富士ノ折立東陵敗退



富士ノ折立東陵 単独では危険だと思った(2009年9月11日)

所在地富山県立山町
室堂登山口 アプローチアルペンルート室堂
登山口標高2430m
真砂岳標高2861m
標高差単純431m 累積(+)710m 累積(−)710m
沿面距離登り4.3Km 降り3.7Km
登山日2009年9月11日
天 候曇り
同行者単独
コースタイム  室堂(25分)雷鳥平(1時間15分)真砂岳(10分)内蔵助山荘<休憩17分>(1時間35分)室堂
合計4時間2分<休憩17分含む>


 地図を眺めていたら富士ノ折立の東側の尾根があることに気付いた。そして内蔵助谷から黒部川に降りる登山道がこの尾根を横切っている。
 新しいルートを発見。ネットを調べても誰もやっていない。無理なのか?面白くないのか?とりあえず行ってみる事にした。


大走りから真砂岳へ登って内蔵助山荘へ 富士ノ折立東陵を眺めた後、近道で帰る
 
 大走り登山道は降ったことはあるが登ったことはない。こちらから登ることにした。
 浄土沢へは地獄谷経由ばかりだったので、雷鳥荘経由の道を選ぶ。今日はめずらしい道ばかりを選んだ。


閻魔台から地獄谷をのぞむ
 

地獄谷の上に見えるのはカラダ山(からだせん)
 
 ちなみに地獄谷の上に見える「加羅蛇山」は「からだせん」と読む。鳥取の「大山」(だいせん)と同じ読み方だ。
 「山」を「せん」と読むのは富山では「加羅蛇山」と「医王山」(いおうぜん)の2つだけのようだ。


浄土沢を渡って大走りへ向かう
 

左が大走り登山道で、右が一ノ越への登山道
 
 みくりが池から血の池を回ってりんどう池を巻き、雷鳥荘の前を通る。そこから雷鳥平へと降りる。
 浄土沢にかかる浄土橋を渡って右に折れ、大走り登山道に向かう。左に行けば雷鳥沢から別山乗越へと続く。


大走りの名前の由来を想像すると面白い
 
 大走りの下の方は悪路だと思っていたがそれほどでもなかった。最近道なき道ばかり歩いていたのでそう思ったのかもしれない。
 真砂岳の西陵に出てから広い尾根となる。大走りの名前の由来はこの尾根にありそうだ。
 大股で走れるからか?大勢でも並んで走れるからか?。


大走り登山道を上からのぞむ 遠くに見えるのは地獄谷
 
 下から見て真砂岳の頂上に見えるのは大走りの尾根続きの小ピークである。本当の頂上はその左側(北側)にある。
 その小ピークの手前で登山道は右と左に別れる。小ピークの巻き道で、大走りを利用するときはこちらをたどらないといけない。


小ピーク手前で左にコースを変えて真砂岳へ
 

「岳」の名前が付いた割にはショボイ山頂
 
 真砂岳に行く予定なので左にコースを取る。ピークを通る道と合流するとすぐに真砂岳の頂上だ。
 なだらかな山につく名前が「〜山」で険しい山に付く名前が「〜岳」というイメージがあるが真砂岳は例外のようだ。


主稜コースから外れてひっそりとした内蔵助山荘
 

内蔵助山荘から富士ノ折立東陵を眺める
 
 真砂岳から東に分岐する登山道を降り内蔵助山荘に寄る。とりあえず、缶ビールで水分補給する。(500円)
 内蔵助山荘の裏から富士ノ折立東陵を眺める。何処から取り付くか?あまり下まで降りるとハイマツの藪こぎがうるさそうだ。


地図で見たほど現実は甘くない
 
 最初のキレットのあとの壁は何m? そのあとのギザギザのピークは巻けるのか? 最後のキレットは懸垂で降りたとしても、そのあと登れるのか?持ち込んだザイルは20m×7mmだけ。
 尾根手前に見えるガリーはエスケープルートになり得るのか? 眺めながら色々なルートを模索する。


最初の壁は何メートル? 途中のギザギザは巻けるのか? 最後のキレットの懸垂後は?
 
 いまいちルートがピンと来ない。単独のリスクが重くのしかかってくる。風が強いのもいやだ。頂上はガスに覆われていることが多い。
 出直す事にした。下調べもなし。あっさり諦める。次回、誰か誘って来る事にしよう。


近道の入口
 

近道は急なガラ場を下る
 
 帰りは、地図に載っていない「ボッカ道」と呼ばれている道を降る。ガレ場を降った後、水平道に変わる。一般の登山道のようだ。
 一ノ越から雷鳥沢キャンプ場への登山道と交差して、室堂から一ノ越への登山道に合流する。


ガラ場から水平道へと変わる
 

昔の電話線があちこちに残っている
 

山崎カールの下を横切る
 

登山道と思えるくらいの道だ
 

岩に書かれた「ボッカ道」の標識
 

一ノ越から雷鳥平への登山道を横切る
 

室堂から一ノ越への登山道に合流
 

逆から見たら分かりにくい入口
 
 室堂に戻ったのはお昼だった。早めに降りて街の用事を済ませることにする。午前中に3000m近い山をやって午後から街の用事が出来るというのも、立山へのアプローチがいいからだ。
 仕事の関係でアルペンルートが無料ということも、他の人にはない大きなアドバンテージだと思う。


振り返って見ても近道は肉眼では確認できない