鳶 谷



鳶谷核心部の滝は左側(右岸)から巻いた(Photo by Funasugi))

所在地富山市大山町
折立登山口 折立標高1356m
薬師小屋2690m
30日累積(+)1550m 累積(−)215m 沿面距離11.6Km
31日累積(+)85m 累積(−)1420m 沿面距離9Km
登山日2008年8月30日〜31日
天 候30日 雨  31日 晴れ
同行者舟杉、荒井、長勢、石黒
コースタイム 折立(1時間)岩井谷(1時間20分)岩井谷出合(4時間50分)二俣(5時間)薬師小屋
合計12時間

薬師小屋(1時間10分)太郎平<休憩30分>(30分)2180m<休憩20分>(43分)三角点<休憩10分>(52分)折立
合計4時間15分<休憩1時間含む>


 天気予報が雨なのに鳶谷に向かった。後の予定が詰まっていて、メンバーも違うのでスケジュールの変更が難しい。とはいえ、やや無謀。
 予想通り降られてしまう。水量が見る間に増え、濁っていくのを見ているのは気持ちのいいものではなかった。おまけにカメラを雨で濡らしてしまい、起動不能となる。

8月30日



GPSを忘れてしまい長勢からデーターをもらう
 

折立のゲート
 

約1時間で岩井谷
 
 折立で雨が降っていれば考えたかもしれないが、西の空が明るかった。つい、誘われるように林道をたどり、岩井谷に向かう。
 岩井谷橋で身支度を沢用に替え、入峡する。堰堤をいくつか越えると川幅が狭くなってくる。水量も少なく、難しいところも危険なところもない。


雨が降る前の水量は大したことはない
 
 岩井谷出合(本当は鳶谷出合と言うべきだろう)から少し入ったところで雨が降り出す。天気予報通りだとはいえ、未知の沢で雨にあうのは気が重い。
 小降りだった雨が本降りになり、雨具を着た。沢で雨具を着るのは変だが、泳ぐつもりはないし気温も低い。


水もまだ澄んでいる
(Photo by Funasugi)

 少しずつ水量が増えてくる。水量が増えてくると滝じゃないところまで滝に見えてくる。雨で溯行図を見る気もせず、どの滝が何だったかもう分からない。
 どの滝も難しいところはない。登りやすそうな方へと徒渉を繰り返す。水量が増えているのでコースを見定めながら早めの徒渉を心がける。


水量が増えてくるのが分かる
自分で撮った写真はこれが最後

岩井谷の出合を過ぎても水量は減らない
(Photo by Funasugi)

 水量が増えるだけでなく、茶色く濁ってくるのが気持ちが悪い。濁りは本流じゃなく、合流してくる支流のようだがいつ本流も濁ってくるかわからない。
 小降りになってほっとしたり、本降りになって気が重くなったりを繰り返す。


雨のシャワークライミング(?)
(Photo by Funasugi)


下流部で一番川幅が狭いところ
(Photo by Funasugi)


核心部の大滝はザイルを出して左側(右岸)から巻く
(Photo by Funasugi)


水量が少なければ右から行きたいが今日は左から高巻く
(Photo by Nagase)

 本には全10段65mの核心部の滝は右にルート工作して登ったとあったが、今日の水量ではそんな気になれない。
 左のガリーを10m程詰め、CS気味の右を長勢が乗り越えた。その奥の棚に出て、そこから草付きを10m登り右にトラバース気味に登ると5人がやっと立てるほどの棚がある。


水量が少ないときにはここを行こう
(Photo by Nagase)

この高巻きでザイルを出す
(Photo by Nagase)

 そこから岩の下を巻いてさらに10mほど藪を漕ぐ。さらに右下に滝を見ながら危うい草付きをトラバースして滝の横に出る。
 折り返すように上に向かって藪を15mほど登るとようやく平らな所に出る。そこから沢に向かって藪を漕いで本流に戻った。ここで1時間以上を使う。


50mほど高巻いたところ
(Photo by Nagase)

草付きのトラバースを終えたところの滝
(Photo by Nagase)

 なだらかなゴーロ帯に見えたのだがさらに滝は続く。小さな滝をいくつ囲えていくと奥に大きな滝が見えてきた。本で見たチョック・ストーン18m滝だ。
 本に載っていた写真と比べると水量がかなり違う。本ではまったく水流がないのにCSの右側からも大量の水が落ちている。


奥に見えるのがCS(チョックストーン)18m滝
(Photo by Funasugi)


CS18m滝は右側の岩を登る(赤い色のザックカバーの荒井)
(Photo by Funasugi)

 CS18m滝は右側の多段の岩を行くと書いてあった。手がかりは沢山あって難しいところはない。最後は左にトラバース気味に登る。
 このあともしばらく小滝が続く。ここはもう体力勝負だけなのだが、石黒の顔色が悪い。足が上がらない。体が持ち上がらない。頑張れ石黒。


CS18m滝を登る
(Photo by Nagase)


頑張れ
(Photo by Nagase)

 突然と言った感じでなだらかな草付きに出る。危険地帯は終わった。小屋までの標高差は約300m。先行している3人の姿が見えない。
もう手を使う場所もない。体力の限界に来ている石黒のリュックを奪い、稜線へと向かった。


CS18m滝を越えれば草付きは近い
(Photo by Arai)


歩くだけなのだが、ここからが長かった
(Photo by Arai)

 途中で長勢が待っていてくれて助かった。プラス10Kgはそれほど重くはないが、リュック2つはまともに担げない。10時間以上歩いている体にはこたえる。
 交代で担ぎながら小屋へと急ぐも最後のザレ場で日没となる。振り返えって眺めた富山平野の夜景におもわず息をのむ。雨はいつのまにかあがっていた。


鳶谷源流の涸れ沢を行く
(Photo by Nagase)


振り返って眺めた富山平野の夜景
(Photo by Nagase)


8月31日



GPSを忘れてしまい長勢からデーターをもらう
 

薬師小屋の朝
(Photo by Nagase)

夜が明けてくる
(Photo by Nagase)


鳶谷源流と鍬崎山
(Photo by Funasugi)


薬師小屋をあとにする 恨めしい天気だ
(Photo by Arai)


新井さん達と遭遇
(Photo by Funasugi)

折立で石黒農園の西瓜をご馳走になる
(Photo by Funasugi)