきつく、滑って除雪された道路に落ちると危ない。(場所によっては雪の壁が4m以上ある)安全のため道路を歩かせてもらった。
 美松からスノーシューをはいて天狗平へと雪の上を行く。広い美松坂も視界がいいので方向を間違える心配はない。


「剱岳・点の記」のロケ現場

 

古いテントや飯ごうが可笑しい

 
 天狗平山荘の横に、今時、見たことのない古いテントが張ってあった。鍋もめっちゃ古い。少し離れて照明用のスタンドが沢山並んでいるのをみて解った。「剱岳・点の記」のロケ現場だった。


新雪をまとった剱岳

 
 天狗平から室堂は道路の右側(天狗山側)を行く。ここは雪上車の跡を歩くので道路に落ちる心配はない。
 絶景ポイントから眺める剱岳は新雪をまとってまっ白だ。遠くから眺めると、歩きやすそうに見えたり、危なそうに見えたりで気になる。確かめてみたい。


雪の大谷を下から見る

 

雪の大谷を上から見る

 
 11時35分、室堂ターミナルを(左手に見ながら)通過する。おおよそ予定してた時間の範囲内だ。
 ここから少しずつ標高を稼ぐために浄土山の中腹を巻いていくことにする。スノーシューをアイゼンに履き替えた。
 このコースは多分、誰も通らない池原オリジナルだと思う。


まだ雪の中に眠る一ノ越山荘入口

 

一ノ越のバイオトイレも雪の中

 
  急な左下がりのトラバースにスノーシューを履いたままの碓井が歩きにくそうだ。ほぼ夏道をたどった岸もスノーシューで歩いている。
 左下がりのトラバースが祓堂から右下がりのトラバースに変わる。このトラバースで体力を消耗したと言っていた。


一ノ越から後立山連峰をのぞむ

 
 12時24分、一ノ越に到着する。山荘はまだ雪の中だ。玄関前に積もった雪が「ここはまだ冬だ」と言っている。
 コル特有の吹き抜ける風が冷たい。薄いフリースのセーターを1枚着る。玄関前にリュックをデポし、ストックをピッケルに持ち替えて頂上を目指す。


三ノ腰の祠

 

頂上は近い

 
 アイゼンの重さが効いてくる。休憩を取っていないことも影響してか、息があがってくる。5340ccの肺活量を総動員する。
 12時57分、雄山頂上に立った。タイムリミットにしていた13時をわずかに切っただけだ。廻りの山々をカメラにおさめてすぐに降りる。


雲海に浮かぶ鍬崎山

 
 弥陀ヶ原の終バスまで残り2時間55分。アイゼンが効いているので一ノ越まで12分で駆け下りた。登ってきたBOWと合流し、一ノ越山荘の屋根で乾杯。ビールを飲みながら22分の休憩を取った。


雄山頂上の社務所

 

雄山神社 手前の鳥居はほとんど雪の下

 
 13時32分、一ノ越をあとにする。雪が堅いのでスノーシューより、アイゼンの方がいい。スノーシューのままのBOWはトラバースが辛そうだった。


徐々に標高を稼ぐために浄土山をトラバースしながら登った

 

浄土沢

 

この時期に活躍する雪上車達

 
 14時ちょうど、室堂に戻り、焼き肉パーティーをやっていた中嶋夫妻と合流する。アイゼンをスノーシューに替えたりで12分の休憩を取った。
 ちょっと送れていた碓井も戻り、全員揃う。14時12分、室堂出発。


天狗平を走る雪上車の跡 遠くは大日岳

 

弥陀ヶ原高原と雲海に浮かぶ大日岳

 
 室堂〜天狗平は標高差もあまりなく、登りに要した時間と変わらない。天狗平のロケ現場には人が沢山いる。撮影をやっているようだ。
 近づこうとするとスタッフが1人にこにこしながらやってきて「明治時代のロケなので天狗平山荘の方から降りてもらえないでしょうか」と言う。揉み手でもしそうな雰囲気だ。

 バックに写してしまうようなヘマはしないと思うがスノーシューの跡が残ったりするのが嫌なのだろう。楽しみにしている映画なのでおとなしく言われる通りにした。


ロケの真最中で、明治時代の映画なので

 

近づかないで欲しいとお願いされた

 
 美松坂では碁石谷から道路に降りた。弥陀ヶ原ホテルの水源地を掘るために重機が通った跡があったからだ。
 弥陀ヶ原から天狗平の間で道路に降りられる所は美松と碁石谷の2箇所だけだと思う。もう1カ所あるとすれば弥陀ヶ原ホテルのすぐ上のホテルの水槽がある所だ。だが、ここまでが危険なので意味がない。


せっちゃん

 

岸とBOW

 
 15時32分、弥陀ヶ原に戻る。バスの時間まで余裕があったので、弥陀ヶ原ホテルで大好きな雲海コーヒー(700円)を飲む。
 山行きの後にホテルで飲むコーヒーもなかなかいい。と、言うより達成感のある山行きの後はいつだっていい。

 一ノ越まで持ち込んだケーキやストーブがシャクだ。千寿ケ原に戻ってから駐車場で輪になってコーヒーを湧かす。(カレーうどんまでは作れなかったが...)
 半分つぶれたロールケーキが美味しかった。醤油で濡れた(気圧の差で醤油が漏れた)コーヒーも美味しかった。
 車の窓からの不思議そうな視線を感じながら、今年も立山が始まった事を...ようやく実感した。


室堂から少しずつ標高を稼ぐので急登はない ただし最初から最後まで左下がりのトラバース